EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2025.10.4

因幡の白兎

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 10月が何故神無月かと言う話でした。

 

今日は 出雲大社に関わる話で

昔 因幡の白兎の話を聞いた方が居るかと思いますが、

中々内容まで覚えていませんね

 

今日は この話に続きます、、

 

因幡の白兎という物語は古事記に描かれている有名な神話であり、

その背景には出雲大社の神として祀られる大国主命が深く関わっています。

 

この物語は単なる昔話ではなく、

日本人の信仰や文化、特に「縁結び信仰」にまで影響を与え続けています。

 

まず物語の概要を見てみます。

 

白兎は隠岐の島から因幡の国に渡ろうとしますが、海に橋がなく困っていました。

そこで和邇、すなわちワニや鮫の仲間をだまして、背中を並べてもらい、

その上を渡って因幡の国に辿り着こうとしました。

 

しかし最後に「お前たちを騙してやった」と口を滑らせてしまい、

怒った和邇に毛皮を剥がされ、全身が傷だらけになってしまったのです。

泣いて苦しむ白兎の前を、大国主命の兄神たちが通りかかります。

 

彼らは意地悪をして「海水に入って風に当たれば治る」と嘘を教え、

白兎はますます痛みに苦しみます。

その後、最後に遅れてやってきた大国主命が現れ、

「真水で体を洗い蒲の穂の花粉を敷き詰めて寝ころぶとよい」

と優しく教えてやります。

 

白兎はその通りにすると見事に毛皮が元通りに治り、元気を取り戻すことができました。

そして白兎は大国主命に感謝しながら、

こう告げます。「八上比売は必ずあなたを選ぶでしょう」と。

 

この予言は的中し、大国主命は八上比売を妻とすることになります。

ここにおいて、白兎はまさに大国主命の縁を結ぶ存在として描かれているのです。

 

このエピソードこそが、

出雲大社が「縁結びの神」として知られるようになった

大きな背景の一つだといわれています。

 

大国主命はその後も数々の試練を乗り越えて国造りを成し遂げ、

豊かな国土を築いたとされますが、

彼の妻との出会いを導いたのがこの白兎であったという点が象徴的です。

 

縁結びというのは単に男女の結婚だけでなく、

人と人とのつながり全般を意味します。

出雲大社に参拝する多くの人々が良縁を祈願するのも、

この神話が根底にあるのです。

 

さらに白兎にまつわる信仰は鳥取県鳥取市にある白兎神社にも息づいています。

この神社はまさに因幡の白兎を御祭神として祀っており、

縁結びや皮膚病平癒のご利益があると伝えられています。

 

白兎が体を癒やされた逸話が皮膚の病気を治すご利益へとつながり、

大国主命と八上比売の縁を取り持ったことが縁結び信仰に結びついています。

出雲大社と白兎神社は距離的には離れていますが、

物語の流れによって強く結びつけられているのです。

 

因幡の白兎がいなければ、

大国主命と八上比売の縁は実らなかったかもしれませんし、

その後の国造りの物語も変わっていたかもしれません。

 

こうした神話は現代にも大きな意味を持っています。

 

出雲大社を訪れる人々は、結婚相手との出会いだけでなく、

仕事の縁、友人の縁、人生を豊かにするあらゆるご縁を願って参拝します。

 

その際、多くの人が心のどこかで「因幡の白兎」の物語を重ね合わせています。

白兎は「傷ついた心や体を癒やす存在」「正しい縁へと導く存在」とされ、

大国主命は「その縁を守り育む神」とされてきました。

この関係性が、人々の信仰を形作り続けているのです。

 

また、神話を別の角度から見ると、

因幡の白兎は人の弱さや過ちを象徴しているとも考えられます。

 

調子に乗って和邇をだました結果、大きな痛みを受けてしまった白兎ですが、

その苦しみを救ったのは大国主命の優しさでした。

 

ここから、人は失敗を通じて学び、

また誰かの思いやりによって救われるという普遍的な教訓を読み取ることができます。

 

だからこそこの物語はただの恋愛譚にとどまらず、

人と人とのつながり、助け合いの精神を説くものとして語り継がれてきたのです。

 

総じて、因幡の白兎の神話は出雲大社の信仰と深く結びつき、

日本文化の中で「縁結び」という概念を象徴する物語になっています。

 

出雲大社が単に国造りの神を祀る場にとどまらず、

人々が人生のさまざまなご縁を祈る場所となっているのは、

まさにこの神話が背景にあるからです。

 

白兎が大国主命と八上比売の縁を取り持ったように、

現代に生きる私たちもまた、出雲大社や白兎神社を訪れることで、

自分にとって必要な縁に導かれることを願うのです。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/