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社長&顧問ブログ

2026.1.12

成人の日

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

本日は 成人の日ですね、、、。

 

成人の日は、

いまでは毎年当たり前のように迎える国民の祝日ですが、

その成立は意外に新しく、

戦後の日本社会の再出発と深く結びついています。

 

成人の日が法律上の祝日として定められたのは、1948年(昭和23年)です。

 

その根拠となったのが、いわゆる「祝日法」、

正式名称を『国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)』といい、

この法律は1948年7月20日に公布されました。

 

この法律の中で「成人の日」は国民の祝日の一つとして新たに設けられ、

日付は当初、1月15日と定められました。

 

ただし法律が公布されたのが7月であったため、

その年の1月15日はまだ法的な祝日ではなく、

暦の上で「成人の日」を初めて迎えたのは

翌年1949年(昭和24年)1月15日であったと説明されるのが一般的です。

 

戦後の混乱期を経て、日本が新たな国家として立ち上がろうとする中で、

「大人として社会に参加する若者を祝福し、励ます日」

を国全体で設ける必要があると考えられたことが、成人の日制定の背景にありました。

 

では、なぜ1月15日が選ばれたのでしょうか。

 

内閣府が公表している祝日の解説などを見ると、

その理由は日本の歴史的な成人儀礼の時期にあります。

 

日本では古くから、子どもが社会的に大人になる節目として

「元服」などの成人儀礼が行われてきましたが、

これらは正月の時期に行われることが多く、

宮中や公家社会では年始の早い時期、

武家社会では正月十一日頃に行われる例が多かったとされています。

 

ただし、

祝日として特定の身分や階層の慣行日にあまりに近づけることは避ける必要があり、

そこで「松の内」にあたる時期でありながら、

比較的中立的な日として1月15日が選ばれた、というのが政府の説明の趣旨です。

 

つまり成人の日は、

近代国家が新たに設けた祝日ではありますが、

その日付の感覚には、日本人が古くから正月期に成人を意識してきた

歴史的な季節感が反映されていると言えます。

 

その後、成人の日は長く1月15日として親しまれてきましたが、

現在では1月第2月曜日となっています。

 

この変更は、いわゆる「ハッピーマンデー制度」によるものです。

祝日を月曜日に移し、三連休を作ることで、

国民生活の充実や余暇活動の促進を図るという考え方に基づき、

2000年(平成12年)から成人の日も1月第2月曜日に移動しました。

 

これにより、かつての固定日であった1月15日という日付そのものは、

祝日としての役割を終えましたが、

「新年の始まりに大人としての自覚を促す日」

という性格自体は引き継がれています。

 

では、現在各地で行われている「成人式」は、古代から続く行事なのでしょうか。

 

この点について結論から言えば、

いま私たちがイメージする自治体主催の成人式は、戦後に広まった近代的な行事です。

 

一方で、「子どもから大人へと社会的に移行する節目を設ける」という考え方自体は、

日本社会に古くから存在していました。

 

その代表例が元服です。

元服は、古代から中世、近世にかけて行われた成人儀礼で、

男子の場合は髪型を大人の形に改め、冠を着け、大人の服装に変えることで、

社会的に一人前の身分と役割を与えられる重要な儀礼でした。

 

女子にも裳着などの通過儀礼があり、

男女それぞれに「大人になる」ことを明確に示す仕組みが存在していました。

 

近代的な意味での成人式が広がる直接のきっかけとしてよく知られているのが、

埼玉県の蕨市で戦後間もなく行われた青年向けの行事です。

 

戦争で大きな打撃を受けた若者たちを励まし、

社会の担い手として自覚を促す目的で行われた「青年祭」や「成年式」が、

その後全国に広まり、

やがて国の祝日である成人の日と結びついて、現在の成人式の形が定着していきました。

 

では、元服と成人の日は同じものなのでしょうか。

この点も結論は明確で、両者は同一ではありません。

 

ただし共通点がないわけでもありません。

共通しているのは、いずれも

「子どもから大人へ」「社会的に一人前として認める」

という通過儀礼の発想に基づいている点です。

 

しかし決定的な違いは、その制度の性格にあります。

元服は、古代から近世の社会制度や身分秩序の中で行われる儀礼であり、

家や身分、将来の役割と密接に結びついていました。

 

一方、成人の日は近代国家が国民全体に向けて定めた祝日であり、

個々の家柄や身分とは切り離された「国民的行事の日」です。

 

また年齢の考え方も異なります。

元服が行われる年齢は時代や身分によって幅がありますが、

平安貴族社会などでは男子が十四歳から十五歳前後で行う例が一般的でした。

 

現代のように「二十歳」という年齢が一律に成人とされたわけではありません。

儀礼の内容も大きく異なります。

 

元服は髪型、服装、冠といった具体的な作法を通じて、

社会的地位の変化を明確に示す実践的な儀礼でした。

それに対して現代の成人式は、

自治体による式典や同窓的な集まりを中心としたセレモニーであり、

厳密な作法よりも、

社会参加への自覚や責任を意識させる象徴的な意味合いが強い行事です。

 

以上を整理すると、成人の日が祝日として定められたのは1948年であり、

祝日法の公布は同年7月20日であったこと、

当初の日付は1月15日で、

正月期に行われてきた日本の成人儀礼の歴史を参照して決められたこと、

2000年からはハッピーマンデー制度により1月第2月曜日となったこと、

そして古代からの元服などの成人儀礼と現代の成人の日・成人式は同一ではないものの、

「社会的に大人と認める」という意味においては

確かな連続性を持っていることが分かります。

 

成人の日は、単なる休日ではなく、

日本社会が長い歴史の中で培ってきた

「大人になる」という意識を、

現代的な形で受け継ぐ一日であると言えるでしょう。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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