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2026.11.3

六度目の海を渡った人

高光産業株式会社

妹尾八郎です

 

 

742年、鑑真は日本へ渡ることを決意しました。

しかし、その決意が実を結ぶまでには、

実に12年もの歳月が必要でした。

 

最初の渡航計画は、さまざまな事情から実現しませんでした。

次の挑戦では、

船が暴風に遭い、航海を続けることができなくなります。

 

その後も、

役人による制止や周囲の反対など、

幾度となく障害が立ちはだかりました。

 

そして、五度目の挑戦。

船は激しい風に流され、

日本とは遠く離れた中国南部の海南島に漂着してしまいます。

 

長い漂流と過酷な移動。

その苦難の中で、鑑真は健康を損ない、

次第に視力を失っていきました。

 

さらに、悲しい出来事が起こります。

 

日本から鑑真を招くために中国へ渡った栄叡が、

帰路の途中で病に倒れ、749年に亡くなってしまったのです。

 

栄叡は、ついに日本へ帰ることができませんでした。

自分が願い、人生をかけて実現しようとした鑑真の渡日を、

その目で見ることもできなかったのです。

 

鑑真にとっても、大きな悲しみだったことでしょう。

 

二人が出会った時、目指していた未来は同じだったはずです。

それなのに、

一人は志半ばで命を落とし、もう一人は目の光を失ってしまいました。

 

人間の人生は、何とも思い通りにならないものです。

努力すれば必ず成功するとは限りません。

 

誠実に取り組んでいても、

予想もしなかった苦難に遭うことがあります。

時には、どれほど願っても、

取り戻せないものを失うことさえあるのです。

 

しかし、鑑真は日本へ渡ることを諦めませんでした。

 

そして753年。

六度目の挑戦で、ついに日本の地を踏みます。

現在の鹿児島県南さつま市にあたる地でした。

 

鑑真は、すでに六十代半ばになっていました。

 

私は、この話を知って、

年齢というものについて改めて考えました。

 

人は年齢を重ねると、どうしても失敗を恐れるようになります。

 

若い頃とは違い、体力も時間も無限にあるわけではありません。

これまで築いてきたものを失いたくないという気持ちも生まれます。

 

それは決して悪いことではありません。

経験を重ねたからこそ、慎重になるのは当然のことでしょう。

 

しかし、慎重になることと、

挑戦する気持ちを失うことは違うと思うのです。

 

鑑真が教えてくれるのは、

ただ無理をして頑張ることではありません。

 

自分が本当に大切にしたいものは何なのか。

それを最後まで見失わないことの尊さではないでしょうか。

 

そして、鑑真の六度目の渡航は、

彼一人のための航海ではなかったと思います。

 

先に亡くなった栄叡の願い。

ともに苦労を重ねた普照の思い。

海を渡れなかった人々の志。

 

そうした多くの人の思いを背負っての、

日本への到着だったのではないでしょうか。

 

成功した人の物語を聞く時、

私たちは、その人が手にした結果に目を向けがちです。

 

しかし、

そこに至るまでに何を失い、何を守り続けてきたのかを知ると、

成功という言葉の重みも変わってきます。

 

私は、鑑真の人生を、単なる成功物語として受け止めたくはありません。

そこには、

成功できなかった人の人生も含まれているからです。

 

自分が最後まで成し遂げられなくても、

誰かがその志を受け継いでくれる。

そうした生き方にも、大きな価値があると思います。

 

目に見えるものを失うことはあっても、

心の中で大切にしてきたものまで、必ず失われるわけではありません。

 

鑑真の航海が教えてくれるのは、そんな人間の強さなのかもしれません。

 

ところで、日本へたどり着いた鑑真には、

まだ大切な仕事が残されていました。

 

その仕事とは?????

その話しは、、

明日へ続く、、、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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