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2025.8.4
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 出雲大社の二礼四拍手について等の話しでした。
この出雲大社は 縁結びの神様と今では言われていますが、、、、
今日は この話に続きます、、、、。
出雲大社が縁結びの神様として広く知られるようになった理由は、
祀られている大国主大神の神話と、その御神徳に深く関係しています。
大国主大神は古事記や日本書紀に登場する国造りの神様で、
天照大御神の命により国を譲った「国譲り」の神話でも有名です。
その後、大国主大神は現世の支配からは退き、
幽界の支配を任されることになります。
この神話において、大国主大神は天界の神々と和をもって交渉し、
国を円満に譲るという
「和の精神」を体現した神として尊ばれるようになりました。
この「和」は人と人を結ぶ縁にも通じるものがあり、
そこから「縁結びの神」としての信仰が育まれていったのです。
さらに、大国主大神には多数の妻や子どもがいたことも知られており、
多くの神々との関係を築いた神として、
男女の縁だけでなく人間関係全般を結ぶ神様とされるようになりました。
いつ頃から「縁結びの神」として広まったのかについては、
はっきりとした記録はありませんが、
江戸時代にはすでにその信仰は全国的に広がっており、
縁結びを願って出雲に参詣する風習が見られるようになります。
特に旧暦の10月に全国の神々が出雲に集まるという
「神在月(かみありづき)」の信仰が強まり、
出雲が特別な神事の地であるという意識が高まるにつれ、
縁を結ぶ神々の中心である出雲大社の信仰は一層強まっていきました。
出雲大社そのものがいつ出来たのかについては、
これも明確な年代はわかっていませんが、
『出雲国風土記』や『延喜式』などの古文書によれば、
非常に古くから存在していたことが分かります。
伝承によれば、大国主大神が国を譲った見返りとして、
自らの住まいとして立派な宮を建てるように天照大御神に願ったことが、
出雲大社の始まりとされています。
このとき、大国主大神のために造営されたのが
「天日隅宮(あめのひすみのみや)」で、
これが後の出雲大社の原型とされています。
かつては現在よりもはるかに高い構造を持つ
壮大な社殿が建っていたとも伝えられており、
平安時代には48メートルを超える高さがあったという記録もあります。
平安期の貴族や武士たちの崇敬も篤く、
全国の神社の中でも特に重要な存在として位置づけられていました。
また、出雲大社は神社でありながら
「大社」という特別な呼称が与えられており、
これは他の神社には見られない格式の高さを表しています。
こうした背景には、
出雲が古代日本における宗教的な中心地の一つであったという事実があり、
大国主大神の神話的役割と相まって、
特別な信仰の場となってきたのです。
出雲大社の祭神である大国主大神は、
人と人、神と神、国と国との間に調和をもたらす存在として、
時代を越えて多くの人々に崇敬されてきました。
その働きは、単なる恋愛成就にとどまらず、
仕事、友情、家族関係など、
あらゆる「縁」を良きものへと導くとされるため、
老若男女問わず、幅広い人々の願いを集めてきました。
特に近代以降、
縁結びの神様としての出雲大社の知名度は飛躍的に高まり、
観光地としても多くの参拝者を迎えるようになります。
戦後の日本においても、
結婚に対する意識が変化しながらも「良縁を願う心」は変わらず、
人々はその願いを叶えるべく出雲の地に足を運ぶのです。
出雲大社の御本殿は、国宝にも指定されており、
現在の社殿は1744年に造営されたものが修理を重ねて受け継がれています。
建築様式も「大社造」と呼ばれる日本最古の神社建築様式の一つで、
格式と伝統の象徴となっています。
また、拝殿前に掲げられた巨大なしめ縄は、
出雲大社の象徴的な風景として人々に親しまれています。
しめ縄自体にも「結ぶ」という意味があり、
これもまた縁結びのイメージと重なって、
信仰と観光の両面から出雲大社の魅力を高めています。
縁結びの信仰には、ただ願いを託すというだけでなく、
訪れた人々が自らの人生や人間関係を
見つめ直す機会を与えてくれるという大切な意味合いもあります。
出雲大社で祈ることを通して、
自分と周囲との関係性を再認識し、
よりよい生き方を求める心が芽生えることが、
縁結びの本質なのかもしれません。
つまり、出雲大社とは、
古代から続く神話の地でありながら、
現代に生きる私たちにとっても大切な人とのつながりを見つめ直すための
「心の拠り所」なのです。
このようにして、
出雲大社はただの恋愛成就のパワースポットではなく、
日本人の精神文化の深層に根差した
「縁を結ぶ聖地」として、
今も多くの人々に愛され続けているのです。
明日は 何故出雲に、、、、??
の話に進みます、、、。