
EXECUTIVE BLOG
2026.11.8
高光産業株式会社
妹尾八郎です
鑑真が日本に伝えたもの。
その中心にあったのが「戒律」でした。
しかし、
戒律と聞くと、何となく堅苦しい印象を受けるのではないでしょうか。
あれをしてはいけない。これをしてはいけない。
決まりを守らなければならない。
そのような窮屈な生活を想像する人もいるかもしれません。
私も、最初はそのように考えていました。
しかし、戒律の意味を調べてみると、
そこには人間の生き方に関わる、大切な考え方がありました。
そもそも「戒」と「律」は、本来、少し意味が異なります。
「戒」は、
自分自身の行動を正しく保つための倫理的な約束です。
一方の「律」は、
僧侶たちが集団で生活し、修行するための規則を意味します。
例えば、仏教には基本的な戒めとして、
命をむやみに奪わないこと、人のものを盗まないこと、
嘘をつかないことなどがあります。
これらは、
人間社会で信頼関係を築くためにも大切なことではないでしょうか。
そして僧侶には、こうした基本的な戒めに加えて、
さらに細かな生活上の規律が設けられていました。
では、なぜそこまで細かな決まりが必要だったのでしょうか。
人間には、誰にでも欲望があります。
腹が立つこともあれば、人を羨ましく思うこともあります。
自分に都合の悪いことが起きれば、つい言い訳をしたくなることもあるでしょう。
それは、人間として決して不思議なことではありません。
しかし、その時々の感情に任せて行動してしまえば、
周囲の人々を傷つけることがあります。
そして、
後になって自分自身も苦しむことになるかもしれません。
だからこそ、自分の行動を自ら律することが大切なのです。
ここで考えてみたいことがあります。
自分を律することは、自由を失うことなのでしょうか。
私は、必ずしもそうではないと思います。
例えば、
何を言っても良いという自由があったとしても、
相手を傷つける言葉ばかり使っていれば、
人間関係は壊れてしまいます。
約束を守らなくても良いという自由があったとしても、
誰からも信用されなくなれば、
かえって自分の生き方は不自由になるでしょう。
一方、
自分の感情を整え、約束を守り、
周囲の人々を思いやることができれば、
人との信頼関係が生まれます。
そして、その信頼によって、
新しい可能性が広がっていくのではないでしょうか。
自由とは、何をしても良いということだけではないのでしょう。
自分の感情や欲望に振り回されず、
自分で正しい行動を選べることも、
また一つの自由なのだと思います。
もちろん、
決まり事が多ければ良いというものでもありません。
人を苦しめるための規則や、ただ従わせるためだけの決まりでは、
本来の目的を失ってしまいます。
大切なのは、その規則が何のために存在しているのかということです。
鑑真が受け継いだ仏教の戒律も、
ただ人々を縛るためのものではありませんでした。
自分自身の行いを整え、他人を傷つけず、修行に励むためのものでした。
そして、僧侶たちが互いに信頼し合い、
教えを守り続けるための仕組みでもあったのです。
私は、この考え方に、現代社会にも通じるものを感じます。
仕事においても、家庭においても、人間関係においても、
私たちは日々、さまざまな判断をしています。
その時、
自分にとって都合が良いかどうかだけで判断するのか。
それとも、
相手の立場や、後々のことまで考えて判断するのか。
その違いは、
長い年月の中で大きな差となって現れてくるのではないでしょうか。
そして、もう一つ大切なのは、
人に厳しく求める前に、自分自身を振り返ることだと思います。
人の間違いは、よく見えるものです。
しかし、
自分の間違いには、なかなか気づかないことがあります。
他人に約束を守るよう求めながら、
自分は小さな約束をおろそかにしていないでしょうか。
人に誠実さを求めながら、
自分は都合の悪いことから逃げていないでしょうか。
そうしたことを日々問い直すことが、
自分を律するということなのかもしれません。
鑑真は、教えを言葉で説明するだけではなく、
それを実践する人を育てようとしました。
そこに、彼の仕事の大きな意味があったのでしょう。
人間は、立派なことを知っているだけでは十分ではありません。
知っていることと、実際にできることは違います。
本当の教養とは、どれほど多くのことを知っているかではなく、
学んだことが自分の行動にどれほど表れているかということなのかもしれません。
戒律とは、特別な僧侶だけに関係する難しい決まりのように思えます。
しかし、その根底にある自分を律するという姿勢は、
今を生きる私たちにも大切なことを教えてくれているように思います。
では、鑑真は日本へ渡った後、
その教えをどのように広めていったのか??
日本の仏教史に大きな足跡を残した、
アノ儀式とは????? の話しは、、
明日に続く、、、、、。。