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社長&顧問ブログ

2025.11.1

ハロウィン

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 仏教の様々な話でした。

 

十月三十一日は、世界中でハロウィンとして知られる特別な日です。

 

もともとは、古代ケルト民族の収穫祭「サウィン祭」が起源とされています。

サウィンとは夏の終わりを意味し、

一年の収穫を終えて冬を迎える準備をする祭りでした。

 

この夜は、生者の世界と死者の世界の境が最も近づくと信じられ、

亡くなった祖先の霊が家に帰ってくると考えられていました。

そのため、人々はかがり火を焚いて悪霊を追い払い、

仮面をかぶって姿を隠すことで霊に見つからないようにしたのです。

 

この風習が、のちに仮装の習慣へとつながっていきました。

 

やがてキリスト教がヨーロッパに広まると、教会はこの古い祭りを取り入れて、

十一月一日を全ての聖人を敬う日「万聖節」と定め、

その前夜である十月三十一日を「オールハロウズイブ」と呼びました。

この言葉が変化して「ハロウィン」と呼ばれるようになったのです。

 

当初の目的は、亡くなった人々を偲び、悪霊を遠ざける宗教的な行事でしたが、

時代とともに人々の楽しみとしての要素が強くなっていきました。

 

ハロウィンの象徴といえば、オレンジ色のかぼちゃのランタン

「ジャック・オー・ランタン」です。

これは、もともとアイルランドの伝承に登場するジャックという男が悪魔をだまして、

地獄にも天国にも行けず、暗闇をさまようことになり、

その手に火を灯したカブを持っていたという話から生まれました。

 

アメリカにこの風習が伝わった時、

カブの代わりに豊富にあったかぼちゃが使われるようになり、

今のようなかぼちゃランタンが広まったのです。

 

十九世紀になると、

アイルランドやスコットランドからの移民によってハロウィンの文化がアメリカに伝わり、そこからさらに発展しました。

 

アメリカでは、子どもたちが仮装をして近所の家を回り、

「トリック・オア・トリート」と言ってお菓子をもらう行事が生まれました。

これは「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ」という意味で、

今では世界中の子どもたちが楽しみにしている風習です。

 

また、ハロウィンの日には、家や街をオレンジや黒の飾りで彩り、

お化けや魔女に仮装してパーティーを開くなど、華やかなイベントが行われています。

 

日本では、もともとハロウィンに馴染みがありませんでしたが、

二〇〇〇年代以降に東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどの

テーマパークがハロウィンイベントを開催したことで、一気に広まりました。

 

特に若者の間で仮装イベントとして定着し

、渋谷や六本木などでは多くの人が思い思いのコスチュームで集まり、

夜通し盛り上がる風景が見られるようになりました。

 

ただし、本来のハロウィンには

「収穫への感謝」や「亡き人への敬意」という意味があり、

単なる仮装大会ではなかったということも忘れてはなりません。

また、古代の人々にとってハロウィンは、冬の始まりを知らせる重要な節目でした。

 

日が短くなり、寒さが厳しくなる前に火を焚き、明かりを灯して安心を得るとともに、

命を守る祈りを込めて過ごしたのです。

 

火や光がハロウィンの象徴になったのもそのためで、

暗闇を照らす希望の意味を持っています。

 

現代では、

ハロウィンは宗教的な要素よりも娯楽的なイベントとして楽しまれていますが、

もともと人々が自然や季節の変化に感謝し、

先祖を大切に思う心から生まれた行事であることを知ると、

その背景にある温かさが見えてきます。

 

かぼちゃをくりぬいて灯りをともすことも、悪霊を追い払うためだけでなく、

家族の無事を願う祈りの形だったのです。

 

日本では、秋祭りやお盆などにも同じように先祖を敬う心がありますから、

ハロウィンを通じてそうした文化の共通点を感じ取ることもできます。

 

そして、現代のハロウィンを楽しむ時には、マナーを守ることが大切です。

大声で騒いだり、ゴミを捨てたりすることは、周囲に迷惑をかけるだけでなく、

せっかくの楽しい雰囲気を壊してしまいます。

 

地域や商店街が行うイベントに参加し、みんなで協力して盛り上げることこそが、

本来のハロウィンの精神に近いと言えます。

 

お菓子を配る側ももらう側も、「ありがとう」と「どうぞ」の気持ちを大切にすれば、

ハロウィンはもっと素敵な行事になります。

 

十月三十一日は、単なる仮装の日ではなく、秋の終わりと冬の始まりを感じる日であり、

過ぎゆく季節と共に一年の恵みに感謝する日でもあります。

 

 

 

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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