EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2025.11.28

ペリュリュー島の戦い

 

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日は 三島由紀夫と盾の会の話しでした、、

 

ペリリュー島の戦いは、硫黄島や沖縄の戦いほど有名ではありませんが、

太平洋戦争の中でも最も悲惨で、その必要性すら疑問視されてきた戦いです。

そして、昨日11月27日は、この戦いが公式に終結した日です。

小さな島で何が起き、なぜそんなに激しい戦いになったのかの話に

今日は進みます、、、。

 

ペリリュー島はパラオ諸島にある面積13平方キロほどの小さな島で、

1944年9月から11月までアメリカ軍と日本軍が激しく争いました。

 

アメリカ軍は、この島にある飛行場を押さえればフィリピン進攻が安全になると判断し、

海兵隊を中心に上陸作戦を開始しました。

 

しかし、事前の説明では「3日で終わる」とされていた作戦は、

2か月以上の壮絶な戦闘に変わり、多くの兵士が命を失うことになりました。

 

なぜこんなことになったのかというと、

ペリリュー島を守る日本軍が従来の戦い方をやめて

“洞窟陣地にこもる持久戦”を採用したからです。

 

島には500以上の洞窟や地下壕が掘られ、天然の石灰岩の山地はまるで要塞のようでした。

 

日本軍を率いた中川州男大佐は「最後の一兵まで徹底抗戦」と覚悟を固め、

海岸での無謀な突撃ではなく、徹底的に持ちこたえる戦い方に切り替えました。

 

このため、圧倒的な火力を持つアメリカ軍も、

洞窟に潜む日本兵を排除するために火炎放射器や爆薬を大量に使い、

地面を一歩進むたびに命を失うような過酷な戦いが続きました。

 

さらに、ペリリューは炎天下にさらされる酷暑の島で、

気温は45度を超えることもありました。

水は不足し、兵士たちは脱水症状で倒れ、戦闘どころではなくなる者も多かったといいます。

 

アメリカ軍は島の中心部にある“ウンブラ・ハニ丘陵”と呼ばれる岩山地帯で

予想外の抵抗に遭い、毎日のように犠牲者が増えていきました。

 

最終的に、アメリカ軍の死者は約1800人、負傷者は1万人以上にのぼり、

上陸した海兵隊の多くが戦闘不能になるほど疲弊しました。

 

日本軍は約1万500人が守備についていましたが、生き残ったのはわずか20〜30名。

ほとんどが戦死し、まさに“玉砕”と呼べる悲劇の結末でした。

中川大佐は最後に「サクラ、サクラ」と暗号電報を送り、

全滅の覚悟を伝えたとされます。

 

この戦いは、なぜここまで激しく、そして悲惨になったのでしょうか。

理由の一つは、島そのものが“天然の要塞”だったことです。

 

洞窟、断崖、複雑な地形が日本軍に圧倒的に有利に働き、

アメリカ軍は火力で押しても押しても前に進めませんでした。

また、日本軍の作戦が「少しでもアメリカ軍に損害を与えて戦争を長引かせる」

という方向に変わったことも影響しています。

 

この戦術はのちに硫黄島や沖縄でさらに徹底され、

より大きな犠牲を生むことになりました。

 

そして、もう一つの大きな理由は、

この戦いそのものの“必要性”が今も議論されていることです。

 

アメリカ軍はペリリュー島の飛行場を重要視しましたが、

実際にはフィリピン作戦で大きな役割を果たすことはありませんでした。

 

「本当に取る必要があったのか?」

「あれほど多くの命を失ってまで必要な作戦だったのか?」

という疑問は今も残っています。

 

しかし、戦った兵士たちの苦しみや勇気、極限状態での過酷な現実は

、歴史として絶対に忘れてはならないものです。

 

特にペリリュー島は、硫黄島や沖縄の陰に隠れがちで、

その存在すら知らない若い世代も多いのが現状です。

 

だからこそ、今日11月27日、戦いが終わったこの日に、

ペリリュー島の戦いを思い起こし、

そこで犠牲になった全ての人々に敬意を払うことは大切です。

 

小さな島でどれほどの激しい地獄が繰り広げられ、多くの若者が命を失ったのか。

戦争がいかに残酷で、どれほど多くの未来を奪ってきたのか。

ペリリュー島の戦いは、そのことを静かに、しかし強く語りかけてくる出来事です。

 

今を生きる私たちがこの歴史を知ることは、過去をただ悲しむだけではなく、

二度と同じ悲劇を繰り返さないための大切な学びになります。

 

戦場となったペリリュー島では、今も当時の洞窟や砲台跡が残り、

静かな平和の風が吹いています。

しかし、その静けさの裏には、かつて確かに存在した“地獄のような日々”がありました。

 

今日という日にその歴史に思いを寄せ、

命を落とした人々への追悼の気持ちを新たにしたいものです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/