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社長&顧問ブログ

2025.11.3

文化の日

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは ハロウィンに関する話でした。

 

今日は 文化の日ですので

文化の日に関する話になります、、、。

 

文化の日は、十一月三日に祝われる日本の国民の祝日です。

もともとは、明治天皇の誕生日を祝う日として始まりました。

 

明治時代には、天皇の誕生日を「天長節」と呼び、

十一月三日は国を挙げて祝う大切な日でした。

 

その後、明治天皇が崩御されたあとも、その誕生日を記念する日として

「明治節」が定められ、全国で式典が行われました。

つまり、十一月三日は長い間、明治天皇をたたえ、

国家の繁栄を願う象徴的な日だったのです。

 

しかし、時代は移り、第二次世界大戦が終わると、日本は大きな転換点を迎えました。

 

敗戦によって天皇を中心とする国家体制は見直され、新しい国づくりが求められました。

 

戦後の日本では、平和主義と民主主義を基盤とする新しい憲法がつくられ、

その公布の日が一九四六年(昭和二十一年)十一月三日だったのです。

 

この日付が、かつての「明治節」と同じであったことは偶然だったかどうかは

分かりませんが、

古い時代から新しい時代への橋渡しを象徴する出来事でもありました。

 

戦前は天皇を中心とした祝日だった十一月三日が、

戦後は「国民の自由と平和を守り、文化を大切にする日」へと意味を変えていったのです。

 

これを正式に定めたのが、一九四八年に施行された「国民の祝日に関する法律」でした。

この法律の中で、十一月三日は「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」と定義され、

「文化の日」という名前が生まれました。

 

では、なぜ「文化」という言葉が使われたのでしょうか。

 

それには、戦後の新しい憲法が深く関係しています。

日本国憲法の前文には、

「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、

われらの安全と生存を保持しようと決意した」

と記されています。

 

また、第十三条や第二十五条では、

人間の尊厳や幸福の追求、文化的な生活の権利が明記されています。

 

つまり、戦争によって失われた人間の自由や尊厳を取り戻し、

平和な社会の中で豊かな文化を育てていこうという新しい理想が掲げられたのです。

 

文化の日は、その精神を祝う日として制定されました。

 

もともと「天皇の誕生日を祝う日」だった十一月三日が、

「国民一人ひとりの自由と文化をたたえる日」に変わったことは、

日本の価値観の大きな転換を示しています。

 

国家を中心とした祝日から、国民が主体となって文化を築いていく日へ。

そこには、戦後日本が歩もうとした新しい道が表れています。

 

また、文化の日が「文化をすすめる日」とされた背景には、

教育や芸術を重んじるという願いも込められています。

戦争の混乱で失われた心の豊かさや学問への敬意を取り戻し、

人々が創造的に生きる社会を築こうという思いがありました。

 

文化の日には、毎年さまざまな行事が行われます。

もっとも代表的なのが、皇居で行われる「文化勲章」の授与式です。

 

この勲章は、学術、芸術、文化の発展に大きく貢献した人々に贈られるもので、

その功績を称える大切な式典となっています。また、

全国各地の美術館や博物館では無料公開や特別展が開かれ、

市民が文化に触れる機会が増える日でもあります。

 

さらに、この日は「晴れの特異日」としても知られています。

統計的に見て、十一月三日は全国的に晴天になる確率が非常に高く、

古くから「文化の日は晴れの日」と言われてきました。

秋の穏やかな気候の中で、文化祭や芸術祭などが盛んに行われるのも、

この季節ならではの特徴です。

 

このように、文化の日は、単なる休日ではありません。

日本が歩んできた歴史と、新しい時代の理想が重なり合う、特別な意味を持つ祝日なのです。

 

明治天皇の誕生日として始まった日が、戦後の憲法公布の日へと変わり、

さらに文化と平和を象徴する日になったことは、日本の近代史そのものを映しています。

 

文化の日を迎えるたびに、私たちは改めて「文化とは何か」を考えることができます。

文化とは、美術や音楽だけではなく、日々の暮らしの中にある知恵や思いやり、

人と人とのつながりの中に生まれるものです。

家族と語らう時間、地域の伝統行事に参加すること、読書をすること、

誰かの作品を鑑賞すること。どれもが文化であり、人の心を豊かにする営みです。

 

文化の日は、そうした文化を「すすめる」日です。つまり、

一人ひとりが自分の生活の中で文化を育て、次の世代へとつないでいく日でもあります。

大切なのは、文化が特別な人だけのものではなく、

誰もが作り、支えるものであるということです。

 

明治から現代まで、十一月三日は常に日本の転換点を象徴してきました。

国家の繁栄を祈る日から、国民の自由と平和を祝う日へ。

 

そして今は、文化を未来へと伝える日として私たちの心に生き続けています。

 

文化の日は、過去を振り返り、現在を見つめ、未来を思う静かな祝日です。

この一日を、ただの休日として過ごすのではなく、

自分の中の「文化」を感じ、心豊かに過ごす日にしたいものです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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