
EXECUTIVE BLOG
2025.10.31
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 西本願寺と東本願寺の違いの話しでした。
今日は 仏教には 何故宗派が多いのかと言う話に進みます、、、。
仏教に宗派が多いのはけっして争いや対立のためではなく、
同じお釈迦さまの教えを、それぞれの時代や人々の暮らしや考え方に合う形で
伝えてきた結果なのです。
仏教はもともと今からおよそ2500年前、
インドでお釈迦さまが人の苦しみを取り除くために説かれた教えです。
お釈迦さまが亡くなったあと、弟子たちはその教えを守ろうとしましたが、
どのように修行をするか、どの部分を大事にするかで意見が分かれていきました。
そしてインドから中国、朝鮮を経て日本に伝わる間に、
それぞれの国の文化や考え方に合わせて変化していき、
日本では平安時代から鎌倉時代にかけて多くの宗派が生まれました。
つまり宗派が多いということは、
仏教の教えがいろいろな形で生き続けてきたということなのです。
日本の仏教にはたくさんの宗派がありますが、代表的なものを挙げると、
まず天台宗は最澄という人が開き、
すべての仏教の教えを学びながら社会の中で光る人になることを目指します。
真言宗は弘法大師空海が開き、
真言というお経の言葉や印という手の形を使って心と体を清め、
この身のままで仏になれると説きます。
浄土宗は法然が開き、
「南無阿弥陀仏」と唱えて阿弥陀如来を信じることで極楽に往生できると教えました。
浄土真宗はその弟子の親鸞が始め、
人の力ではなく阿弥陀如来の救いにすべてを任せる「他力本願」の心を大切にします。
日蓮宗は日蓮が開き、
「南無妙法蓮華経」を唱えて法華経を信じることを中心に据え、
社会の中で正しい道を貫く姿勢を重んじます。
禅宗には臨済宗と曹洞宗があり、
臨済宗は栄西が開き、禅問答などを通して心の奥にある仏の心を悟ることを目指し、
曹洞宗は道元が開いて「ただ座ること」そのものが悟りであると説きました。
黄檗宗は中国から来た隠元という僧が伝え、
中国風の寺の造りや料理などが今も残っています。
また奈良時代から続く古い宗派として、
東大寺や薬師寺などで教えを守る法相宗や華厳宗、律宗などもあります。
宗派の違いは、よく「同じ山に登る道の違い」とたとえられます。
山の頂上、つまり悟りや救いは一つでも、登る道はいくつもあって、
厳しい修行をする人もいれば、お念仏を唱えて心を静める人もいます。
どの道を選んでも、まじめに歩めば同じ頂上にたどり着けるのです。
今の時代は、宗派はどれが正しいかを比べるためのものではなく、
仏教を学ぶ入り口の違いとして考える人が多いです。
禅宗では心を落ち着ける方法を学び、
浄土系では人の弱さを受け入れて感謝して生きることを学びます。
どの宗派も最終的には思いやりのある穏やかな生き方を目指しているのです。
もし仏教に興味があるなら、
まずは近くのお寺に行ってお話を聞いてみるのが一番です。
宗派の名前よりも、自分の心にどんな話が響くか、どんな生き方に共感できるかが大切です。
お釈迦さまの教えは一言でいえば、苦しみをやわらげ心を安らかにする道です。
宗派はそのための入口のようなもので、
どれもお釈迦さまの尊い教えを守り伝えてきた大切な道なのです。