EXECUTIVE BLOG

社長&顧問ブログ

2020.6.9

街中を美術館に

高光産業株式会社 妹尾八郎です

 

昨日からの続きです

 

昨日までの話は

街を歩いていると ビルの入り口に 「定礎」と書かれた石板を

よく目にすることからの話です。

 

ただ それを 見ても分かるのは 何年にどこの建設会社がこのビルを

建てたのか? と言うことは分かるのですが

私が知りたいと思ったのは

このビルの施主は どのような思いでこのビルを建てたのかを知りたいと思い

更に何故このようなデザインになっているのだろうと思っていたのでした。

 

しかし この定礎板を見てもそれは当然わかりませんから

空想で思うしかなかったのです

 

話変わって

最近 私の敬愛する設計事務所の先生のオフィスにお伺いすることがあり

事務所の中に入ると

事務所の壁いっぱいに 先生の設計した作品すなわち建築物の一覧が表示してたのです。

 

そこで 何気なくこれらの建物をどういう経緯で設計されたのかを聞いていると

面白い感動する話へと発展して

その話にのめり込んで行ったのです。

 

私も 建設の施主になった事があります

しかし その時は こういう建物が必要だと言う事だけを伝えると

後は 設計士が図面を引いて持ってくるのでした それを 建築会社と

うちわせてして 本当に事務的に淡々と工事に入って行ったので

設計や工事とはそんなものなんだと思っていました。

 

これが普通のようでして

設計士は 建築物の使用目的を聞いて 土地の 建蔽率や容積率、

あとは 使用人数とかを聞いて 過去の経験から

こういう建物が良いと考えて図面を書くのです。

 

私がこのとき先輩の話を何気なく聞いていると

今までの私の設計のイメージとはかけ離れた話を聞くことになるのです。

 

そして沢山の建築物 一つ一つにドラマがあることが分かるのです。

 

その先生は 施主さんと建築するにあたり 徹底的に議論をされて

 単に設計をするだけではなく

そこに至る 施主さんの努力やその建築物にかける思いをお聞きになるそうです。

 

私が経験不足かもしれないのですが

私が建てたビルや倉庫に関して そんな質問をされたことなどなく

単に使いやすさとか 階段やトイレの位置とかしか聞かれなかったのですが

 

もし この先生の様に この建物を建てるまでの経緯など聞かれたならば

きっと 涙なくしては話せないような内容の話をしていたかもしれません。

 

そして 今回の先生は その思いを建築物に反映するような設計をするのだと言う話を

聞いて 鳥肌が立つくらいの感動をしたのです。

 

そして 壁一面に書いてある過去の建築物の中で これは?と聞くと

一つ一つに思いを込めて作られているので

なんだっかな?なんていうことはなく 

これは あの時施主とこのような話をして

こういう風に設計したんだとか、まさに物語を語るように説明してくれたのでした。

それを聞いていると 建築物自体が生き物の様に感じ

人生物語を見るような気がしてくるのです。

 

こんな事は、 「定礎」と書かれた文字版を見るだけでは分かりませんよね

この建築物が壊される時に 定礎板をタイムカプセルの様に

中に当時の新聞や 設計図を入れる事があったにせよ 長い年月が経ってしまうと

当然その時の施主や関係者も居なくなっている可能性がありますから

その建物がどのような経緯で作られたか? 

何故このようなデザインになっているのか?

は知ることは出来ないのです。

 

それで 私に浮かんだアイデアは 

その定礎板に QRコードを模した石の模様を一緒に貼っていれば

それを 読み込むことで その建物がどのような経緯で出来たのか?

施主の思いが何だったのか?

それを設計士はどのように設計に組み込んだのか?

が分かれば面白いと考えたのです。

 

そういう定礎板をもし町で見かけたら

なるほど そういうことでここの窓は大きな円にしているのだ

とか ビルを遠くから見るとそういう意味が込められているのか

と言うことが分かり

町中が 大きな美術館になっている感じがしてくるのではと思い

散歩や散策が楽しくなるのではと思ったのです。

 

そして このことから またまたアイデアが浮かんだのです

 

その話は

 

明日に続く、、。

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