EXECUTIVE BLOG
2025.7.2
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 毛語録の話しでした。
毛沢東は独裁者的存在でしたが ナチスを率いたヒトラーも独裁者と言われています。
今日は二人の共通点 相違点 親衛隊と紅衛兵の比較などの話に進みます。
ヒトラーと毛沢東という二人の歴史上の指導者は、
それぞれ異なる国と時代を背景に登場しましたが、
どちらも20世紀の大きな動きを生んだ人物として広く知られています。
ナチス・ドイツを率いたヒトラーと、中国共産党を率いた毛沢東は、
それぞれの国で絶大な影響力を持ち、国民の多くから熱狂的に支持される存在でした。
二人は政治的な手腕や言葉の力に長けていて、人々の不満や不安を見抜き、それを巧みに利用して自らの地位を確立していきました。
ヒトラーは第一次世界大戦後の不況と混乱の中にあったドイツで、国家の再建と民族の誇りを掲げ、民衆に語りかけることで信頼を集めていきました。
一方の毛沢東も、戦乱や貧困に苦しむ中国で「人民の力」を信じ、革命という旗を掲げて、農民や若者たちを味方につけていきました。
どちらも、時代の不安を背景に「この人に託せば未来が変わるかもしれない」と思わせるだけの魅力と情熱を持ち合わせていたのです。
共通する特徴としては、二人とも強いカリスマ性があり、自らの思想を絶対視し、それを周囲に強く押し出していった点が挙げられます。
また、「敵を作る」ことで自分たちの正当性を際立たせる戦略も共通していました。
ヒトラーはユダヤ人や共産主義者を排除すべき存在とし、毛沢東は資本主義的な価値観や古い文化を攻撃対象としました。
このように、共通の敵を定めることで、国民の怒りや不満を一つの方向に集中させることができたのです。
ただし、二人の思想の根本は大きく異なります。
ヒトラーは民族主義を基本とし、アーリア人という特定の民族を特別な存在として位置づけ、他民族を排除する思想を持っていました。
それに対して毛沢東は共産主義の立場から、階級差別をなくし、すべての労働者や農民が平等に扱われる社会を理想としました。
つまり、ヒトラーは「血統」に重きを置き、毛沢東は「経済的な立場や階級」に目を向けていたと言えます。
また、政治の進め方にも違いが見られます。
ヒトラーは軍や官僚制度などの国家の仕組みを活用して、命令系統のしっかりした支配体制を築いていきました。国家を効率よく動かすために組織の一体化を図り、無駄のない体制を目指したのです。
一方で毛沢東は、既存の制度や組織すら壊しながら権力を握り続けるというスタイルでした。文化大革命では、自分に反対する勢力を排除するために、制度を無視して直接若者たちに訴えかけ、社会全体を巻き込む混乱を生み出しました。
次に注目したいのは、ヒトラーのもとで動いた「親衛隊(SS)」と、毛沢東が呼びかけて誕生した「紅衛兵」という若者たちの存在です。
親衛隊はヒトラーの個人警護を目的に始まりましたが、やがて国家の警察機能を担うまでに拡大しました。規律と忠誠を重んじる精鋭部隊として教育され、ユダヤ人の迫害や国内の反体制派の取り締まりなど、過酷で残酷な任務にも従事しました。
紅衛兵は中高生や大学生などの若者が中心となって組織され、毛沢東の「革命は若者が担うべきだ」という言葉に共鳴して立ち上がりました。
彼らは教師や親、さらには伝統的な文化を敵とみなし、
批判や暴力を通じて社会の「古いもの」を壊そうとしました。
親衛隊は指揮命令が明確な軍事的組織であったのに対し、
紅衛兵は感情や勢いで突き動かされた群衆的な運動に近く、制御の難しい存在でもありました。
やがて戦争に敗れたドイツでは、親衛隊は完全に解体され、関係者の多くは裁判にかけられ、ナチスの思想そのものが国として否定されることとなりました。
現在のドイツでは、ナチスを美化することすら法律で禁じられており、過去の過ちを繰り返さないための努力が続けられています。
一方で中国では、紅衛兵の過激な行動が問題視された後も、その責任を個人が明確に問われることは少なく、元紅衛兵たちの多くはその後の社会で普通の生活に戻っていきました。
文化大革命についても、国としては反省の姿勢を見せながらも、詳細な総括や公開された議論はあまり進んでいません。
このように見ていくと、ヒトラーと毛沢東は国や文化こそ違いますが、
「強い指導者として人々の期待を集め、時には不安や怒りを利用して動かし、大きな時代の転換点をつくった」という点ではよく似ており、その一方で、彼らの思想や政治の進め方、若者をどう使ったかなどには明確な違いもあります。
どちらの時代にも共通していたのは、「この人についていけばよくなる」という希望が、
知らないうちに暴力や混乱に姿を変えてしまったことです。
多くの若者が理想に燃えて行動したその先にあったのは、必ずしも幸せな未来ではありませんでした。
だからこそ、私たちは過去をただ学ぶのではなく、なぜそのようなことが起きたのかをじっくり考え、自分の目で物事を見て、自分の頭で考え、
そして冷静な判断を持つことの大切さを忘れないようにしたいと思います。
明日は もう一人のあの人物について、、、、
それは????
明日に続く、、、。