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2025.5.27
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 日本の八百万の神の話しでした。
日本では昔から八百万の神々がいると考えられてきました。
山や川、海、風、火、石、さらには言葉や道具にまで神が宿るとされ、
自然のあらゆるものに対して
敬意と感謝の心をもって接するというのが神道の基本的な考え方です。
しかし、そんなたくさんの神々にも、いちばん最初に現れた神、
つまりすべての神の根本にあたる存在「親神」という考え方があります。
では、その親神とは誰なのか、
そしてどういう由来を持っているのかの話に今日は進みます。
一番古い日本の神話の書物『古事記』によれば、
この世界がまだ形をなしていなかった混沌の時代、天地が初めて開けたとき、
最初に現れた神が「天之御中主神」という神様でした。
この神様の名前の意味は「天の中心にいらっしゃる主」ということで、
天地創造の中心におられた宇宙の根源神、
つまり世界のはじまりにいた存在として位置づけられています。
この神様は「独神(ひとりがみ)」と呼ばれ、男神でも女神でもなく、
お一人で現れてすぐに姿を隠されたとされていて、
他の神々のように物語の中で活躍することはありませんでした。
その後に
「高御産巣日神(たかみむすひのかみ)」と「神産巣日神(かみむすひのかみ)」という神が現れ、この三柱の神々は「造化三神(ぞうかさんしん)」と呼ばれています。
この三神は、世界のはじまりに自然に現れた特別な神々で、
宇宙や生命をつくり出す「むすひ(産霊)」の力を司る神として尊ばれてきました。
しかし、日本の神話では、
実際に島や神々を産み育てたのはもう少しあとに登場する
「伊邪那岐命(いざなぎのみこと)」と
「伊邪那美命(いざなみのみこと)」という男女の神です。
この二柱の神は、天の神々から命令を受けて、
混沌とした海に「天の沼矛(ぬぼこ)」をかき回し、
最初の島「淤能碁呂島(おのごろしま)」を生み出し、
そこから夫婦となって日本列島の各地や、火や風や山などのさまざまな神々を次々に生みました。
このことから、
伊邪那岐と伊邪那美は、実質的には「八百万の神々の親」と言える存在となります。
つまり、神々の系譜をたどると、多くの神がこの二柱を父母としていることから、
「親神」としての役割を果たしているとも考えられるのです。
このように、日本の神々にはいくつかの「親神」が存在しており、
その役割や立ち位置は信仰の文脈によって変わります。
たとえば、天之御中主神は宇宙そのものの始まりにあたる神である一方、
伊邪那岐・伊邪那美は物語の中で活躍し、
実際に多くの神を生んだ神として親しみやすい存在ですね。
また、これらの神々とは別に、後の時代になると「親神」という言葉が宗教的な意味を持って使われるようになっていきます。
たとえば江戸時代の終わりから明治時代にかけて生まれた神道系の新宗教で、
今では スポーツ界では有名な天理教があります。
「天理教」では、「親神様」という言葉が非常に重要な意味を持っています。
天理教では、この親神様は「天理王命」と呼ばれ、
人間を創り、この世の中をつくった神であり、
人間を幸せに導くために教えを与えている神とされています。
この親神様は、単なる宇宙の根源ではなく、私たち一人一人と関わりを持ち、
見守ってくれる存在として信仰されていますね。
こうして見てくると、日本における親神の考え方は一つではなく、
時代や文献、宗教ごとにいくつかのパターンがあります。
古事記では最初に現れた神である天之御中主神が抽象的な親神として描かれ、
物語的には伊邪那岐・伊邪那美が多くの神々を生み出した親のような存在として登場します。そして近世以降の宗教では、もっと人格的で具体的な親神像が描かれるようになっていきました。
また、日本人の信仰心の特徴として、唯一絶対の神ではなく、
多くの神を尊び、時と場合によって信仰の対象を柔軟に変えるという点も挙げられます。
これは、多神教の考え方に根ざした
「共に生きる」精神であり、
自然や祖先、目に見えない力を尊重する心から生まれたものです。
その中で「親神」という存在も、遠い宇宙の始まりにいる神でもあり、
日々の暮らしの中で心のよりどころとなる神でもあるのだと考えられます。
結局のところ、
日本における「親神」とは、「最初に現れた神」だけを指すのではなく、
「すべてのはじまりにいて、今も見守ってくれる存在」として、
人々がその時代、その心の状態に応じて親しみ、信仰してきたものと言えるでしょう。
八百万の神々を敬いながらも、
その根っこにはいつも「親神様」の存在を感じてきた日本人の信仰のあり方には、
やさしさと包容力が感じられると思います。
だとすると アノ神も天之御中主神も 同じではないかと言う気がします
が
その話しは、、、、、
明日に続く、、、、、、。