EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2025.3.28

宗教戦争

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 仏教の総本山の話しでした。

今日は 宗教戦争の話に進みます、、、。

 

歴史を振り返ると、キリスト教とイスラム教の間にはたびたび宗教的な対立が生じてきました。

十字軍、ジハード、異端審問、そして現代における中東情勢など、

多くの争いの背景に宗教的な理念や価値観の違いが存在しています。

しかし、それに対して仏教はどうでしょうか?。

仏教徒が宗教を理由に戦争を仕掛けた例は、歴史上で殆どなかったのではと思ってしまいます。

なぜ仏教においては、他宗教との戦争がほとんど見られないのでしょうか??。

 

その最大の理由は、仏教の教えそのものにあると言えるのではないでしょうか?。

仏教は釈迦によって紀元前5世紀ごろにインドで開かれましたが、

その中心には「慈悲」や「非暴力」「不殺生」といった倫理観が深く根付いています。

とりわけ、不殺生の教えはすべての命を尊重するものであり、

武力を用いることを根本的に否定しています。

また、仏教には唯一絶対の神という存在がなく、他者の信仰を否定するような価値観も存在しません。

他宗教に対する寛容さや多様性の尊重が、仏教徒による宗教的対立の回避に大きく寄与しているのです。

 

仏教の布教方法もまた、争いを生まない理由のひとつです。

歴史的に見ても仏教は、武力による布教を行うことはほとんどありませんでした。

例えば、紀元前3世紀のインドのアショーカ王は仏教を国家宗教としたものの、

その普及は平和的な手段によって行われました。

彼は軍隊ではなく使節団を各地に派遣し、言葉と理念によって仏教を広めていきました。

このような穏やかな広まり方は、他の宗教や文化と衝突せず、

むしろ融合する形で仏教が受け入れられていく素地を作りました。

 

中国では道教や儒教と共存し、日本では神道と融合して神仏習合となるなど、

仏教は対立よりも共存を選んできたといえるのではと思います。

 

また、仏教は政治権力との関係においても距離を保ってきた側面があります。

中世ヨーロッパのキリスト教会のように、

政治そのものを宗教が掌握することは仏教では稀でした。

 

もちろん仏教が政治と無縁だったわけではなく、

王朝によっては庇護を受けたり、国家宗教として位置づけられることもありましたが、

それが他宗教との対立や征服につながるケースは非常に少なかったのです。

宗教が国家の正統性の根拠になりにくいという点も、

仏教の特徴のひとつと言える。

 

さらに、仏教には他者の信仰を「改宗させる」ことへの執着がほとんどありませんね。

キリスト教やイスラム教のように「唯一の神を信じなければ救われない」

という教義は仏教には存在せず、

むしろ「縁があれば仏法に出会う」という柔らかい姿勢が重視されます。

 

悟りは個人の内面にあるものであり、それを他者に強制することはできない、

という考え方が根本にあります。

この「強制しない姿勢」が、他宗教との対立を避ける基盤となってきました。

 

とはいえ、仏教国においても武力衝突がまったくなかったわけではありません。

近年ではミャンマーにおけるロヒンギャ問題のように、

仏教徒が他宗教に対して暴力的な行動を取ったケースもあります。

しかし、こうした問題は宗教的教義というより、民族対立や政治的要因が主たる原因であり、仏教本来の思想とはかけ離れた現象といえるではと考えます。

 

また、日本の中世には「僧兵」と呼ばれる武装した僧侶たちが存在しましたが、

これも寺社の経済的利益や権力闘争が背景にあり、

教義による戦争とは性質が異なると思われます。

 

こうして見てみると、仏教が宗教戦争をほとんど引き起こしてこなかった理由は、

その平和的で寛容な教えに加え、政治と距離を取り、

強制的な布教を避けてきたという歴史的実践の積み重ねによるものです。

仏教の本質は

「内面の平和」「自他共に苦しみを減らすこと」「執着を手放すこと」にあります。

他者との争いではなく、自分自身と向き合うことを重視する宗教であるからこそ、

他宗教との摩擦を最小限に抑えられてきたと思います。

 

現代においても、宗教が争いの原因となることが後を絶ちません。

しかし、仏教のように他者を否定せず、

共存と内省を大切にする思想から学べることは多くあります。

宗教が人と人とを分断するのではなく、つなぐ存在となるために、

今こそその在り方を見直す時なのかもしれませんね。

 

明日は

 

そういえば???

 

の話しに続く、、。

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

PAGE TOP