社長&顧問ブログ

高光産業株式会社　妹尾八郎です

昨日からの続きです。

 

昨日は　エベレストの話しから

清少納言の枕草子の話に戻りました。

 

枕草子の枕の意味は　中国の詩人『白居易』の詩文集『白氏文集』にある一節

『書を枕にして眠る』という一文を引用したものだったという話でした。

 

枕元に紙を置いておき　日常の出来事をそれに綴っていくことで枕草子が出来て行くのですが、

 

書を枕にして眠るには　他にも　常に勉強の必要性を説いた言葉であったのではと

私は考えます。

 

それこそ受験生の頃は　辞書を枕にして寝るとか言われていました

寝ても覚めても勉強しろと言う事ですよね、、

 

それくらいの努力をしなければ　受験には勝てないと思いました。

 

これは清少納言も同じだったと思います。

 

この当時、漢詩は男性の教養とされていました。

しかし、男性貴族が頻繁に出入りする宮廷にいた女性たちにも、漢詩の教養が必要でした。

もちろん、天皇に嫁いだ女性も漢詩に精通する必要があったとおもいます。

 

一条天皇に嫁いだ定子、そして定子に仕え宮廷で働いていた清少納言。

二人はともに漢詩の教養を持ち、普段のやり取りの中で知的なやり取りが行われ、

それを楽しんでいたようです。

それは

枕草子の中でも有名なエピソード『香炉峰の雪』の中に、

そんな環境が見て取れる節があります。

枕草子に書かれている内容は多岐に渡りますが、

その中でも特に印象深いのが中宮定子との想い出の一コマがあるのです。

 

『香炉峰の雪』がどのようなエピソードなのかといいますと、

 

ある寒い日の出来事・・・この日は雪が降り積もり、外は一面銀世界でした。

定子様にお仕えする女性たちは、御格子を下したまま閉め切られて外が見えない状態で、

火鉢を囲み談笑していました。

その中には当然、清少納言と定子様の姿もありました。

 

その時、定子様が、清少納言に問いかけてきました。

『少納言、香炉峰の雪はどんなでしょう？』

実はこの言葉の裏には、定子のある意図が隠されているのですが、、、。

 

この言葉を聞いてあることを思いついた清少納言は、

閉め切った御格子を上げさせ今で言う所のカーテンをめくり上げます。

 

すると定子様の目に飛び込んできたのは、あたり一面真っ白な雪景色だったのです。

 

この雪景色を目にした定子様はニッコリとほほ笑み、

『さすが少納言』と大層ご満悦な様子だったのです。

これだけだと何のことは無いエピソードに思えますよね。

ですが、このエピソードの本質は、清少納言が定子様のお考えを読み取り、

機転を利かせてそれに答えた。というところにあるのです。

 

これが　なんなの？　と　思ってしまうやり取りですが、

 

この言葉には定子が清少納言に投げかけたあるメッセージが込められていたのです。

それは中国の白居易という人物が詠んだ一節の中に

「遺愛寺の鐘は枕を欹てて聞く、香炉峰の雪は簾をかかげて看る」

と言う節があります。

 

定子は、実はこの漢詩の後半部分を前提として清少納言に問いかけたのです。

分かりにくいですが、要するに定子は『外の雪景色が見たい』と言っているのです。

しかし、定子は『香炉峰の雪はどんなでしょう？』と問いかけているので、

これを素直に受け取ってしまうと、

『雪が降り積もっております』などと言葉で回答してしまいそうですが、

ここが清少納言の違う所だったのです。

 

定子が

『遺愛寺の鐘は枕を欹てて聞く、香炉峰の雪は簾をかかげて看る』という漢詩を踏まえて『香炉峰の雪はどんなでしょう？』と問いかけていることを清少納言は瞬時に理解し、

御簾を上げて外の景色を披露するという行動に出たというわけです。

 

つまり清少納言は、『香炉峰の雪は簾をかかげて看る』という白居易の漢詩を、

定子様の目の前に再現してみせたという事なのです。

 

定子の意図を瞬時に汲み取り、見事な機転を見せた清少納言の機転に、

ご満悦だったというわけです。

これが、枕草子を代表するエピソード『香炉峰の雪』なんですよ。

 

これからも分かるように　二人は　文字が読み書きできるだけでなく

その奥にある漢詩まで勉強していたという事がわかりますね

 

現代の言葉で言うならば　粋なやり取りがあったという事になるのでは

と思います。

 

『枕草子』という作品名は、このような知的空間が生み出したものだったと

言う事がわかりますね。

 

漢詩迄も良く勉強していたと言う事になりますが

その漢詩についての話は？？？

 

明日に続く、、、、。

高光産業株式会社　公式サイト

https://takamitsu.com/