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社長&顧問ブログ

2025.7.31

他国の神道

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 日本の神道の拡がりについての話しでした。

これが いつの時代から加速をしたのかの話に進むところでしたが、

 

今日は この日本の神道のような宗教は世界では日本だけだったのか?

もしかしたら 他の国にも似たような宗教観があったのでは??・

の話に続きます、、、、。。。。

 

世界の宗教を見渡してみると、

日本の神道のようなあり方はとても珍しく不思議に感じられます。

 

キリスト教やイスラム教には

教祖とされるイエス・キリストやムハンマドがいて、

その教えが弟子たちによって広げられ、

聖書やコーランといった聖典が整えられ、

組織的に教会やモスクが建てられていきました。

 

しかし神道には教祖も聖典もありません。

それなのに日本全国に何万という神社が存在し、

似たような作法や考え方が広がっています。

 

こうした自然発生的な広がり方をした宗教は世界でも稀です。

 

けれども完全に同じではないにしても、

似たような性質を持った信仰や文化は他の国にも見られます。

 

たとえば中国では古くから祖先を祀る儒教的な考えや、

自然の神を崇める道教や民間信仰が根付いており、

各地に土地神や山神を祀る廟が存在します。

 

中国もまた多神教的で自然崇拝的な文化が強く、

これは日本の神道とよく似た雰囲気を持っています。

 

東南アジアのタイやカンボジア、ラオス、インドネシアなどにも

自然や精霊を祀る信仰があり、

家の敷地に精霊の家を建てて供え物を捧げる風習があります。

 

こうした精霊信仰も教祖を持たず、民間の中で自然と育まれてきた点で

神道と似た背景を持ちます。

 

アフリカの多くの地域でも、自然物や祖先に神聖さを見出し、

部族ごとに異なる神を祀る伝統宗教が存在します。

 

村の神や山の神、雨の神などを敬う姿は、

まさに日本の古代の信仰と重なります。

 

またヨーロッパでも、

キリスト教以前のケルトや北欧、スラヴの民族には

自然と神を結びつける多神教的な信仰がありました。

 

雷神トールや知恵の神オーディン、自然の女神などが崇められ、

森や岩を神聖な場所として扱っていた文化がありました。

 

これらの多神教も、後にキリスト教の布教によって衰退していきましたが、

本来は神道のように自然と共に生きる宗教観を持っていたのです。

 

さらにハワイやポリネシアの伝統信仰も自然崇拝的で、

火山の神ペレや海の神、風の神を祀り、

儀式や舞踊を通して神とつながる文化が残っています。

 

これも教典があるわけでもなく、教祖がいたわけでもなく、

地域の自然と生活の中から生まれた信仰であり、

神道と共通する感性があります。

 

ただこれらの多くは、近代化や外来宗教の影響で衰退したり、

信仰というより伝統文化として残っている場合が多いのです。

 

そうした中で、日本の神道は国家とともに歩み、

現在にいたるまで生活に根づき続けているという点で、

世界的にもとても珍しい存在です。

 

神道は排他的ではなく、どんな人でも神社に参拝でき、

特別な入信や信者登録もなく、

誰もが自然に手を合わせることができます。

 

神棚を祀り、季節の祭りに参加し、

お守りを持ち、初詣に行くという一連の文化が、

ごく自然な形で現代の日本人の生活に息づいています。

 

このように見てくると、

日本の神道は、教祖もいない、聖典もない、

けれども人々の暮らしの中に溶け込み、

自然に広がってきた非常に独自の宗教文化であり、

似たような要素を持つ信仰は世界に点在していても、

神道ほど国家的規模で継承され、

現代でも生き続けている例は他にほとんどないのです。

 

神道は決して特定の人間がつくりあげたものではなく、

自然とともに生きる中で人々の心の奥底から

自然と立ち上がってきた信仰であり、

それこそが日本の神社文化の根本にある大きな特徴なのです。

 

明日は 大きく日本で神道が伸びるようになったのは???

に続く、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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