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2025.10.18

IOC

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までも近代オリンピックの話しでしたが

今日はその生みの親でもある クーベルタンの話になります、、、。

 

近代オリンピックの父と呼ばれるピエール・ド・クーベルタンは、

フランスの教育者であり思想家でした。

 

彼がこのように称えられるのは、

19世紀末の世界が失いかけていた「スポーツの精神」を再び世界に広めようとし、

古代ギリシャのオリンピックを復興させ、

近代オリンピックという国際的な平和の祭典を実現させたからです。

 

クーベルタンは1863年にパリで生まれ、若い頃から教育改革に強い関心を持っていました。

 

当時のフランスは普仏戦争の敗北により国全体が自信を失っており、

国力を取り戻すためには精神と肉体の鍛錬が必要だと彼は考えました。

 

彼はイギリスのパブリックスクールを視察し、

スポーツが教育の中で果たす役割に深く感銘を受けます。

勝ち負け以上に

「フェアプレー」「努力」「友情」「相互理解」といった価値が若者を育てると感じ、

これを自国フランスにも広めたいと考えました。

 

この思想が後に「オリンピズム」と呼ばれる理想の原型になります。

 

クーベルタンは、単なる競技大会としてではなく、

スポーツを通じて国際的な理解と平和を育むことを目的に掲げ、

1894年にパリのソルボンヌ大学で歴史的な国際会議を開きました。

 

この会議で彼は「古代オリンピックの復興」という構想を発表し、

多くの賛同を得て、ここで誕生したのが

国際オリンピック委員会(IOC=International Olympic Committee)です。

 

つまり、IOCの生みの親はまさにクーベルタン自身だったのです。

この会議で正式にIOCが設立され、

初代会長にはギリシャのディミトリオス・ビケラスが就任しましたが、

 

これはアテネでの第1回大会開催を実現するための象徴的な人選でした。

クーベルタンはその後、1900年に第2代IOC会長に就任し、

オリンピックの理念を世界に広めていきました。

 

彼の考えるオリンピックは、単に身体能力を競う場ではなく、

異なる国や文化の人々がスポーツを通して理解し合う「教育と平和の祭典」でありました。

 

クーベルタンは

「オリンピックの最も重要なことは勝つことではなく参加することである」

という名言を残しています。

 

これは彼の教育者としての信念をそのまま表した言葉です。

 

近代オリンピックの第1回大会は1896年にギリシャ・アテネで開催され、

13か国が参加しました。

 

この大会は当初、資金難や関心の薄さから実現が危ぶまれましたが、

クーベルタンの情熱と粘り強い説得によって、

多くの支援者が集まり、見事に開催へとこぎつけました。

 

この成功がオリンピック運動の礎となり、その後世界中へと広がっていきます。

 

彼の理念は単なるスポーツ大会を超えたもので、

教育・文化・平和の調和を重んじた人間形成の理想でした。

 

第一次世界大戦のような悲惨な戦争を経ても、オリンピックが存続し続けた背景には、

クーベルタンが残したこの理念があったからです。

 

彼の構想がなければ、

今日のように世界中の国々が平和のもとに一堂に会するスポーツの祭典は存在しなかったでしょう。

 

したがって、クーベルタンはIOCの創設者であり、

近代オリンピックという世界的運動の父でもあるのです。

彼が築いたオリンピズムの精神、

すなわち、スポーツを通して人類が相互理解し、平和を築くという理想は、

今もIOCの基本理念として受け継がれているのです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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