
EXECUTIVE BLOG
2026.8.22
高光産業株式会社
妹尾八郎です
昨日までは、
特許第4981991号
発明の名称「コンテンツURL告知システム」
の話しでした。
そこで
この特許が「テレビ」と「インターネット」を結び、
テレビで生まれた興味を
視聴者の次の行動へつなげる仕組みであることをご紹介しました。
今日は番外編として、
そもそも、
なぜ私がこの仕組みを考えるようになったのか。
その原点にあった「視聴率」についてお話ししたいと思います。
テレビ局へ行くと、
番組の視聴率について書かれたものを目にすることがあります。
「週間視聴率 第1位」「同時間帯トップ」「最高視聴率○%」
テレビ業界にとって、
視聴率は長年、番組の価値を示す大切な物差しの一つとして扱われてきました。
大きなスポーツイベントなどがあった翌日には、
「昨夜の決勝戦、最高視聴率○%」
「○○選手がゴールを決めた瞬間に最高○%」
といった数字がニュースになることもあります。
確かに、どれだけ多くの人に見られたのかは大切です。
しかし私は、
ある時から一つの疑問を持つようになりました。
「広告主が本当に知りたいのは、視聴率だけなのだろうか?」
「見た」ことと「届いた」ことは同じなのか
例えば、あるテレビCMの視聴率が10%だったとします。
それは大切な数字です。
しかし広告主の立場になって考えてみると、
その先を知りたくなるのではないでしょうか。
CMを見た人のうち、
何人がどの商品に興味を持ったのか。
何人が詳しい情報を見たのか。
どの商品が選ばれたのか。
どの地域から反応があったのか。
そして、
その広告をきっかけとして、どのような行動につながったのか。
つまり、
「何人が見たか」だけではなく、
「情報がどこまで届き、その先で何が起きたのか」
です。
そこで私は、
「視聴率」という物差しを、「到達率」という物差しに変えられないだろうか。
と考えるようになりました。
これが、20年ほど前に
「コンテンツURL告知システム」を考える一つの大きな発端でした。
ここでいう「到達率」は、単にテレビCMが何世帯に届いたか、
という意味だけではありません。
私が思い描いていたのは、もっとその先です。
テレビで情報を知る。興味を持つ。
インターネット上のコンテンツへアクセスする。
詳しい情報を見る。
資料を請求する。
予約する。
商品を検討する。
こうした流れが分かるようになれば、
テレビで生まれた「興味」が、
どこまで「行動」に到達したのか
を見ることができます。
私が「到達率」という言葉に込めたかったのは、この考え方でした。
もし自分が広告主だったら、と考えてみてください。
何千万円、場合によってはそれ以上の広告費を使ってテレビCMを流したとします。
その時に、
「視聴率は○%でした」
という報告だけを受けるのと、
「このCMからこれだけの人が商品情報へアクセスしました」
「この地域から特に大きな反応がありました」
「A商品よりB商品の情報が多く選ばれました」
「放送後、この時間帯にアクセスが急増しました」
というところまで分かるのとでは、広告の価値の見え方が大きく違います。
広告主にとって重要なのは、
広告を出したことではなく、広告によって何が起きたのか
だからです。
インターネット広告の世界では、今ではこうした考え方は珍しいものではありません。
クリック、アクセス、コンバージョンなど、
広告の先にある行動を測定する考え方が広く使われています。
ならば、
テレビでも同じようなことができないだろうか
二十年前にそう考えたわけです。
しかし、
「正確に分かる」ことが歓迎されるとは限らなかったのです、、、。
ここからが、
この発明を事業化しようとした時に感じた難しさでした。
広告の効果がより具体的に分かることは、広告主にとっては大きなメリットです。
一方で、
それまで視聴率を中心として成り立ってきた広告取引の世界から見ると、
評価の物差しそのものが変わることになります。
「どれだけ見られたか」だけではなく、
「その広告によって実際にどれだけ反応があったのか」
まで数字で見えるようになる。
これは広告の透明性を高めます。
しかし、透明性が高くなるということは、
これまで曖昧に評価できていた部分まで明確になるということでもあります。
当然、既存の商慣行やビジネスモデルとの間に、
さまざまな利害の違いも生まれます。
実際、この仕組みの事業化に向けて一旦は動き始めた時期がありました。
しかし、
さまざまな事情や既存の広告ビジネスとの壁もあり、
当時は本格的なサービスとして世に出すところまで進むことができませんでした。
私自身 広告の会社を経験したことがありませんでしたので
色々な商習慣を知る事が出来ていませんでした、、。
そこには目に見えない大きな壁があることを感じたのです。
しかし、時代の方が変わってきた
あれから時代は大きく進みました。
テレビを見ながらスマートフォンを使う。
番組を見て検索する。
広告を見て、その場で商品ページを見る。
SNSで反応する。
商品を購入する。
こうした行動は、今では特別なものではありません。
さらにデジタル広告では、
「何回表示されたか」
だけではなく、
「何回クリックされたか」
「その後どのような行動につながったか」
というところまで測定することが当たり前になりました。
考えてみれば、
私が「視聴率から到達率へ」と考えていた世界に、
技術と社会の方が少しずつ近づいてきたとも言えます。
だから、もう一度やってみたい
特許を取ったからといって、発明が完成するわけではありません。
本当の意味で発明が完成するのは、
その仕組みが社会で使われ、人の役に立った時
なのかもしれません。
しかし、
そこで終わったとは思っていません。
当時と今では、通信環境も端末もデータ活用の考え方も大きく違います。
何より、テレビとインターネットの距離が圧倒的に近くなりました。
だから私は今、
このサービスをもう一度、世に出すための活動を始めています。
「視聴率」から「到達率」へ
私は視聴率そのものを否定したいわけではありません。
視聴率は、テレビというマスメディアの価値を測る重要な指標です。
しかし、
インターネットによって双方向につながることのできる時代になった今、
「何人が見たのか」だけで終わる必要はない。
と思うのです。
何人に届いたのか。
誰が興味を持ったのか。
何に興味を持ったのか。
そして、その興味がどんな行動につながったのか。
「視聴」から「到達」へ。
「見る」から「動く」へ。
「一方向」から「双方向」へ。
その新しい物差しをテレビの世界に持ち込みたい。
それが、
特許第4981991号
発明の名称「コンテンツURL告知システム」
を考えた、もう一つの原点でした。
そして十数年の時を経た今、
一度止まった時計を、もう一度動かしてみたい。
そう考えています。