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2025.10.20

始まりは政治的意図が

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日まではオリンピックの話しでした。

オリンピックと言えば 開会式の時の聖火点灯は盛り上がりますね、、、

 

今日はこの聖火についてです、、。

 

そもそも聖火は 第一回からあったのか? それとも?

何故聖火が必要になったのか?の興味が湧きますね、、、

 

実は「オリンピック聖火」は、

第1回アテネ大会(1896年)には存在していません。

 

私たちが今当然のように見ている「聖火リレー」や

「聖火台に火をともす開会式のクライマックス」は、ずっと後になって導入されたものです。

 

では、なぜオリンピックに“火”という象徴が加わったのか??

 

その背景には、古代ギリシャの神話的な精神と、

20世紀初頭の国際社会が求めた「平和と再生の象徴」

という時代の流れが深く関係しています。

 

まず、古代オリンピックでは確かに「火」は重要な存在でした。

古代ギリシャのオリンピアでは、主神ゼウスに仕えるヘラ神殿の祭壇に、

太陽光から起こした聖なる火が灯され、競技の間ずっと燃やされ続けていたのです。

 

火は“神の存在”を象徴し、「人間と神とを結ぶもの」とされていました。

 

ですから、クーベルタンが19世紀末にオリンピックを復興させた際も、

この古代の宗教的要素を取り入れようという案はありましたが、

当時の近代オリンピックは

「宗教色をできるだけ排除した平和の祭典」という考え方だったため、

火を使う儀式は採用されませんでした。

 

実際、第1回アテネ大会では聖火もリレーもなく、

開会式は王室の挨拶とファンファーレ、そして競技開始の宣言だけで行われました。

 

では、いつから聖火が登場したのかというと、

それは1928年のアムステルダム大会からです。

 

この大会で初めて、競技場内に「オリンピックの炎(Olympic Flame)」が灯されました。

ただし、この時はまだリレーはなく、

火はスタジアムの塔の上で大会期間中ずっと燃やされていただけでした。

 

今のように

「聖火がオリンピアで採火され、リレーで会場まで運ばれる」という形式が生まれたのは、1936年のベルリン大会からです。

 

ナチス政権下のドイツが開催したこの大会で、

宣伝相ゲッベルスが

「古代ギリシャと現代ドイツの精神的つながり」をアピールする演出として考案したのです。

 

ギリシャ・オリンピアのヘラ神殿跡で太陽光から火を採り、

それを若者たちのリレーでドイツ・ベルリンまで運ぶという壮大なイベントでした。

 

総延長は3,000キロを超え、7か国を通過するという未曾有の規模で、

沿道には数百万人が集まって声援を送りました。

 

これは当時の最新技術を駆使した「国威発揚の演出」でもありましたが、

同時に「火が人から人へ受け継がれていく」という思想が、

世界中の人々に深い感動を与えました。

 

皮肉にも、ナチスの政治的意図を超えて、

このリレー形式はオリンピックの象徴として定着していったのです。

 

では、なぜオリンピックに“火”が必要になったのか??

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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