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2025.9.19

大祓詞

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 吉田神社の話しでした

今日は 神社に行くと祝詞をあげますね

その話しに進みます、、、、。

 

祝詞というのは神社で神職が神様に向かって唱える言葉のことであり、

日本の祭りには欠かせないものです。

 

その中でも特に有名なのが大祓詞です。

 

六月と十二月の大祓の行事で全国の神社で唱えられ、

私たちの罪や穢れを祓い清める大切な役割を持っています。

 

では、この大祓詞はいつからあり、誰が考えたものなのでしょうか。

 

祝詞そのものは古くから存在し、

もともとは文字に書かれるのではなく口伝えで受け継がれてきました。

やがて『古事記』や『日本書紀』に神話として祓の起源が語られるようになり、

延喜式という平安時代の法律書にはっきりと大祓詞が記録されます。

 

延喜式は九世紀から十世紀にかけてまとめられたもので、

そこに載っている大祓詞が今に伝わる基本の形です。

つまり千年以上前から大祓詞は国家の正式な祭祀で用いられていたことがわかります。

 

大祓詞を考えた人物を一人に特定することはできません。

これは古代の祭祀を担った神祇官や祝部と呼ばれる氏族が代々工夫を重ね、

祈りの言葉を整理していった結果として形作られたものだからです。

 

神話に登場する伊邪那岐命の禊祓が原点であり、

それをもとに罪や穢れを洗い流す祈りの言葉としてまとめられたのが大祓詞です。

 

内容を簡単にいえば、人が犯すさまざまな罪や災いを列挙し、

それらを神々の力で祓い清めることを宣言し、

水や風の流れによってきれいに流されていく様を表したものです。

 

ここでいう罪は、盗みや争いといった人の行いだけでなく、

病気や災害や死といった生活に関わるあらゆる不幸を含んでいます。

 

古代の人々にとって祓は社会と自然を守るための大切な儀式でした。

 

平安時代には六月と十二月の晦日に宮中で大祓が行われ、

天皇や国家の安泰を祈る重要な行事でした。

それはやがて地方にも広がり、

国司や神社で同じように行われるようになりました。

 

鎌倉や室町時代になると仏教や陰陽道の影響も受け、

大祓詞は神秘的な力を持つ言葉として信じられるようになりました。

 

室町以降は吉田神道が神祇界を整理し、

大祓詞も神職教育の基本として重んじられました。

 

江戸時代になると庶民にも大祓の行事が広まり、

生活の中に深く根付いていきました。

 

明治時代になると国家神道のもとで祝詞は整理統一され、

大祓詞の文言も全国の神社で共通に使われるようになりました。

 

今日私たちが耳にする大祓詞は、古代の神話を起源とし、

平安時代に国家的典礼として整い、中世を通じて受け継がれ、

近代に統一されたものなのです。

 

現代では六月と十二月の大祓で必ず唱えられますし、

個人の祈願祭や清祓でも奏上されます。

 

全国どこでも同じ言葉が唱えられるのは明治以降の統一のおかげです。

 

こうしてみると、大祓詞は一人の作り手が考えたのではなく、

古代から人々が祓いの力を信じ、

受け継ぎながら磨き上げてきた祈りの言葉です。

 

神社で大祓詞を耳にするとき、

千年以上にわたる日本人の祈りと生活の歴史が

今につながっていることを感じ取ることができるでしょう。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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