
EXECUTIVE BLOG
2026.10.9
高光産業株式会社
妹尾八郎です
昨日は、
「テレビを見て興味を持ったのに、なぜそこで終わってしまうのだろう」
そんな小さな疑問から、
特許の発想が始まったことの話しでした。
では、実際には何を考えたのか。
難しい特許用語を抜きにして言えば、とても単純です。
テレビの向こう側に、もう一つの扉を作れないだろうか。
そう考えたのです。
テレビでは、毎日たくさんの情報が流れています。
美味しそうな料理。行ってみたくなる旅先。
便利そうな商品。興味深い会社。
会ってみたくなる人物。
けれども、
テレビの画面は次へ次へと進んでいきます。
「あ、いいな」
と思ったその瞬間にも、番組は待ってくれません。
そこで考えたのが、
テレビで紹介している情報と、
その先にあるインターネット上の情報を、
最初からつないでおくことでした。
例えば旅番組を見ているとします。
素敵な旅館が紹介された。
近くには美味しそうな料理店もある。
少し足を延ばせば、訪ねてみたい観光地もある。
同じ番組を見ていても、
ある人は旅館が気になる。ある人は料理店に行きたい。
ある人は観光地について知りたい。
それなら、一つの放送の中に、
それぞれに対応する情報への入口を持たせておく。
そして利用者は、
自分が興味を持ったものを選び、その先へ進む。
この特許では、
複数の異なるコンテンツに対応するURL情報を
一つの放送の中で扱い、
利用者がその中から選んでアクセスすることまで考えています。
つまり、
同じテレビを見ていても、その先に進む道は一人一人違っていい。
という発想です。
私は、ここが面白いところだと思っています。
テレビは、基本的には大勢の人に同じ情報を届けます。
しかし人の興味は、それぞれ違います。
同じ景色を見ても、何に目が止まるかは違う。
同じ話を聞いても、心に残る言葉は違う。
それなら、その違いをそのまま生かせばいい。
テレビという
「みんなに届ける力」と、
インターネットという
「一人一人が選ぶ力」
をつなげる。
今振り返ると、
この発明で私が本当にやりたかったのは、それだったのかもしれません。
そしてもう一つ、大切に考えたことがあります。
利用者に、できるだけ面倒をかけないことです。
せっかく興味を持っても、
長いアドレスを入力しなければならない。
何度も検索しなければならない。
そうなると、多くの人は途中でやめてしまいます。
だから、
興味を持った時に、できるだけ自然に、その先の情報へつながる。
テレビ側で情報を取り出して端末へ渡す。
端末側で情報を取得して、そのままアクセスする。
方法はいくつか考えられますが、大切なのは手段ではありません。
「知りたい」と思った気持ちを、途中で途切れさせないこと。
そこに意味があります。
人の気持ちというものは不思議です。
「あとで調べよう」
と思っていたことの多くは、いつの間にか忘れてしまいます。
しかし、
「知りたい」「行ってみたい」「欲しい」
と思ったその時に、
すぐ次の一歩を踏み出せれば、行動につながることがあります。
私は、この特許を考えながら、
情報そのものより、
人が興味を持った“その瞬間”に価値があるのではないか
と思うようになりました。
これは、テレビだけの話ではないと思います。
人と人との出会いも同じです。仕事のチャンスも同じです。
何かを始めるきっかけも同じです。
心が少し動いた時に、そのまま一歩進んでみる。
そこから思いがけない道が開けることがあります。
「小さな好奇心」は、まさにそうでした。
「なぜだろう」と思う。
「もう少し知りたい」と思う。
そして、
その気持ちをそのままにせず、もう一歩だけ先へ進んでみる。
すると、今まで見えなかったものが見えてくる。
この特許も、
そんな人の小さな心の動きを、
次の行動につなげる仕組みだったのかもしれません。
10年以上前、私はテレビを見ながら、
テレビの向こう側に、もう一つの扉を作れないだろうかと考えました。
今では、
その扉を開くための技術も、端末も、通信環境も大きく進歩しました。
だからこそ今、あの時考えた「扉」の向こうに、
どんな新しい世界を作ることができるのか。
改めて考えてみたくなるのです。
そして実は、この特許にはもう一つ、大切な仕組みがあります。
テレビから情報を送り、利用者がその先へ進む。
それだけではありません。
その人たちが、その先でどう動いたのか。
そこまで分かるようにしようと考えていました。
明日は、
ある大きな特徴の話に進む、、、。