1. 物流会社が中小企業の顧客情報と連携しマーケティング事業を展開した理由!

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物流会社が中小企業の顧客情報と連携しマーケティング事業を展開した理由!



● 物流 × IT で新たな企業向けマーケティングプラットフォームを構築!

 企業にとって、顧客情報は重要な資産!中小企業では顧客情報を活用しきれていない状況です!その情報を他社と「共有」することを目的としたのが『NCネットワーク』この取り組みを僅か1年でプラットフォーム化したのが株式会社高光産業 代表取締役社長の妹尾だ。

現在ではラジオを活用したマーケティングサービスも展開!これまでの経緯を聞く

 

■ 物流会社ならではの発想の転換

(渋谷) 物流会社で中小企業の顧客情報を取り纏めたきっかけは?
(妹尾) 取引先の中小企業は顧客情報を持ちながら活用できなかった。 情報の視点から取引企業様の顧客情報を集約し、共有化することで大きなビジネスができるのではと考えたのが最初です。
(井上) それが、NCネットワークの始めるきっかけだったのですね!2003年からこのネットワークを活用した中小企業連合組織「NCにっぽん」を立ち上げる。2008年から新サービスとして「ここワン」を開始し、現在では加入企業約300社、登録ユーザーも約55万人を超える規模までになったのですね!
(渋谷) 現「ここワン」の前身だった「NCにっぽん」とはどんなものだったのでしょうか?
(妹尾) これは、加入企業が個人(匿名)の性別と職業、居住地域、メールアドレスなど の膨大な顧客情報をもとにしたマーケティング調査ができる仕組みです。これは自社だけではなく営業ツールとしても活用できます。 例えば、弊社のように物流会社なら、健康食品メーカーに飛び込み営業をかける際、物流部門ではなくマーケティングや営業部門にアプローチします。 そして、その場で要望をお伺いし、商品についてのアンケートを作成。後日NC にっぽん(以降、ここワン)を活用したユーザーの嗜好やメーカーブランディング等を含めたアンケート結果を持参します。 その結果を踏まえてメーカーに「関心がある」と回答したユーザーとは、本人の許可が得られれば健康食品メーカーはその後も直接メールで継続したコミュ二ケーションが可能になります。
(渋谷) なるほど! マーケティング結果やユーザーと継続的なコミュニケーションが出来る仕組みを構築し売上や認知を促進し物流量を増やし本業に繋げて行くのですね!通常調査会社を利用すれば、1回数百万円の費用がかかるのもありますよね。ここワンの利用費用はどうなのでしょうか?
(妹尾) 会費制となり、月3万円です。
(渋谷) 月3万円!年で36万円なんですね!この価格は通常PRと比較すると魅力ですね。実際活用している会員の事例をお伺いしてもよいでしょうか?
(妹尾) はい。事例ですが、ある会員は1回で1000〜2000人からアンケート回答を得て、そのうち3〜4割が会員企業に「興味アリ」の顧客。その顧客と継続的にメールでコミュニケーションをとり、購買に繋がったのが20%(60〜80人)とお伺いした会員もおります。
(井上) 物流以外の付加価値を提供し、販促を伸ばしながら本業との連動を図っているのですね!物流各社も運賃競争の中、この付加価値はWEB通販売上が伸びている中、組織を横断し、業務工数の削減にも繋がり中小企業にはメリットが大きいですね。

■ 物流会社ならではの発想の転換

(渋谷) 物流業界の課題とは何でしょう!
(妹尾) モノ運びから派生したビジネス機会の創出だと考えます! 昨今IT化や情報化と言われ久しいですが、我々は顧客の情報をITで繋げその顧客のお客様へ情報を展開することでしょうね!物流業界は物流単価や人材問題も大きな課題ですが、顧客アセットを価値に変えて提供することも課題です。
(井上) 最近では個人向け、特にオークションやネット通販の宅配増加で量は増えるものの単価が下がり色々撤退の話も聞きます。結果、物流会社数が多すぎて競争過多なので 差別化を含めた付加価値が必要なのですね!
(渋谷) 他には課題は何でしょうか?
(妹尾) 国内ビジネスが頭打ちなのではと思います。WEB通販が活況で好調と見えますが、人口減少・メーカーの生産海外移転で長期的に見れば、厳しい企業が増えて行くでしょう。そもそも差別化が難しい業界です。
(渋谷) 確かに物流業界の差別化は、配送単価だけかと感じます。 しかし、大手会社さんでは、WEB通販が拡大する中商品在庫と連動したカートシステムもあったかと思います。
(妹尾) ありますね。WEBの専門カート会社もあり購入データの解析など専門で対応しています。 ただ決済だけを持ち合わせても顧客とのコミュニケーションからの一連の流れを持ったWEB会社さんの方が企業には良いかと思います。 また、何か画期的なものを作れる訳でもなければ、発明も出来ません。概ねAmazon様に倉庫でロボットを活用し、ローコストの運用ができる会社位でしょう!
(渋谷)

物流業界の課題は、

  1. 人材不足と高齢化
  2. 競争過多で儲からない
  3. 国内ビジネスにキャップがかかる
  4. 差別化が厳しい

なのですね!

(妹尾) そうですね。物流大手は、取引先企業が製造拠点を海外に移行していることもあり、海外展開を実施している日系メーカーメインの取引かと思います。他にも現地企業の取引となるので法規上や為替の違いからローカライズも大変なのかもしれません。
■ 差別化からの付加価値!
(渋谷) 先述の課題から必要なものとは?
(妹尾) 4つに纏めてもらいましたが、4番目の差別化でしょうね! 私は前職の商工組合中央金庫時代に中小企業とのお取り組みが多く、業種は様々でしたが概ね内情は把握出来てました。どうすれば中小企業が生き残れるかを感じていました! 中小企業が物流大手との取り組みで物流コストもかかり、中小が物流大手と同等な取り組みができないかと考えました。そこで各企業が力を合わせて共有することで大きな力になり大手企業とも対等に渡り合える方法、つまり「情報協同組合」的な発想で考えたのが現「ここワン」です。
(井上) 前職の経験からターゲットを中小企業に定めた「勝つ方法」を考え、地方企業を何とかしたいとの一心が付加価値を産んだのですね。“思い立ったら即実行”だから、この仕組みをインターネットで現実したのは如何にも妹尾さんらしい。。。。

■ 付加価値の実践と機会の取得!

(渋谷) では事業をどうように展開したのですか? 現在では加入企業約300社、登録ユーザーも役55万人も超えていますね。
(妹尾) まず地方銀行や地方の大手企業へお声をかけ、中小企業に拡大していきました。
(渋谷)

地方のITリテラシーや顧客情報を共有することにかなり抵抗あったのではないですか?

「物流会社なのにIT企業の話をして」とか思われたかと感じますが、どのように賛同を得て行ったのですか。

(妹尾) はい、ありましたね! お話をして抵抗のあった企業へは分かりやすく「地域全体で顧客を囲い込めば、パン屋の客が隣の肉屋で商品を買っても、そのお客さんを取ったことにはならないです。餅は餅屋の強みを活かして動かすことで活性化に繋がりさらに拡大します」と伝えましたね。
(渋谷) 1社1商店ずつ営業されたのですか?
(妹尾) はい!1社1商店ずつです。 我々は物流企業でもあるので配送エリア網があり、新たな価値としてもそうですが、顧客の現状も把握できる良い機会になったと当時を思い返すと感じますよ。
(井上) 凄く努力されましたね。 元々は物流企業としての付加価値として顧客情報を共有化しアンケートの手法を活用し「興味・関心」のある企業が潜在顧客へリーチが出来ればアプローチの幅が広がり継続的なコミュニケーションが可能ですね。 また、本業の物流量にも繋がりますから・・・。 そもそも、妹尾さんがインターネットビジネスを展開したきっかけはなんだったのですか? 話を聞いていくうちに気になったので教えて下さい。
(妹尾) 1990年後半くらいに会合でホームページとは、e-メールとはと言ったキーワードを聞きインターネットに関心を持ちました。当時は、今後インターネット時代が来ると予測できたので即時にインターネット事業部を立ち上げました。どのように事業で活用できることを模索し、何をやるかを考え始めたのが最初です。
(井上) 自分の感覚で事業部を立ち上げたというのは凄い。 今となれば先見性だと言えますね。 妹尾さんはプログラミングとかは出来ませんよね?私が感じる妹尾さんは熱血営業の印象です。
(妹尾) プログラミングも出来ませんが、出来るのは飛び込み営業くらいです。今や営業は「趣味」の領域です。
(井上) では、ビジネスの中核を担うシステム開発とかはどうしたのですか?
(妹尾) インターネット事業部を立ち上げてもシステムエンジニアはいませんでしたが、「ここワン」のイメージはありました。 そのイメージで全国の 大学研究者へ飛び込み営業で訪問し「中小企業の情報協同組合を作りましょう」と提案していた中、某国立大学の研究室でシステム自体を構築できました。
(井上) ビションに賛同頂きながら進められたのは妹尾さんの熱意が伝わったのでしょう。 「ここワン」の原型がわかりました。最近では、特許を多く取得されておりますが、なぜでしょうか?発明家の印象すらありますが・・・。
(妹尾) 今、開発を進めている案件も、ネット関連ビジネスモデルは直ぐに真似されると感じプロテクトの一貫として特許を取得や登録申請を行っています。現在では海外を含め20のビジネスモデル特許を取得しております。
(井上) 先手を打って動くのも妹尾さんらしい判断ですね。今後も「ここワン」を活用したモデルも増えて行くのでしょうね! しかし、地方の物流会社でこれほど特許を取得している会社は聞いたことはありません。 そもそも高光産業には物流業者によるIT事業が出来る素養があったのだと思いますね。

■ 新たなラジオマーケティング「ラジオ2951(フクコイ)」

(渋谷) 「ここワン」ビジネスモデルの派生サービスはあるのですか?
(妹尾)  はい。2017年よりラジオ視聴者の中からもマーケティングができるラジオ番組を手掛けております。 簡単に言うと、番組の中で視聴者プレゼントコーナーを設けラジオ出演者が自社で展開してい る商品やサービスにリスナーが応募し、抽選で当たる仕組みです。 そこに「ここワン」のアンケート応募機能を活用しております。
(井上)  私が理事長をしている日本ラジオパーソナリティー協会公認の「ラジオ2951(フクコイ)」ですね。毎週日曜日20時から放送ですよね。
(渋谷) リスナー参加型のプレゼント番組「ラジオ2951(フクコイ)」とはどのようなラジオ番組ですか?
(妹尾) 「エフエム東京半蔵門スタジオ」からミュージックバード系列の全国コミュニティラジオ約95局に情報配信を出来るのことが特徴な番組です。
(渋谷) 放送開始からの進捗は如何でしょうか?
(妹尾) 現在、番組放送回数は65回を超え、延べ90名近いゲストの皆様にご出演頂いおります。最近では、サッカー界からも元ブラジル代表ジーコさんにご出演を頂きました。
(井上) ゲスト様の中には、各業界でご活躍されていらっしゃる「志のある経営者」や「情熱を持リーダー」そして「将来有望な学生諸君」も含まれユニークな番組と聞いております。
(渋谷) そうなのですね!既に放送回数65回、 90名のゲスト様とは驚きです。

■ ラジオマーケティングの展望!

(渋谷) 「ラジオ2951(フクコイ)」の展望をお教え下さい。
(妹尾) ラジオは今、スマホさえあれば、世界中どこにいても、リアルタイムで放送が聴ける時代です。今以上にコミュニティラジオを発信源にして「人と言う資源」にスポットライトを当てて、地域振興、経済活性、そして中小企業支援に繋げて世界へ配信したいと考えております。
(井上) ラジオ2951(フクコイ)は更なる成長を遂げるかと思います。これまで楽しく作って来た「番組パーソナリティー藤田みさ さん」や「妹尾さん・プロデューサー」の努力と熱意からも感じますね。特に、藤田さんは各ラジオ局での生放送で培った直感、洞察力、表現力を活かしたインタビューに定評があり面白いですね!
(妹尾) これからの日本人は、日本人としての誇りと志を持ち、世界へ発信できるリーダーが必要とされてますので、高光産業のDNAを物流×IT、そして人との繋がりで展開して行きます。

 

■ 対談者プロフィール

高光産業 株式会社 
代表取締役社長 妹尾 八郎
慶応大学卒業後、商工中金入社。 総合物流業である髙光産業㈱を経営し、ITに関する数々の発明を受けて、 ㈱インターナショナルビジネスリンク、 ㈱チェンジフィールド を立ち上げる。
【所属団体等】

  • 日本倉庫協会 評議員
  • 太平洋電気通信協議会日本委員会 イノベーション交流会副会長
  • 一社)日本ラジオパーソナリティー協会 理事
  • 一社)日本アルメニア経済文化機構 理事

井上 幸彦
山梨県甲府市出身。

京都大学法学部卒業後、警察庁入庁。 1995年、第80代警視総監に就任。各事件の捜査で名を馳せる。 日韓合同開催ワールドカップなど国内の重要イベントでは警備を通して 危機管理強化に貢献した。1997年に退官。

  • 日本ラジオパーソナリティー協会 理事長 
    他多数の理事を兼務

事業脚本家
渋谷 健

プロのファシリテーター、事業プロデューサーとして行政や 企業の戦略立案・策定に関わる。

  • フィールド・フロー株式会社 代表取締役社長
  • 一般社団法人 OSTi 副代表理事
  • 一般社団法人 まちはチームだ 副代表理事 




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