
EXECUTIVE BLOG
2025.7.29
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 日本の和の心がもっと世界に広がれば
世界真の平和になっていたのではと言う話でした。
人類は長い歴史の中で、平和を求めながらも幾度となく戦争を繰り返してきました。
宗教の教えも、哲学の理想も、国家の条約も、
いずれも戦争を完全に止めることはできず、
それどころか時には争いの火種となることさえありました。
日本の「和の心」は、
聖徳太子の時代から「和を以て貴しとなす」として、
調和と譲り合いを重んじてきました。
キリスト教も「汝の敵を愛せよ」と教え、
イスラム教も「平和」を意味する言葉を宗教名に持ちながら、
その教義の本質は本来争いを戒めるものです。
にもかかわらず、
現実にはいまも争いが絶えず、世界各地で戦火が広がっているのは、
人間の心の奥底にある「エゴ」すなわち自己中心的な欲望や支配欲、
恐れや疑念が原因となっているのかもしれません。
そしてそれは、
現代だけでなく古代から変わらぬ人間の本性として歴史を形作ってきたのです。
では、人類の歴史において
「最初の大きな戦争」とは一体何だったのでしょうか??。
それは明確に記録されているものの中では、
古代メソポタミアにおいて紀元前25世紀頃に起きた
「ラガシュとウンマの戦争」が挙げられます。
現在のイラク南部、チグリス・ユーフラテス川の流域には、
シュメール人によって多くの都市国家が築かれていました。
中でもラガシュとウンマは互いに近接し、
水の利用や土地の所有を巡って激しく対立していたのです。
当時のメソポタミア文明において水は命の源であり、
農業の発展には灌漑用水の確保が不可欠でした。
ティグリス・ユーフラテス両川の支流が運ぶ豊かな水を、
どの都市がどれだけ引けるかが都市国家の生死を分ける問題でした。
この水利権を巡って、ウンマとラガシュの間でしばしば小競り合いが起き、
ついに全面的な戦争へと発展していったのです。
記録によれば、ラガシュの王エアンナトゥムはウンマを打ち破り、
多くの戦利品と捕虜を得たとされています。
そしてこの戦争の様子は、「ハゲワシの碑」と呼ばれる石碑に刻まれ、
敵の首を刈り取る兵士の姿や、神に勝利を感謝する王の姿が描かれています。
この石碑は、単なる戦勝の記録ではなく、
戦争を「神の意思」として正当化するメッセージを
含んでいたと考えられています。
つまり、戦争はただの物理的な衝突ではなく、
宗教的、道徳的、文化的な意味付けを持っていたということです。
実際この構図は、のちの歴史にも繰り返されていくものです。
宗教の名のもとに争い、正義という名で侵略し、
自国の繁栄のために他国を犠牲にする――
こうした人間の矛盾が、
文明の始まりの時点からすでに存在していたのです。
ラガシュとウンマの戦争が象徴するのは、
「限られた資源を巡る争い」と「正義の名による暴力の正当化」という、
人類が今なお抱える根源的な課題です。
21世紀を迎えてもなお、
我々はエネルギー、水、食糧、領土、宗教、価値観といった
問題を巡って争いを続けています。
どれほど文明が発達しても、
インターネットが世界をつなぎ、AIが進化し、科学が進歩しても、
人の心にある
「自分だけが正しい」「他を排してでも自分の利益を守る」
という思いが消えない限り、
争いは終わらないのかもしれません。
では、どうすればよいのでしょうか。
人間のエゴを完全に消すことはできないかもしれませんが、
それを抑え、調和を目指そうとする努力はできます。
日本の「和の心」は、相手を理解しようとする姿勢を育みます。
キリスト教の「愛」や、イスラム教の「慈悲」もまた、
争いではなく共存の道を説いています。
それぞれの文化や宗教が持つ「平和の種」を、
私たち一人一人が日々の生活の中で育んでいくことが、
長い目で見て争いのない社会への第一歩なのかもしれません。
世界平和は決して遠くの理想ではなく、
まずは自分の心にある「小さな戦争」を鎮めることから始まるのです。
隣人との対話、家庭の中の思いやり、仕事での信頼関係、日常の中の優しさ、
それらの積み重ねこそが、
ラガシュとウンマの時代から続く争いの連鎖を
断ち切る鍵になるのではないでしょうか。
私たちは、過去の歴史から学ぶことができます。
そしてそれを未来に生かすことができる唯一の存在でもあります。
最初の大きな戦争が「水」を巡る争いであったのなら、
現代に生きる私たちはその水を「命の恵み」として分かち合うことで、
ようやく「争いのない文明」へと進化することができるのかもしれません。
そう願いながら、今ここに生きる一人の人間として、
和の心を胸に、日々を歩んでいきたいものです。
人々は常に平和を願っているにも関わらず 人類発祥からずっと続いている問題ですね、、
明日からは がらっと話題がかわるのか???