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社長&顧問ブログ

2026.8.24

住所を知らなくても想いは届けられる

高光産業株式会社

妹尾八郎です

 

昨日は、

私が十数年前に取得した特許第4642154号「電子商取引システム」について、

この発明を考えた原点をお話ししました。

 

テーマは、

「住所は知らない。でも、ありがとうの気持ちは届けたい。」

というものでした。

 

では実際に、住所を知らない相手に、どうやって商品を届けるのでしょうか。

 

今日は、

できるだけ難しい特許用語を使わず、

身近な例でこの仕組みをご紹介したいと思います。

 

例えば、こんな場面を想像してください

 

Aさんには、インターネットを通じて知り合ったBさんという友人がいるとします。

何年も交流していて、お互いの趣味もよく知っています。

 

ある日、Bさんの誕生日が近いことを知ったAさんは、

 

「いつもお世話になっているから、何かプレゼントを贈りたいな」

と思いました。

 

ところが、一つ困ったことがあります。

AさんはBさんの住所を知りません。

 

もちろん、

 

「住所を教えてください」

と聞けば済む話かもしれません。

 

しかし、インターネット上では親しくても、

住所や本名まで交換していない関係は珍しくありません。

 

Bさんにとっても、

「プレゼントは嬉しいけれど、自宅の住所を教えるのは少し心配だな」

と思うかもしれません。

 

そこで、

この特許の仕組みが登場します。

住所の代わりに「識別記号」を使う

 

この仕組みでは、

Bさんの氏名や住所をそのまま使うのではなく、

Bさんだけを特定できる識別記号を使います。

 

例えば、Bさんに、

「B12345」

という識別記号が付けられているとしましょう。

 

Bさんの本当の氏名や住所は、

個人情報を管理する情報管理者のデータベースに登録されています。

 

Aさんには、その住所は見えません。

 

商品を販売するお店にも、原則として住所を知らせる必要はありません。

 

Aさんは欲しい商品を選び、

「この商品をB12345の人に贈りたい」

と注文します。

 

これならAさんは、Bさんの住所を知らなくてもプレゼントを購入できます。

ここまでは比較的分かりやすいと思います。

 

しかし、この発明には、もう一段工夫があります。

 

なぜ「仮識別記号」が必要なのか????です

 

商品を届けるためには、販売するお店だけではなく配送会社も関係します。

 

そこで、この特許ではBさんが普段使用する識別記号を、

そのまま配送の過程で使い続けるのではなく、

その取引のための一時的な「仮識別記号」を作る仕組みを採っています。

 

例えば今回のプレゼントのためだけに、

「X98765」

という仮識別記号が発行されたとします。

 

お店は配送会社に、

「X98765宛ての商品です」

という情報を渡します。

 

この段階でも、

お店がBさんの住所を知る必要はありません。

配送会社は

「X98765」という仮識別記号をもとに情報管理者へ問い合わせます。

 

情報管理者は、その仮識別記号からBさんを特定し、

配送に必要な氏名と住所を配送側へ伝え、

商品がBさんのところへ届けられるようにします。

 

こうしてAさんは、最後までBさんの住所を知る必要がありません。

BさんもAさんへ住所を知らせる必要がありません。

 

そして商品を販売したお店にも、

配送のために必要のない個人情報を広く持たせずに済むわけです。

 

「全部の情報を、全部の人に渡さない」

 

この特許で私が大切だと思っているのは、この考え方です。

 

「全部の情報を、全部の人に渡す必要はない。」

 

購入する人には、購入するために必要な情報。

商品を販売する会社には、販売や発送のために必要な情報。

配送を担当する会社には、実際に届けるために必要な情報。

情報管理者には、それらを安全につなぐために必要な情報。

 

それぞれが、自分の役割に必要な情報を扱えばよいのです。

 

これまでの電子商取引では、

商品を届けるためには住所や氏名を取引の中で広く共有することが、

ある意味では当たり前でした。

 

私は、その「当たり前」を変えられないだろうかと考えました。

 

住所を知ることと、商品を届けることを分けて考える。

ここに、この発明の大きな特徴があります。

 

この仕組みは「贈り物」だけではありません

 

ここまで誕生日プレゼントを例に説明しましたが、

考えてみると、応用できる場面はたくさんあります。

 

例えば、SNSで知り合った人へのお礼。

オンラインゲームで長く一緒に遊んでいる仲間へのプレゼント。

ライブ配信をしている人へファンから贈る記念品。

インフルエンサーへの企業からの商品提供。

オンラインコミュニティの仲間への贈答。

懸賞やキャンペーンの当選商品の発送。

 

このような場面では、

 

「相手とのつながりはある。しかし住所までは知らない」

ということが数多くあります。

 

インターネットが発達すればするほど、このような人間関係は増えていきます。

 

昔は、

人と人との関係には住所や電話番号が付いていることが普通でした。

 

ところが今は違います。

 

SNSのアカウント名しか知らない。

ゲーム上の名前しか知らない。

配信サービスのユーザー名しか知らない。

 

それでも、何年も交流しているという人がいます。

 

つまり、インターネットの発達によって、

「人と人はつながっているのに、住所と住所はつながっていない」

という新しい社会が生まれたのです。

 

だからこそ、この特許の意味が変わってきた

 

この特許を考えた十数年前の世界では

電子商取引における個人情報保護という問題を中心に考えていました。

 

しかし現在の社会を見ていると、それだけではない可能性が見えてきます。

 

住所を隠すための技術だけではなく、

「インターネット上の人間関係と、現実の商品配送をつなぐ技術」

 

として考えることができるのではないでしょうか。

 

画面の中だけでつながっている人に、現実の世界から商品を届ける。

しかも、

相手の大切な個人情報を必要以上に知ることなく届ける。

 

そう考えると、この仕組みは単なる「匿名配送」だけではありません。

人と人との新しいつながり方に対応した、電子商取引の仕組みなのです。

 

「知らなくても届けられる」という新しい価値

 

インターネットの世界では、便利になればなるほど、

個人情報をどこまで渡すのかという問題が大きくなります。

 

便利だから、すべての情報を登録する。

商品を買うから、住所を知らせる。

プレゼントを贈るから、相手の住所を聞く。

 

それが本当に必要なのか??。

 

私は、この発明を通して、

「知らなくてもできることは、もっとあるのではないか」

と考えました。

 

相手の住所を知らなくても、プレゼントは届けられる。

相手の本名を知らなくても、感謝の気持ちは形にできる。

個人情報を必要以上に共有しなくても、電子商取引は成立する。

 

それを技術によって実現しようとしたものが、

特許第4642154号「電子商取引システム」です。

 

そして、この発明を現在のSNSやEC、物流の世界に当てはめて考えてみると、

さらに大きな可能性が見えてきます。

 

もし、SNSの画面に、

 

「この人にプレゼントを贈る」

という機能があり、住所を聞くことなく、そのまま商品を選んで届けられたらどうでしょう。

 

もし、好きな配信者やスポーツ選手、クリエイターへ、

自宅住所を一切知らずに安全に贈り物ができたらどうでしょう。

 

もし企業がキャンペーンを行う際、応募者の住所を大量に保有しなくても、

当選商品を届けられたらどうでしょう。

 

そこには、これまでとは違う新しい市場が生まれる可能性があります。

 

「住所を知らなくても、想いは届けられる。」

 

第一部でお話ししたこの言葉が、ここから「ビジネス」へと変わっていきます。

 

明日は、特許第4642154号を2026年の今、

実際にビジネス化するとしたら何ができるのか???

の話に続く、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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