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社長&顧問ブログ

2025.12.24

クリスマスイブ

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

本日はクリスマスイブですね、、、。

 

クリスマスという言葉を聞いて、多くの日本人が真っ先に思い浮かべるのは、

12月25日の当日よりも、

その前夜である12月24日のクリスマスイブではないでしょうか。

 

街のイルミネーションが最も輝き、レストランが予約で埋まり、

ケーキ屋さんの前に長い行列ができるのは、決まって24日の夕方からです。

 

なぜ日本では、当日よりも前夜祭のような扱いであるはずのイブの方が、

これほどまでに熱狂的に盛り上がるのでしょうか。

 

その最大の理由は、

キリスト教における時間の数え方の歴史と、

日本独自の文化的な受け入れ方が絶妙に混ざり合ったことにあります。

 

まず、宗教的な背景から紐解いていくと、意外な事実が見えてきます。

 

実は、教会の暦である教会暦では、日没を1日の区切りとして考えていました。

つまり、現代の感覚では「24日の夜」であっても、

当時の暦ではすでに「25日の始まり」だったのです。

 

クリスマス(Christmas)という言葉は

「キリスト(Christ)のミサ(Mass)」を意味しますが、

このミサは24日の日没から始まっていました。

 

したがって、私たちがイブと呼んでいる時間は、

宗教的には「クリスマスの前夜」ではなく

「クリスマスの始まり」そのものだったわけです。

 

この歴史的な定義が、

世界中で「24日の夜こそがメインイベント」という空気感を作り出す土台となりました。

 

しかし、日本でここまでイブが特別視されるようになったのは、

宗教的な理由以上に、独自のライフスタイルやメディアの影響が非常に大きいです。

 

日本においてクリスマスは、宗教行事というよりも、

一大イベントやレジャーとしての側面が強く、

特に1980年代のバブル経済期を経て、その傾向は決定的なものとなりました。

 

当時のトレンディドラマや雑誌、CMなどが

「24日の夜を誰とどう過ごすか」というイメージを強力に発信したのです。

 

特に山下達郎さんの「クリスマス・イブ」という楽曲の大ヒットは、

日本人のクリスマス観に決定的な影響を与えました。

あの曲が描く「雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう」という切ない情景や、

遠距離恋愛の恋人を待つ姿は、クリスマスイブ=ロマンチックな恋人たちの夜、

という図式を日本人の心に深く刻み込みました。

 

また、日本のカレンダー事情も大きく関係しています。

欧米諸国では、クリスマスは家族が集まるための祝日であり、

25日はお店も閉まって街全体が静まり返るのが一般的です。

 

しかし、日本では25日は祝日ではなく、

多くの場合、普通に仕事や学校がある平日です。

 

そうなると、25日の当日は「仕事が終わって帰るだけの日」になりがちですが、

その前夜である24日の夜であれば、翌日に仕事があっても

「今夜がピーク」という高揚感を楽しみやすいという心理が働きます。

 

さらに、日本人の気質として

「準備期間や前夜祭を楽しむ」という傾向があることも無視できません。

お正月を迎える前の大晦日、お祭りが始まる前の宵宮など、

本番直前のワクワク感が最高潮に達する瞬間を好む文化があります。

 

クリスマスにおいても、25日になってしまうと

「あぁ、これで今年も終わりだ、明日からはお正月の準備だ」

という少し寂しい片付けのムードが漂い始めますが、

24日の夜はまだ「これから楽しい時間が始まる」という期待感に満ち溢れています。

 

この「期待の絶頂」こそが、

イブを当日以上に盛り上げる大きなエネルギー源となっているのです。

 

加えて、商業的な戦略も見逃せません。

デパートや飲食店、テーマパークにとっては、25日の当日だけを盛り上げるよりも、

24日から、あるいはその前の週末から盛り上げたほうが、経済的な効果が長く続きます。

 

メディアや企業が「イブこそが特別な夜」と煽ることで、

消費者の購買意欲が24日に集中し、

結果として街全体の熱気がその日に最大化されるというサイクルが出来上がりました。

 

最近では、SNSの普及により「映える」写真を投稿することも重要になっています。

キラキラした夜景や豪華なディナーの写真は、

やはり24日の夜に投稿するのが最もタイムリーで、

盛り上がっている感じを共有しやすいという側面もあります。

 

こうして考えてみると、

歴史的な暦のルール、バブル期のメディア戦略、日本人の祝祭感、

そして現実的なカレンダーの都合といった複数の要素が重なり合った結果、

日本では「クリスマスイブこそが本番」という独特の文化が定着したと言えるでしょう。

 

25日は、プレゼントを開けた後の余韻に浸りながら、静かにケーキの残りを食べる日。

24日は、大切な誰かと過ごしたり、自分へのご褒美を奮発したりして、

一年で最も華やかな気分を味わう日。

そんな風に役割が分かれているのが、

日本らしいクリスマスの楽しみ方なのかもしれません。

 

結局のところ、当日か前夜かという形式以上に、

私たちがこの時期に求めるのは「日常を忘れさせてくれる魔法のような時間」です。

その魔法が最も強くかかるのが、

24日の夜というタイミングだったということなのでしょう。

 

今年もまた、24日の夕暮れとともに街は華やぎ、

多くの人が幸せな時間を探しに出かけます。

たとえそれが本来の意味での「前夜」であったとしても、

日本で育まれたこの熱狂的なイブの文化は、

冬の寒さを忘れさせてくれる大切な風物詩として、

これからも受け継がれていくはずです。

 

メリークリスマス^^

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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