
EXECUTIVE BLOG
2026.7.20
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日は、「注連縄」の話しでした。
注連縄は、単に神聖な場所を示す縄ではありませんでした。
そこには、
「ここから心を切り替えましょう」という、
日本人が大切にしてきた「けじめ」の心が込められていました。
忙しい毎日の中でも、一度立ち止まり、
自分自身を見つめ直す時間を持つこと。
それが、人生をより豊かにしてくれることを学びました。
今日は、神社の境内にある「神楽殿」のお話です。
神社へお参りに行くと、
本殿とは別に、屋根だけの開放的な建物を見かけることがあります。
そこでは、お祭りの日に舞が奉納されたり、雅楽が演奏されたりします。
それが神楽殿です。
では、なぜ神様の前で舞を舞い、音楽を奏でるのでしょうか??。
「神様は音楽がお好きなのですか??。」
そんな疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、その始まりは日本神話にあります。
以前、注連縄のお話でもご紹介した「天岩戸」の神話の中にあります。
太陽の神様である天照大御神が岩戸にお隠れになり、
世界は暗闇に包まれてしまいました。
困り果てた神々は相談を重ねます。
その時、一人の神様が岩戸の前で舞を始めました。
その神様が、**天鈿女命あめのうずめのみこと**です。
天鈿女命は、明るく、楽しく舞い、神々も大笑いしました。
その笑い声を不思議に思った天照大御神が岩戸を少し開けられたことで、
再び光が世界に戻ったと伝えられています。
つまり、日本で最初の舞台は、
人々を楽しませるためであり、世界に光を取り戻すためだったのです。
ここに、日本人らしい考え方があります。
苦しい時ほど笑顔を忘れない。
暗い時ほど明るく振る舞う。
自分が笑うことで、周りの人も笑顔になる。
神楽は、そんな希望の象徴なのです。
だから神楽殿では、神様に芸を「見せる」のではありません。
「ありがとうございます。」
「今年も実りをいただきました。」
「無事に過ごせました。」
そんな感謝の気持ちを、舞や音楽に込めて奉納しているのです。
考えてみれば、私たちの毎日の仕事も同じではないでしょうか。
料理人は、
お客様の「おいしい」の笑顔のために腕を振るいます。
職人は、
使う人の喜ぶ姿を思い浮かべながら一つひとつ丁寧に仕上げます。
先生は、
生徒の成長を願って教壇に立ちます。
会社員も、経営者も、
自分の仕事を通して誰かの役に立っています。
その仕事の先には、必ず「人」がいます。
もし、「人に喜んでもらいたい」という気持ちがあるなら、
その仕事は単なる作業ではなく、人の心を豊かにする尊い働きになります。
神楽殿は、そのことを静かに教えてくれているように思います。
人は、自分だけの幸せを追いかけている時よりも、
誰かが喜んでくれた時の方が、もっと大きな喜びを感じるものです。
「ありがとう。」
「助かりました。」
「あなたのおかげです。」
その一言が、どれほど人の心を温かくすることでしょうか。
昔から「芸は身を助ける」と言われます。
しかし、本当に人を助けるのは、技術だけではありません。
その技術を通して、人を喜ばせたいという真心です。
だから神楽殿では、
舞も音楽も、まず感謝から始まります。
神様へ感謝し、人へ感謝し、自然へ感謝する。
その心があるからこそ、舞も音楽も、人の心を打つのでしょう。
私は、
この神楽殿を見るたびに思います。
人生も一つの舞台なのだと。
主役は自分かもしれません。
けれど、その舞台は、自分一人では成り立ちません。
友人がいます。
仲間がいます。
支えてくださる多くの方がおられるからこそ、
今日という一日を生きることができます。
だからこそ、人生という舞台では、
「ありがとう」という言葉を惜しまない人でありたいものです。
人を笑顔にすること。
人を励ますこと。
人を喜ばせること。
その積み重ねが、自分自身の人生も明るく照らしてくれるのでしょう。
神楽殿は、何百年もの間、私たちにこう語りかけていると思います。
「人を喜ばせる人生を歩みなさい。」
「その喜びは、やがてあなた自身の幸せになりますよ。」
そんな優しい教えが、雅楽の音色とともに聞こえてくるようです。
明日は、
神社の境内で静かにそびえ立つアレの話しに続くのか???
またまた あの話か????