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社長&顧問ブログ

2025.10.6

出雲富士「天の叢雲」

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 出雲大社の神話の話しでした

今日は その神話の中で出て来る八岐大蛇と関係する

日本酒の話になります、、、。

 

島根県出雲市の静かな田園地帯に小さな酒蔵「富士酒造」があります。

創業は昭和十四年、初代の今岡正一が

「出雲の地から日本一愛される酒を」

との願いを込めて銘柄を「出雲富士」と名付けました。

 

その名には、富士山のように堂々とそびえ、

人々の心に永く残る酒でありたいという思いが込められています。

 

出雲富士は大量生産とは正反対の道を歩み続けています。

米を磨き、水を選び、麹を育てるすべての工程を

人の手で確かめながら進める丁寧な造りが特徴です。

 

杜氏を中心に蔵人が心をひとつにして仕込む姿は

「人が造る、人のための酒」という信念そのものです。

 

2004年、現杜氏が蔵に戻ったことをきっかけに、

地元農家との協働による減農薬・減化学肥料の酒米づくりが始まりました。

 

地域とともに歩み、

地の米・地の水・地の人が一体となった出雲の酒づくりがここに根付きました。

 

そんな蔵が心血を注いで生み出した最高峰が

純米大吟醸「天の叢雲(あまのむらくも)」です。

 

この名は古事記に登場するスサノオノミコトの伝説に由来します。

八岐大蛇を退治したスサノオがその尾から見つけた名剣、

それこそが「天の叢雲剣」であり、のちに草薙の剣と呼ばれる三種の神器の一つです。

 

出雲の神話に息づく勇気と神秘、その象徴を一杯の酒に込めたいという思いから、

この酒は誕生しました。

 

仕込みに使われるのは八岐大蛇伝説の舞台として知られる斐伊川の伏流水、

そして原料米には

出雲市佐田町の契約農家が丹精込めて育てた山田錦を使用しています。

 

まさに神話の地と水と米がひとつに結ばれた奇跡の酒です。

精米歩合は35%、低温でゆっくりと発酵を重ね、

華やかな吟醸香と澄み切った旨味を生み出します。

 

口に含むと柔らかく広がり、雲がたなびくように余韻が漂い、

後味は清らかに消えていきます。

 

蔵元は「冷やして、または常温でゆっくりと」と勧めています。

盃を傾けると、出雲の山々の稜線、斐伊川のせせらぎ、

そしてスサノオが剣を掲げた空の光景までもが心に浮かぶようです。

 

出雲富士「天の叢雲」は、神話と自然と人の技が織りなす出雲の象徴。

八塩折の酒に酔いしれた大蛇の物語を、

現代に生きる私たちが静かに味わうことができる特別な一杯です。

なお、この酒は出雲市内の富士酒造直営店で購入できるようです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/