
EXECUTIVE BLOG
2026.3.22
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日まではお彼岸の話でした。
なぜ日本では、
お彼岸になるとご先祖様を供養するようになったのでしょうか。
これは日本人の持つ独特の死生観と深く関係しています。
日本では古くから、
人は亡くなっても完全に消えてしまうのではなく、
御霊として家族や子孫を見守り続ける存在になると考えられてきました。
そのため、
亡くなった方は「遠い存在」ではなく、
「今も身近にいる存在」として捉えられているのです。
この考え方があるからこそ、
お彼岸にはご先祖様に感謝を伝え、近況を報告し、
心を通わせる時間として大切にされてきました。
またお彼岸は、単にご先祖様にお願いをする日ではなく、
「自分が今ここに生かされていることに気付く日」でもあります。
自分一人の力で生きているように思えても、
実際には多くの人の命のつながりの上に今の自分があります。
父母、そのまた父母、さらにその先へと命は続いてきて、今の自分があるのです。
その流れを感じたとき、
人は自然と感謝の気持ちが湧いてきます。
お彼岸は、
その当たり前のようで忘れがちな
「命のつながり」に気付かせてくれる時間なのです。
またこの時期には
「ぼたもち」や「おはぎ」をお供えする習慣がありますが、
これにも意味があります。
小豆の赤い色には邪気を払う力があると信じられており、
ご先祖様にお供えすることで
清らかな心で向き合うという意味が込められています。
さらにお墓参りをすることにも意味があります。
墓石そのものに意味があるというよりも、
そこに足を運び、手を合わせる行為そのものが大切なのです。
忙しい日常の中で意識しなければなかなか向き合えない
「ご先祖様への感謝」を、
形として表すことができるのがこのお彼岸の時期なのです。
そしてもう一つ大切なことは、
お彼岸は
「過去と現在をつなぐ時間」であると同時に、
「未来へつながる時間」でもあるということです。
自分がどのように生きるかは、
これから先の子孫にも影響していきます。
だからこそ、
お彼岸にご先祖様に手を合わせることは、
同時に「自分自身の生き方を正すこと」にもつながっているのです。
単に形式的にお参りするのではなく、
「今の自分はどう生きているか」
「これからどう生きるべきか」
を静かに見つめることが、お彼岸の本当の意味なのかもしれません。
このように日本のお彼岸は、単なる宗教行事ではなく、
家族や命のつながりを大切にする日本人の心そのものを
表している文化と言えるでしょう。