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社長&顧問ブログ

2025.10.13

桃太郎神社

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 金太郎神社の話しでした、

今日は 桃太郎神社の話に進みます、、。

 

私たちが幼い頃に絵本やテレビで親しんだ「桃太郎」や「金太郎」の物語。

それはただの昔話ではなく、

日本人の心に生き続ける教えや願いを映した“生き方の物語”でもあります。

 

そんな昔話の主人公を実際に神様として祀る神社があることをご存じでしょうか。

神奈川県南足柄市の「金時神社」と、愛知県犬山市の「桃太郎神社」。

 

この二つの神社は、

それぞれの物語を背景に、時代を超えて人々の信仰を集め続けています。

 

今回は特に「桃太郎神社とはどんな場所なのか?」を中心に、

その魅力をたどってみます。

 

桃太郎神社は、愛知県犬山市の木曽川のほとりにあります。

周囲を緑と水に囲まれた美しい地に、ひときわ目を引くのが大きな桃の形をした鳥居。

参道の入口で訪れる人を迎えるその姿は、まるで物語の世界に迷い込んだかのようです。

 

この神社の主祭神は「大桃太郎命」です。

古代の英雄である吉備津彦命を桃太郎と重ね合わせ、

鬼退治伝説を神話化したものと伝えられています。

 

吉備津彦命は日本神話に登場する武勇の神で、かつて吉備国に住み、

人々を苦しめていた温羅という鬼を討伐したとされる人物です。

 

その物語が時を経て“桃太郎伝説”として広まり、

鬼退治の英雄が「桃から生まれた子ども」として語り継がれるようになりました。

 

桃太郎神社が建立されたのは昭和5年(1930年)です。

 

郷土史家の田中芳男氏が、

この地に古くから伝わる鬼ヶ島伝説を後世に残そうと建立したのが始まりです。

 

木曽川の対岸には「鬼岩」と呼ばれる大きな岩があり、

そこが鬼退治の舞台だったとも伝えられています。

 

境内には桃太郎やお供の犬・猿・雉の像、そして鬼たちの石像が並び、

子どもたちが笑顔で写真を撮る光景が絶えません。

 

中でも人気なのが、鬼の顔を模したトンネル。

参拝者がその中をくぐると厄が落ちるといわれ、

健康や開運を願う人々が列をつくります。

 

さらに境内の「撫で桃」と呼ばれる大きな桃の石像は、

体の悪いところを撫でながら願うとおかげがあるとされ、

女性や高齢の方々にも人気です。

 

桃太郎神社のご神徳は「子どもの健康」「家庭円満」「厄除け」「安産」。

古来より桃は不老長寿・魔除け・再生の象徴とされており、

境内では「桃守り」や「桃みくじ」など、可愛らしい桃モチーフのお守りも多く並びます。

 

桃はまた、「生命を守る果実」として信仰されてきた存在でもあります。

 

日本神話の中では、

イザナギが黄泉の国から逃げる際、桃の実を投げて邪気を祓ったとされ、

「桃は災いを退ける神の果実」として登場します。

 

そうした背景もあり、桃太郎神社は“桃の力”を信じる古代の信仰と、

勇気・正義・平和を願う現代の心が重なる場所といえるでしょう。

 

5月5日の「桃太郎まつり」では、

子どもたちが桃太郎やお供の衣装を着て行進し、木曽川沿いに笑顔の列が続きます。

 

鬼退治の勇ましさと、家族の幸せを願う優しさが一体となるその光景は、

まさに“日本の心”を象徴しています。

 

では、金太郎神社とどう違うのでしょうか。

 

金太郎神社は神奈川県南足柄市の足柄山にあり、

金太郎=坂田公時を祀る神社です。

 

公時は平安時代に実在した人物で、幼い頃から山で熊や猿と遊び、

やがて源頼光に仕えて鬼退治をした四天王の一人となりました。

その正直で力強い生き方が村人に敬われ、やがて“山の神”として祀られたのです。

境内には熊と相撲をとる金太郎像や湧水などがあり、

登山者が無事を祈って手を合わせる姿が見られます。

 

ご神徳は「子どもの健やかな成長」「勝負運」「健康長寿」。

端午の節句には多くの家族連れが訪れ、金太郎の腹掛けや熊の絵馬が並びます。

 

金太郎神社が「山の神=自然との共生」を象徴するのに対し、

桃太郎神社は「桃=生命の再生と平和」を象徴します。

 

金太郎が“まっすぐに努力する強さ”を教えるなら、

桃太郎は“正義と勇気で悪を退ける心”を伝えているのです。

 

どちらの神社にも共通しているのは、

物語を通して「人としてどう生きるか」を伝える祈りの心です。

昔話信仰は、単なる童話ではなく、

人々が理想とする生き方を祀り、地域の文化として受け継いできた信仰の形です。

 

金太郎神社では素直で勤勉な心を、

桃太郎神社では正義と平和を願う心を、

それぞれの土地の人々が大切に守ってきました。

 

日本各地に残る昔話の舞台には、実際にこうした神社や祠があり、

物語の登場人物を神格化して祀る風習が数多く存在します。

 

それは、人の生き様を神聖なものとみなし、

感謝と祈りを捧げる日本人の精神そのものといえるでしょう。

 

桃太郎神社を訪れると、誰もが子どもの頃に戻ったような懐かしさと、

物語に込められた「人を思いやる力」「正義を貫く勇気」を思い出します。

 

大きな桃の鳥居をくぐり、鬼のトンネルを抜け、撫で桃に手を添える──

その一つ一つの行為が、昔話の世界と今をつなぐ祈りの形です。

 

日本の昔話は、決して過去の物語ではなく、

今も生き続ける“心の文化”なのです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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