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社長&顧問ブログ

2025.7.7

内ゲバ

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 日本の学生がマルクスレーニン主義に感化され

学生運動を展開した話でした。

今日はその学生運動が 過激になり

内なる闘争が始まったと言う話に進みます、、、。

 

日本の学生運動は、

戦後の混乱と復興の中で、新しい社会を求める若者たちの情熱から始まりました。

特に1960年代後半、彼らは戦争を否定し、平和と平等を願い、

学費の値上げ反対や大学の民主化、さらには安保反対など、

大きな理想を掲げて立ち上がったのです。

 

若者たちは、社会の在り方を根本から見直し、古い体制を打ち壊し、

新しい日本を作ろうという熱い思いを持って行動していました。

多くの学生がキャンパスに集まり、シュプレヒコールを上げ、

討論を重ねながら、

変革の道を真剣に模索していたのです。

 

しかし、理想が大きければ大きいほど、

それに至る方法や考え方にも違いが生じてきます。

運動が広がっていく中で、

学生たちはさまざまなグループやセクト(党派)に分かれていきました。

マルクス主義、レーニン主義、毛沢東主義、さらにはトロツキストなど、

思想の違いによって運動の方針が分かれ、

それぞれが「自分たちこそ正しい革命の道を歩んでいる」

と信じて疑いませんでした。

 

その結果、異なる考え方を持つグループ同士で対立が深まり、

時には議論ではなく暴力で相手を封じようとするようになってしまったのです。

これが「内ゲバ」の始まりでした。

 

本来であれば、社会を良くしたいという同じ志を持った仲間であるはずなのに、

「思想が違う」「行動方針が間違っている」という理由で、

お互いを敵と見なすようになっていきました。

 

次第に運動の目的が社会の改革から、

敵対する仲間を糾弾することへと変質していったのです。

そして、そこに登場したのが「総括」という行為でした。

 

これは、自己批判を通して思想や行動を正すという名目で行われましたが、

実際には仲間内の粛清や屈服を強いる手段として使われるようになりました。

過去の発言や行動を引き出して責め立て、仲間を糾弾し、

精神的にも肉体的にも追い詰める行為が横行しました。

 

この様子はまるで、中国の文化大革命における紅衛兵の行動とよく似ています。

紅衛兵もまた、毛沢東思想の名のもとに教師や親、知識人を批判し、

自己批判を強要し、暴力によって「革命の敵」を処罰しました。

 

日本の学生運動における総括や内ゲバも、

同じように「純粋で正しい革命」を実現するためには、

仲間をも断罪せねばならないという極端な正義感に基づいていたのです。

そしてそれは、自分たちの正しさを絶対視するあまり、

他者の考えや存在を受け入れられなくなった結果でもあります。

 

なぜこのような極端な方向に進んでしまったのか??。

それは、運動の高まりの中で、

若者たちが「正しさとは何か」という問いに対する答えを

一つに決めてしまったからだとも言えます。

「正義はこれしかない」「この道こそが革命だ」と信じ込み、

それに異を唱える者を敵と見なす思考に陥っていったのです。

 

また、運動の激化に伴い、国家や警察からの弾圧も強まり、

孤立感や被害者意識も強まっていきました。

そうした中で、運動の純粋さを守るためには、

仲間の中にも敵が潜んでいるのではないかと疑い始めるようになり、

その不安や焦燥が総括や内ゲバという行動に繋がっていったのです。

 

さらに、運動の成果がなかなか得られず、長引く対立や挫折感が続く中で、

理想の重さに耐えきれなくなった若者たちは、

「誰かが悪い」「あいつのせいで運動が失敗した」

といった責任の押し付けに走りがちになりました。

内に向かう怒りが増えれば増えるほど、

外の社会に対する影響力は弱まり、

やがて学生運動そのものが孤立していくことになります。

 

本来ならば、違う意見を受け入れ合いながら、

対話を重ねて理想に近づく道もあったはずです。

しかし当時の学生たちは、若さゆえの純粋さと不寛容さの狭間で、

自分たちの手で自滅の道を歩んでしまったとも言えます。

理想に燃えた始まりから、仲間を傷つけ合う終焉までの流れは、

私たちにとって大きな教訓でもあります。

 

現代の私たちがその歴史を学ぶ意味は、過去を否定することではなく、

理想を持つことの大切さと、

同時にその理想を実現する過程において、

他者との違いをどう受け入れていくかを学ぶことにあります。

 

正義を盾に他者を排除するのではなく、

共に対話をして、

違いの中にこそ可能性を見出していく。

それこそが、今の社会に求められる姿勢なのかもしれません。

 

過去の学生たちが夢見た社会を、本当の意味で実現していくには、

そうした柔らかさと広さを持った心が必要なのだと思います。

 

明日からは 新しい話に展開するのか????

 

に続く、、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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