
EXECUTIVE BLOG
2025.6.24
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 明治政府が利用した人物の中に 吉田松陰が居たと言う話でした。
今日は この吉田松陰の話に進みます、、、。
吉田松陰という名は、幕末の志士として広く知られ、
彼の思想や教育は多くの若き志士たちに影響を与えました。
山口県萩市にある松陰神社は、その吉田松陰を祀る最も有名な神社ですが、
実は東京・世田谷区にももう一つの松陰神社が存在していることを知りました。
長州の人間である松陰をなぜ東京、
しかも江戸の地である世田谷に祀る必要があったのか?
と不思議に思っていました。
調べてみますと、この松陰神社の存在には深い歴史的背景と、
人々の熱い思いが込められている事を知りました。
松陰が安政の大獄によって捕らえられたのは江戸でのことでした。
彼は幕府の政策に反対し、密航未遂などの罪を問われ、
最終的には江戸伝馬町の牢屋敷にて斬首されました。
彼が斬首されたのは安政6年(1859年)10月27日、
場所は現在の東京都中央区にあたります。
そして遺骸は、小塚原の回向院、現在の荒川区南千住に葬られました。
当時の幕府は松陰のような過激思想の持ち主の墓が参拝の対象となることを恐れていたため、慎ましく埋葬されました。
しかし明治維新を迎え、松陰の教え子たちが新政府の中枢を担うようになると、
彼の功績は改めて評価されることになります。
特に高杉晋作、伊藤博文、山縣有朋など、
松陰の門下生たちは彼を精神的支柱として尊崇しており、
やがて松陰の遺徳を後世に伝えるべく神社を創建する動きが出てきました。
山口県萩市の松陰神社はその象徴であり、
松陰の生誕地であり、彼の学問所である松下村塾も境内に再現されています。
一方、東京の松陰神社は、松陰が処刑された地から近い場所にあるという歴史的経緯と、
明治以降に江戸が首都・東京として日本の中心となったことによって、
より多くの人が松陰を参拝できる場所として設けられたものです。
特にこの神社は、明治15年(1882年)に松陰の門下生であった高杉晋作や伊藤博文らの意思を継いだ人々が、松陰の墓を現在の世田谷区若林に改葬したことに始まります。
すなわち、江戸に処刑された松陰の遺骨は明治時代にその門人たちの手によって丁重に改葬され、現在の松陰神社の地に祀られることになったのです。
その後、明治23年(1890年)には神社として正式に創建され、今日に至ります。
東京の松陰神社がある場所は、彼の教えが単なる地方の思想家にとどまらず、
国家的な意義をもっていたことを象徴しています。
参拝に訪れる人々は、単なる歴史上の人物というより、現代にも通じる教育者、理想主義者としての松陰の姿を感じ取っているのです。
では、松陰神社の宮司は松陰と何か縁がある人物なのでしょうか。
現在の宮司を務める方は、松陰の血筋にあたる人物ではありませんが、
代々松陰を深く敬愛し、その教えを守る家系に連なる方々が務めているそうです。
特に世襲的に神職を継いできた家柄であり、松陰の精神を今に伝える役割を担っていることに誇りを持っておられます。
現宮司の方も教育や講演活動を通して、吉田松陰の思想を現代に伝えようと努めており、
境内には松陰の遺言や教えを紹介する資料館なども併設されています。
こうした取り組みは、神社が単なる観光地ではなく、思想と教育の場であり続けることを意味しています。
松陰の教えは、個々の人間が「何のために生き、どう社会に尽くすか」という問いを根源から突きつけてくるものであり、その問いに真正面から向き合う姿勢が、
今日なお多くの人の心を打つのです。
また、東京松陰神社がある世田谷区若林という場所自体も、当時としては郊外であり、
改葬地としてふさわしい静謐な環境が整っていたことも選定理由の一つです。
現在では都心からもアクセスしやすく、松陰を偲ぶには格好の場所となっています。
さらに、境内には松陰の銅像や彼の著作を引用した石碑が並び、訪れる人々に彼の真摯な生き方を静かに語りかけています。
そして例年、松陰の命日である10月27日には例大祭が開かれ、多くの人々が参拝に訪れます。神事の後には講演会や文化行事が催され、松陰の教えにふれる貴重な機会となっています。
このように、東京世田谷の松陰神社は単に萩の分社という位置付けではなく、
松陰の思想が全国に広がった象徴としての役割を担っています。
東京という全国の人々が集まる地に松陰を祀る神社があることは、
まさに「教育は国家の根幹である」との彼の信念を体現するものでもあります。
幕末に命をかけて信念を貫いた男の生涯と教えを、
時代を越えて今日に伝え続ける場所として、
東京の松陰神社はこれからも人々の心の中にあり続けることになると思います。
松陰死後 多くの弟子たちが活躍しました、、、
その話しは???
明日へ続く、、、、。