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2026.2.20
高光産業株式会社
妹尾八郎です。
昨日までは 天照大神から神武天皇へと続く話でした。
ここで 不思議に思ったのは
天照大神から その孫のニニギノミコトへの話しは よく耳にしますが
では 天照大神の子供の話しは あまり耳にしないと思います、、。
その理由は何故なのか????
が 今日からの話になります、、、、。
天照大神から神武天皇へと続く神話の流れを見ていると、
不思議に思うことがあります。
天照大神の孫であるニニギノミコトは
「天孫降臨」の主役として大きく語られますが、
その父である天忍穂耳命の話はあまり前面に出てきません。
まるで天照大神からいきなりニニギノミコトへ話が飛んでいるようにも見えます。
なぜそのような形になっているのでしょうか。
実は神話の中で省略されているわけではなく、
そこには物語の構造上の理由があります。
系譜を正しくたどると、
天照大神の子が天忍穂耳命であり、その子がニニギノミコトです。
つまり天照大神から見れば、ニニギは孫にあたります。
ですから本来は
「天照大神 → 天忍穂耳命 → ニニギノミコト」という順番なのです。
それにもかかわらず、物語ではニニギが強く印象に残るのは、
神話の一番大きな山場が「天孫降臨」、
つまり天の血を引く者が地上に降りて統治を始める瞬間だからです。
物語は動きのある場面が中心になります。
天忍穂耳命は高天原で天照大神の意思を受け継ぐ存在として登場しますが、
地上で大きな冒険や戦いをする主役ではありません。
一方でニニギノミコトは実際に地上へ降り、
そこから山幸彦へ、さらに神武天皇へと続く物語の出発点になります。
つまり地上統治のスタート地点に立つ人物こそが、
物語の中心として描かれやすいのです。
また、天照大神は神話の中で最も重要な神です。
その子の物語があまりに強く描かれると、天照大神の存在感が分散してしまいます。
そのため、子である天忍穂耳命は血統をつなぐ重要な役割を持ちながらも、
あえて物語の中心には置かれていません。
さらに神話の中では、誰を地上に遣わすかという検討の場面があります。
地上はまだ整っていない、時期尚早である、
といった流れの中で最終的にニニギノミコトが選ばれます。
つまり父が一度登場し、その上で孫に託されるという段取りがきちんとあるのです。
ただしその場面は簡潔に語られるため、読者にはあまり印象に残りません。
これは欠落ではなく、
神話が「地上王権の正統性」を示すことを目的として構成されているからです。
天の正統な血統が地上へ降り、
その子孫が天皇へと続くという筋を明確にするために、
地上に降りた人物であるニニギが強く描かれているのです。
ですから「なぜいきなりニニギなのか」という疑問の答えは、
物語の焦点が地上統治の始まりに置かれているからだと言えます。
天忍穂耳命は見えにくい存在ですが、
天照大神とニニギノミコトを結ぶ大切な橋渡し役であり、
血統の正統性を支える重要な存在です。
神話は人物の活躍だけでなく、
何を強調し、何を簡潔にするかという設計の上に成り立っています。
その設計の中で、ニニギノミコトが大きく語られ、
父の物語が控えめになっているのです。