EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2025.7.8

七夕

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは マルクスレーニン主義の話しから 日本における学生運動についての話しでした。

まだまだ この話は続きそうですが 一旦置いておいて、、、、

昨日は七夕でしたね、、、

今日はこの話に進みます、、、、、。

 

七月七日といえば、日本では「七夕」として親しまれています。

短冊に願いごとを書き、笹に飾る風習は、

子どもから大人まで心を躍らせる年中行事のひとつです。

 

夜空を見上げて、織姫と彦星の逢瀬に想いを馳せる。そんな情緒ある一日が、

この七夕という行事です。

 

でも、ふとしたときに

「なぜ七夕に願いごとをするの?」「いつからそんな風習が広まったの?」

と疑問を持ったことはありませんか。

七夕には、古くからの伝説と、日本人の心に根ざす祈りや信仰が深く結びついているのです。

 

七夕のはじまりは、中国の古い伝説にあります。そこに登場するのが、

織姫と彦星という星の物語です。

織姫は機織りが得意な天帝の娘で、彦星はまじめな牛飼いの青年。

 

二人は恋に落ちて結婚するのですが、仲が良すぎて仕事をしなくなってしまい、

怒った天帝が二人を天の川の両岸に引き離してしまいました。

ただし、年に一度だけ七月七日の夜に会うことを許されたのです。

 

この切ない恋物語は、旧暦の七月七日に語られるようになり、

中国では「乞巧奠(きっこうでん)」という行事として、

若い女性たちが裁縫や手芸の上達を祈る日となりました。

 

一方、日本には古くから「棚機(たなばた)」という信仰がありました。

これは、清らかな乙女が水辺の小屋にこもり、

神に捧げる織物を織って心身を清めるという神事でした。

 

この「棚機」の儀式と、中国から伝わった織姫と彦星の物語が出会ったのが、

奈良時代のこととされています。

 

当時の日本では、遣唐使などを通じて中国文化が盛んに取り入れられており、

宮廷の中でも星に願いをかける行事として七夕が行われるようになりました。

 

日本古来の神聖な機織りの儀式と、中国のロマンティックな星の伝説が融合し、

「七夕(しちせき)」と呼ばれるようになったのです。

 

そして「たなばた」という読み方は、

日本の「棚機(たなばた)」から来ている一方で、

「七夕」という字は中国由来の漢字です。

つまり、読みは日本、字は中国という、

和と漢が美しく溶け合った行事が七夕なのです。

 

当初、七夕は主に貴族や宮廷の行事として行われていましたが、

平安時代になると歌を詠んだり願いを短冊に書くような文化が生まれ、

徐々に庶民の間にも広がりを見せ始めます。

 

江戸時代に入ると、七夕は五節句の一つとして幕府により正式に定められ、

庶民も祝う行事として定着していきます。

 

七月七日の夜に短冊に願いを書いて笹に飾るという

現在の形に近い風習が見られるようになったのもこの頃です。

 

寺子屋教育の広がりとともに、学問の上達や芸事の向上を願う行事として、

特に子どもたちの間で親しまれるようになりました。

 

ここで気になるのが

「旧暦の七月七日って、今のカレンダーだといつなの?」という点です。

 

旧暦は月の満ち欠けを基準にした暦で、

現在使われている太陽暦とは日付の進み方が異なるため、

年によって差がありますが、

おおよそ新暦の八月上旬から中旬にあたります。

 

つまり、本来の七夕の季節は、ちょうど梅雨が明けて空が澄み渡る時期。

今の七月七日はまだ梅雨の真っ最中で、

雨や曇りで星が見えないことも少なくありません。

 

本来の七夕の季節に合わせて、

現在でも旧暦の七夕に合わせた行事を行っている地域もあります。

たとえば仙台の「七夕まつり」は八月初旬に開催され、

全国的にも有名な夏の風物詩となっています。

 

では、日本で七夕が“国民的行事”として定着したのはいつ頃からなのでしょうか。

実はこれには戦後の教育とメディアの影響が大きく関係しています。

 

戦前の日本では、七夕は地方色が強く、

地域ごとに行われる行事のひとつに過ぎませんでした。

 

しかし、戦後の学校教育の中で「季節の行事」として七夕が取り上げられ、

短冊を作って笹に飾るという活動が全国の小学校で行われるようになります。

 

さらに、1950年代以降になると、

ラジオやテレビ、新聞などのメディアが七夕を「全国的な季節行事」として取り上げ、

商店街の飾りつけや地域のイベントなども増え、

七夕が広く一般家庭にまで浸透していったのです。

 

このように、七夕はもともと中国から伝わった星の伝説と、

日本に古くからあった神聖な織物の儀式が出会い、

やがて日本の文化として花開いたものです。

 

そして時代の流れとともに、貴族の行事から庶民の祈りへ、

さらには子どもたちの願いを込める学校行事として、

さまざまな形に姿を変えながらも、

今も変わらず私たちの心に寄り添っています。

 

ちなみに七夕の夜空に輝く織姫星は「こと座のベガ」、

彦星は「わし座のアルタイル」として知られており、

どちらも夏の夜空でひときわ明るく輝く一等星です。

 

そしてこの二つに「はくちょう座のデネブ」を加えてできる大きな三角形は、

「夏の大三角」として星空観察の定番でもあります。

 

空を見上げてこの三角形が見えたら、それは昔の人々が見上げたのと同じ空です。

 

その中に、時を超えて今も語り継がれる織姫と彦星の物語が、

静かに息づいているのですね、、、、。

 

短冊に願いを込めて笹に飾る風習にも、ちゃんと意味があります。

竹は成長が早くまっすぐ天に向かって伸びることから、

「願いが天に届くように」との願いが込められており、

風にそよぐ笹の葉に神様が宿るとも言われています。

 

色とりどりの短冊が揺れるその風景は、どこか懐かしく、

そして心が温まる日本ならではの美しさを感じさせてくれます。

 

七夕とは、古代から現代まで、時代を超えて人々の想いが込められた行事です。

星に祈る心、誰かを想う気持ち、

そして自分自身の夢を願うという素直な気持ちが、

この七夕には詰まっています。

 

明日も 七夕に関する話に続く、、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

次の記事へ
前の記事へ