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社長&顧問ブログ

2025.12.2

年末

高光産業株式会社

妹尾八郎です。

 

昨日までは 師走の話しでした、、。

今日も 師走の続きになります、、、、。

 

師走になると日本中が慌ただしさに包まれ、

街の空気も人の気持ちもどこかそわそわし始めますが、

この独特の雰囲気には長い歴史と日本人特有の心の文化が関わっています。

 

年末に「片付け」や「大掃除」が行われるのは、

単に家をきれいにするという意味だけではなく、

古くから「一年のけがれを払って、新しい年を迎える準備をする」

という生活の知恵が根付いていたからです。

 

煤払いとして宮中や寺社で行われてきた行事が庶民にも広まり、

家の隅々まできれいにしながら、

「一年を無事に終えられた」という安堵と

「新しい年を迎える」という希望がそこに重なっていきました。

 

また、日本人には古くから物事に“区切りをつける”という感覚が強く、

「一年の最後に帳尻を整える」「心を切り替える」「けじめをつける」

といった意識が日常の中にも息づいています。

 

師走の忙しさは、この区切りをつける文化と深く結びつき、

年末の慌ただしさそのものが、気持ちを新年へと向けていく一つの儀式になっているのです。

 

年末になると挨拶回りや手紙のやり取りが増えるのも、

日本人が大切にしてきた「関係の締めくくり」としての習慣が背景にあります。

 

一年お世話になった方へ感謝を伝え、

翌年も良い関係が続くようにという願いが込められ、

特に商人たちの間ではこの気持ちが「年内払い」という文化にも繋がっていました。

 

借金やツケを翌年に持ち越さず、すっきりした気持ちで新年を迎えるという考え方は、

経済活動と精神的な感覚が重なった、いかにも日本的な締めくくりの知恵と言えます。

 

さらに師走は俳句や和歌の世界でも重要な季語であり、冷たい風、枯野、冬晴れ、

人の行き交い、年の暮れの静けさと騒がしさが交錯する情景が数多く詠まれてきました。

 

師走という言葉自体が持つ響きにも独特の温かさと切なさがあり、

日本人の季節感や情緒を形づくる役割を担ってきたのです。

 

近年ではクリスマス文化の定着により、

十二月の雰囲気はより華やかで賑やかなものになりました。

 

イルミネーションやプレゼント交換、家族で過ごすイベントとしてのクリスマスが

すっかり日常化し、和洋の文化が自然に混ざり合うのも現代日本らしい風景です。

 

それでも、クリスマスが終わると一気に「年の瀬ムード」へ切り替わるのが

日本人の特徴であり、ここにも“区切りをつける”文化が息づいています。

 

師走の忙しさの裏には「新しい年をきれいに迎えたい」という気持ちが強く流れており、

これは掃除や片付けだけでなく、人間関係や心の整理にも影響します。

 

年末になると物腰が柔らかくなったり、人に優しくなったりするのは、

一年を思い返しながら自然と感謝の気持ちが湧いてくるからでしょう。

 

「今年もいろいろあったけれど、なんとかやってこられた」という思いが、

心の中にゆとりをつくり、人に向ける態度にも余裕を生み出すのです。

 

この時期には、普段なら見過ごしてしまう小さな優しさに気付きやすくなり、

自分自身も誰かに親切にしたいという気持ちが強くなります。

 

それは師走の空気が持つ“心のリセット作用”とも言え、

一年の終わりだからこそ人はより穏やかになり、

互いを思いやる気持ちが自然と高まるのかもしれません。

 

師走の街並みは、冷たい空気の中にも温かさを感じる独特の季節感を生み出し、

年末の風景そのものが日本人の心のリズムを形づくってきました。

 

夕暮れのイルミネーション、買い物袋を抱えて歩く人々、年賀状の準備をする姿、

商店街を飛び交う「良いお年を」という声、

どれもが日本の冬に欠かせない風景であり、

年が改まる前の静かな高揚感をつくり出しています。

 

こうした師走特有の情景や行動のひとつひとつが、

日本人の季節感や生活文化を豊かに育ててきたのです。

 

忙しさの中にも、人と人の温かさや一年を締めくくる清々しさが宿っていること、

それこそが日本の師走の魅力であり、

新しい年を迎えるための大切な心の準備なのだといえるでしょう。

 

高光産業株式会社 公式サイト

https://takamitsu.com/

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