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社長&顧問ブログ

2021.8.4

胸中複雑な陸軍大臣

 

 

 

高光産業株式会社 妹尾八郎です

昨日からの続きです。

 

昨日までは ポツダム宣言が日本に届いてから

それを受諾して 終戦に向けての話でした。

 

しかし 最後の終戦の日を迎えるまでに一気に話が進んだのではなく

軍部と政府との対立があり なかなか話が進まなかったのです。

 

それは 明治維新以降敗戦を経験した事がない人にとって 無条件降伏を

受け入れると言う事を 発すること自体に逡巡していて

自分が言い出しっぺになりたくなかったのではと思います

それを察知した鈴木首相は これでは結論が出ないままの会議になってしまい

被害が一層拡大することを恐れて

天皇陛下のご聖断を仰ぐと言う ウルトラCを提案したのです。

 

天皇陛下は日本国および日本国民の事を一番に考えていらっしゃったので

早急に終戦に向けての話を進めるようにと意見をされたのでした

 

しかし

特に軍部は 天皇の大権についての保証がない限りの宣言受け入れをしないとし、

最小限の条件として 天皇陛下の大権を保証されている事を条件とした宣言であればうけいれるとの 返事を連合国宛に送るのですが  連合国の回答が曖昧であったために

軍部としてはこの宣言は受け入れ難いと主張したのでした。

 

そして この事を阿南陸軍大臣は直接天皇陛下に訴えたのでした。

 

これを聞いた天皇陛下は その時

「阿南よ もうよい」 と 返事をするのでした。

さらに

「心配してくれるのは嬉しいが もう心配しなくとも良い、私には確証がある」

と続けられたのでした。

 

これを聞いた 陸軍大臣の闘志は萎えて この上なお反対論を唱える事は

天皇陛下に対して反逆する事になってしまうと考え

天皇の地位を憂慮するからこそ思い悩み反対してきたのですが その天皇自ら

確証があると言われた以上反対はすべきでないと決めたのでした。

 

その後 再び開かれた 最高戦争指導会議では このまま回答を受け入れて降伏するのか、

死中に活を求めて一戦を行い少しでも条件を有利にして和するかを論じ合う事になったのです。

東郷外務大臣は 再照会は交渉の決裂を意味するので宣言受諾について話を進めようと突っぱねるのに対して 陸軍参謀総長は 天皇の意思に反対しているのではなくはっきりさせなければならない事を議論しているのだとの応酬が繰り返されるのでした。

 

ここで 鈴木首相が 陸軍に対して

「何故 外務省の専門家の解釈を理解しないのか?」 と問い詰めるのでした

それでも 会議は紛糾して5時間余り続いた会議を一旦休憩することにしたのです。

 

そしてこの後

陸軍省に戻った 阿南陸軍大臣に対して

陸軍少壮幕僚から クーデター計画案を実行するように求められるのでした。

この時 既にクーデターを実行しようとしている者がいたようですが

 

その話を無視して 阿南陸軍大臣は夕方からの閣議に参加するのです。

そこでも 陸軍大臣は条件をはっきり付ける事を要求したのです。

 

ここで鈴木首相は

米国からの回答には悪意は感じない これ以上の字句を直せと言っても相手は分からないだろうし

大御心は和平停戦であるし 明日14日重ねて聖断を仰ぐとの結論で 13日の夕方6時半に閣議を終える事になったのです。

 

その後 陸軍大臣は クーデターの件の心配もあり 鈴木首相の所に向かい

御前会議を開くのを2日間待ってもらえないかと頼むのです。

 

この時 阿南陸軍大臣の胸中は 不満分子の説得に2日くらいかかると予測したからだと

思うのです

 

しかし

この時 鈴木首相は きっぱりとこの申し出を断るのでした

 

それは この時期を外してしまうと ソ連が満州から朝鮮 樺太から北海道にまで

進軍してきてしまい ドイツ同様に分割されてしまうと危惧したのです

そうなれば 日本の土台を壊してしまう事になるとなるので 相手がアメリカであるうちに始末をつけたいと考えたのでした。

阿南陸軍大臣は この時 何か言い返そうとしましたが思い諦めたと言う表情で丁寧に敬礼を行い お邪魔したことをわびた上で 総理室を出たのでした。

 

この時 鈴木首相は 阿南陸軍大臣の自決を予感したそうです。

 

そして

その後 陸軍省に戻った 阿南陸軍大臣を待ち受けていたものは?

 

それは

 

明日に続く、、。

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