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社長&顧問ブログ

2023.5.29

博多の醤油は何故甘い?

高光産業株式会社 妹尾八郎です

 

昨日からの続きです。

 

昨日までは 標準語だと思って当たり前の様に使っていた言葉が博多弁だったと

言う話でした。

 

離合や さんのーがはい 等は 私も完全に標準語だと思っていました。

 

地域によって 掛け声すら違うのですね。

 

地域によって違うと言えば 食文化です。

正月のお雑煮などは 各地で違っています。

が このお雑煮には 私はどの地区のお雑煮も美味しいと思って食べています。

又 ラーメンも 福岡はとんこつ 東京は醤油 札幌は味噌味が特徴ですが

これも それぞれ美味しいと思います。

 

しかし 私がどうしても受け入れられないのが 醤油なのです。

特にお刺身を食べる時、 東京の醤油で刺身を食べると どんなに新鮮なお刺身も

美味しく感じないのです。

お刺身は 福岡の醤油でなければ美味しく感じないのです。

これは 多くの福岡県民もそう言われています。

逆に東京の方が福岡へくると 醤油の味が違うと言って わざわざマイ醤油を持参してくる人がいるくらいです。

東京の人からしますと 福岡の醤油は濃くて甘いと感じるそうなのです。

 

しかし 我々福岡県民はこれが当たり前と思っているので その味でなければ 刺身も

美味しく頂けないのです。

 

現在、福岡県には100を超える醤油醸造元があり、その多さは全国一を誇っています。

その醸造元すべてが甘い醤油を作っているのかというとそうではなく、

昭和41年に設立された「福岡県醤油醸造協同組合」によって、

筑紫野市にある国内最大規模の共同生産工場で一括生産されており、

この工場で作られた生揚醤油が各メーカーへ運ばれ、

ここから甘味料などをブレンドしてオリジナル醤油を作っていくというのが、

福岡流の醤油製造方法であり他の地域とは異なる特徴だそうです。

 

では、いつ頃から福岡県が全国一の醤油醸造地となったのか言いますと、

江戸時代の主要な産地は紀州を中心とする近畿圏だったようですが、

その後は関東の業者が成長し、

福岡をはじめとする九州には小規模な生産者が多くいました。

しかし明治18年以降は常に全国上位の生産量を記録しており、

この頃から急成長したと言われています。

 

一大醤油生産地となった福岡ですが、

何故福岡の醤油が甘くなったのかと言う理由は

甘さのルーツは色々あるようなのですが

その一つは、

砂糖が入手しやすい環境だったからだと言われています。

それはは江戸時代に遡りまり、鎖国令が敷かれていた当時、

唯一の貿易窓口であった長崎の出島に入ってきた砂糖は、

長崎街道、別名シュガーロードを通って江戸へ献上されていました。

そのため、街道途中にある福岡は、比較的容易に砂糖が手に入ったと考えられます。

酒に並ぶほど高価といわれた砂糖を高級な醤油にブレンドすることは

『貴重品を贅沢に使うほど、あなたを大切に思っています』という気持ちの表れであり、馳走であればあるほど砂糖を使うようになったといわれています。

 

それから、

福岡では新鮮な魚を食べることが好まれることにあります。

本来、魚は新鮮すぎると身が固く、旨味をあまり感じられません。

分かりやすく例えるなら、マグロは釣れたてより1週間、10日と寝かせた方が、

熟成して身が柔らかくなり旨味が増えます。

しかし鮮度を好む福岡人にとって、

「旨味は醤油で補えば良い」という考えから、

旨味を引き立たせるため醤油が甘くなったのだとされます。

福岡の甘いさしみ醤油は、新鮮な魚が簡単に手に入る地域だからこその贅沢な味わい方と

なってきたようです。

 

いずれにせよ醤油の甘さは

福岡をはじめとする九州独自の文化になったと言う事になります。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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