EXECUTIVE BLOG
2024.1.12
高光産業株式会社 妹尾八郎です
昨日からの続きです。
昨日までは 日光東照宮の彫り物の話でした
彫り物一つ一つにも 重要な意味が隠されていることが分かると
面白いと思います。
ただ その彫り物が意味を成す者の前提として 作品としても一流でなければなりません
作品として有名な彫り物が 日光東照宮の眠り猫です
この作者は 左甚五郎だと言うことをご存知方は多いかと思います。
しかし 左甚五郎とは一体どのような人物だったのか??
他にも有名な作品があるのか?? については 意外にご存知ないかもしれません
左甚五郎作と言われる彫り物は 全国に100以上あるようです。
今で言う所の バンクシー的な存在だったのかもしれません
ここで 驚く事があります
彼の作品の数々の歴史を知ると おかしい事がわかるのです
それは、一説では300年の時を生きたとも語られているからです。
というのも、
彼の作品は安土桃山時代(1568〜1600)から江戸時代(1603〜1868)の後期まで
制作されていたといわれているからなのです。
しかし、当然ながら一人の人間が数百年生きるなど、現代でも不可能です。
この背景としては、
日本各地の腕の立つ職人達が自らの代名詞として
「左甚五郎」と名乗っていたのではないかといわれています。
つまり、「我こそは最強の彫刻家なり!」というような職人が、
最高に名誉ある称号として「左甚五郎」の名前を使っていたのではないか?
という説があるのです。
そう考えると、関東地方以外の地域にも彼の作品が点在している理由に納得できますね。
それと 関東の方は当然ご存知でしょうが
一般に東照宮と言うと 我々は 日光の東照宮の事を思います。
しかし 東京にも東照宮はあるのです。
それが 上野にあり その東照宮の事を 上野東照宮と呼んでいます。
私の東京の自宅が 上野から歩いてすぐの所なので 上野公園内を歩くと
そこに東照宮があるのだと言う事に気が付きます。
他にも久能山東照宮もあり これらを 3大東照宮と呼ばれています。
上野の東照宮は 家康は勿論ですが 吉宗と慶喜も祀られているのです。
この 上野の東照宮にも 左甚五郎作と言われている立派な彫り物があります
上野東照宮の入り口の門の両側に 龍の彫り物があるのです。
ここも是非見て頂きたいのですが
よく見ると 左側の龍と 右側の龍の向きが違う事に気が付くと思います。
それは、それぞれ真逆のポーズで描かれているのです
左手の龍は上り龍と言われ、上を昇るように描かれているが、
頭は下を向いている
のに対して
右側の降り龍と言われている龍は体は上に登り、顔も上を向いているのです。
なぜ「昇り龍」が名前に反して下を向き、
「降り龍」が上を向いているのかというと、
偉大な人ほど頭を垂れるということから、頭が下を向いている方が昇り龍と呼ばれていると言う事だそうです。
左甚五郎は人間の思想などを生き物を通して表現していると考えられますね。
上野東照宮に語り継がれているこの龍の伝説で、
一つ面白い話があります。
それは
その昔、この彫刻の龍は夜になると神社の外へ抜け出し、
付近の「毎夜不忍池」と呼ばれる場所へ水を飲みに行っていたと言う話です。
左甚五郎の作品はこのような不思議な話との結びつきが強く、
後世に伝承として語り継がれているケースも珍しくないのです。
そういえば
ある彫り物を思い出しました
それを 見たのは 山形のある寺でです。
そこには 深い悲しみの物語も隠されていますが
その話は
多分
明日に続く、、、、、。