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社長&顧問ブログ

2025.7.10

ダライラマ

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 七夕の話しでした

今日からは話題を変えて 最近世界ニュースでの話題になっている

ダライラマ14世の後継問題についての話になります、。

 

ダライ・ラマという名前は、世界中で知られている言葉の一つです。

特に現在の14世ダライ・ラマであるテンジン・ギャツォ氏は、

ノーベル平和賞を受賞し、

「慈悲」や「非暴力」、「平和」の象徴として世界中で敬愛されている存在です。

 

けれども「ダライ・ラマとは何か?」と改めて問われると、

はっきりと答えられる人は少ないかもしれませんね。

 

実はこのダライ・ラマというのは、

チベット仏教における特別な地位の人物であり、

「観音菩薩の化身」つまり生まれ変わりだと考えられているのです。

 

「ダライ」というのはモンゴル語で「海」を意味し、

「ラマ」はサンスクリット語で「導師」や「先生」のような意味があります。

 

ですからダライ・ラマとは

「智慧と慈悲が海のように広い導師」といった意味合いになります。

 

この称号を持つ人は、単にお寺の偉いお坊さんというだけでなく、

長い歴史の中でチベット民族の精神的な支えであり、

また政治的な指導者でもあったのです。

 

今の14世がいるということは、

当然その前に13人のダライ・ラマがいたわけですが、

その始まりとなった「一世」とはどんな人だったのでしょうか??。

 

一世ダライ・ラマとされているのは、ゲンドゥン・ドゥプという人物です。

彼は1391年にチベットで生まれ、

若い頃から仏教に打ち込み、僧としての修行に励んでいました。

 

とても聡明で敬虔な人だったことから、まわりの人々に自然と尊敬され、

やがて有名な学僧になっていきます。

 

ただし、彼が生きていた当時には

「ダライ・ラマ」という呼び名はまだ存在していませんでした。

ゲンドゥン・ドゥプはその時代の名僧として活躍し、

1474年に亡くなりました。

 

その後、16世紀に入ってから3世とされる人物がモンゴルの王に

「ダライ・ラマ」という称号を与えられた際に、

過去の優れた人物を振り返り、系譜を整える形で

ゲンドゥン・ドゥプを「ダライ・ラマ一世」と位置付けるようになったのです。

 

ですから、一世の称号は彼が生前から名乗っていたものではなく、

後から付けられたものなのです。

 

このようにしてダライ・ラマの系統は始まりましたが、

その後継ぎは普通の世襲とは違い、「転生」を前提としています。

 

ダライ・ラマが亡くなると、

その魂は別の場所で生まれ変わると信じられています。

これを「化身ラマ制度」と呼びます。

新しいダライ・ラマを見つけるには、

僧侶たちが何年もかけて調査や儀式を行い、

前世の記憶を持つ子どもを探し出すという独特の方法が取られます。

 

現ダライ・ラマ14世も、1935年にチベットの小さな村で生まれ、

2歳のときに前世のダライ・ラマの遺品を見分けたり、

特別な振る舞いを示したことから転生者として認定されました。

 

チベットの首都ラサに迎え入れられ、幼い頃から厳しい修行を重ね、

若くして宗教と政治の両方の指導者になりました。

しかし、1950年代になるとチベットは

中国の実効支配を受けるようになり、

ダライ・ラマ14世は1959年にインドへ亡命。

 

以来、世界各地を訪れて平和を訴える活動を続けてきました。

そして今、注目を集めているのが

「次のダライ・ラマはどうなるのか?」という問題です。

 

つまり、15世は誰になるのか、そして本当に15世は現れるのかという問いです。

この問題は非常に複雑です。

 

というのも、ダライ・ラマ制度は宗教的なものですが、

近年は政治的な駆け引きの道具としても使われるようになっているからです。

 

中国政府は、ダライ・ラマの転生は国家の管理下にあると主張しており、

次の15世は中国政府の許可を受けた者でなければならないという立場をとっています。

 

一方で、ダライ・ラマ14世自身は

「中国が関わって選んだ者に正統性はない」と明言しており、

自分の意思で生前に後継の手続きを定める可能性を示唆しています。

 

さらに彼は、「必要であれば、もう後継者を立てなくてもよい」とも発言しており、

ダライ・ラマという制度そのものの終焉すら考えている節があります。

 

もし15世が現れたとしても、

インドやチベット亡命政府が支持する人物と

中国が擁立する人物が分かれる可能性があり、

世界は2人の「15世ダライ・ラマ」が並び立つという事態にもなりかねません。

 

これは宗教だけでなく、国際政治や人権問題、

そしてチベットの未来に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

 

このようにダライ・ラマの後継問題は、単なる次の人選びではなく、

何百年にもわたる信仰のあり方、

そして民族としてのチベット人の尊厳がかかった非常に大きな問題なのです。

 

これから先、世界がどのようにこの問題を見つめ、

そしてどんな選択をするのかが問われているのだと思います。

 

明日もチベット問題に続く、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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