EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2025.10.7

なぜ桃が?

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 出雲神社に関する神話の話しから それに関係する日本酒の話しでした、、。

 

今日は先日 福岡県直方市にある 他が神社へ行った時の話になります。

 

先日、福岡県の多賀神社にお参りしたときのことです。

拝殿の中を何気なく見上げると、

神前に三つの桃の置物がきれいに並べてお供えされているのが目に入りました。

 

果物のお供えは珍しくありませんが、

桃の置物が三つ並んでいるというのがとても印象的で、

なぜ桃なのだろうかと興味が湧きました。

 

それで 神社で聞いてみた時の話しです、、、、

 

桃という果物には、古くから特別な意味があります。

古事記の中には、伊邪那岐命が黄泉の国から戻られる場面で、

追いかけてくる魔を桃の実で撃退したという神話が描かれています。

 

このお話から

桃は悪いものを祓う力を持つ「霊果」として尊ばれるようになりました。

つまり、桃はただの果物ではなく、

古代の人々にとっては邪気を払う神聖な力の象徴だったのです。

 

多賀神社は「延命長寿」「厄除開運」のご利益で知られる神社で、

御祭神は伊邪那岐命と伊邪那美命の二柱の神様です。

 

このお二人の神は、日本の国をお生みになり、

たくさんの神々を誕生させられた“国産み・神産み”の神様です。

 

命の根源に関わる神様を祀る神社に、

生命力の象徴ともいえる桃が供えられていることには、

とても深い意味があるように思いました。

 

桃は「邪を祓い、命を守る果実」であり、病や災いから人を守ってくれる存在です。

神前に三つの桃が並べられていたのは、

伊邪那岐命・伊邪那美命・そして人間の

三つの心を結ぶ意味が込められているのではないかとも感じました。

 

神と人と自然がひとつに調和し、共に生きるという祈りが、

あの三つの桃の姿に表れているように思えてなりませんでした。

 

お参りを終えて境内を歩いていると、不思議と空気が澄んで感じられました。

風の音や木々のそよぎ、遠くで鳴く鳥の声さえも心にしみて、

静かな感謝の気持ちがわいてきました。

 

古代から続く祈りというのは、形は変わっても今もこうして生きているのだと感じました。

 

桃は中国の古い言い伝えでも、長寿や不老不死を象徴する果実とされています。

古代中国では、仙人たちが桃を食べて何千年も生きるという伝説がありました。

その考えが日本にも伝わり、

桃は「長寿」や「再生」を意味する果物として受け入れられていったのですね。

 

日本では桃の節句が女の子の健やかな成長を願う行事として行われていますが、

これも桃の持つ清らかで守りの力にあやかっているのだといえます。

 

多賀神社の御祭神である伊邪那岐命と伊邪那美命は、

人の命の根源を守る神様ですから、

桃の霊力と結びつけて祀られることは自然なことのように思えます。

 

神社の神事では、桃を使って邪気を祓う「桃花神事」というものもあります。

桃の枝を使って清めをしたり、桃の実を供えて

家内安全を祈ったりする風習が古くから続いています。

 

桃の持つ柔らかな香りや丸みのある形にも、人の心を和ませる力があります。

まるで神様が「穏やかに生きなさい」「争わず、優しくあれ」と

語りかけてくださっているようにも感じます。

 

三つの桃の前で手を合わせたとき、

自分の中のざらついた心が少しずつほどけていくような気がしました。

 

日々の忙しさの中で、知らず知らずのうちにたまっていく不安や苛立ちが、

神社の静けさの中で消えていくようでした。

 

神社は不思議な場所です。何も語らないのに、多くのことを教えてくれます。

 

形あるものの中に宿る祈りを通して、

私たちは自分の心の在り方を見つめ直すことができます。

桃が教えてくれるのは、悪を祓う力だけではありません。

清らかに、まっすぐに、優しく生きることの大切さです。

 

神殿に三つ並んだ桃を見た瞬間、

昔の人々もきっと同じように感じていたのだろうと思いました。

 

桃を供えるという行為は、ただ果物を置くということではなく、

そこに込められた祈りと願いを神様に届けることなのです。

 

悪いものを遠ざけ、良い縁を結び、命が続くことを願う。

そうした想いが一つ一つの桃に宿っているように思えてなりませんでした。

多賀神社の拝殿前でしばらくその光景を見つめながら、

古代の祈りが今も静かに息づいていることを感じました。

現代の私たちが忘れかけている

「自然と共に生きる心」や「感謝を形にする心」を、

桃の実が静かに思い出させてくれているのかもしれません。

 

もし多賀神社を訪れる機会があれば、どうか神前の桃に目を留めてみてください。

そこには神様と人と自然が結ばれた、優しい祈りのかたちが今も息づいています。

 

三つの桃は、まるで私たちに

「よく生きなさい」「悪を祓い、心を清め、長く生きなさい」

と語りかけているようでした。

 

静かな神域の中で、桃の霊力に包まれながら、心の奥まで清らかになるようなひとときでした。

 

で 桃と言えば思い出すのがあの話ですね

それは、、、、

 

明日に続く、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

次の記事へ