
EXECUTIVE BLOG
2026.10.21
高光産業株式会社
妹尾八郎です
昨日からの続きです
天国にも行けず、地獄にも入れてもらえなかった男がいた話の続き、、。
そんな奇妙な男の名前は、ジャックです、、、。
「スティンジー・ジャック」、
日本語にすれば「けちなジャック」と呼ばれていたそうです。
この男、なかなかの知恵者だったようですが、
同時に、
ずる賢く、自分の得になることばかり考えていた人物として語られています。
ある日、ジャックは酒場で悪魔と出会いました。
普通なら悪魔と聞いただけで恐ろしくなりそうですが、
ジャックは少しも動じません。
それどころか、悪魔を酒に誘ったというのです。
ところが、
酒を飲み終わると、ジャックは代金を払いたがりません。
そこで悪魔に、こんなことを持ちかけました。
「お前は不思議な力を持っているのだろう。
それなら、硬貨に姿を変えることもできるはずだ」
悪魔は、その言葉に乗ってしまいます。
ところが、硬貨に姿を変えた途端、
ジャックはそれを自分の財布代わりのポケットに入れてしまいました。
しかも、その中には銀の十字架が入っていたのです。
悪魔は元の姿に戻ることができなくなってしまいました。
まんまと罠にはまったわけです。
困り果てた悪魔に、ジャックは条件を出しました。
「これから一年間、俺に手を出すな。
そして、俺が死んでも魂を地獄へ連れて行くな」
悪魔は仕方なく、その約束を受け入れました。
こうしてジャックは、悪魔を出し抜くことに成功したのです。
ところが、一年後。
再び現れた悪魔に対して、ジャックはまたしても知恵を働かせます。
今度は、木の上にある果物を取ってほしいと頼みました。
悪魔が木に登ったところで、
ジャックは幹に十字架の印を刻んでしまったのです。
悪魔は、またしても木から降りられなくなりました。
そしてジャックは、
さらに十年間、自分に手を出さないという約束を取り付けたのです。
何とも抜け目のない男ですね。
悪魔を二度もだましたのですから、
本人はさぞかし得意だったことでしょう。
しかし、物語はここから思いもよらない方向へ進みます。
やがてジャックにも、人生の終わりが訪れました。
どれほど知恵が働いても、死だけは避けられなかったのです。
そして、ジャックは天国の門を訪ねました。
ところが、生前の身勝手な行いのため、
天国に入ることを許してもらえません。
それならばと、今度は地獄へ向かいました。
しかし、そこには以前だました悪魔が待っていました。
「お前の魂は地獄へ連れて行かないと約束したはずだ。
だから、ここにも入れるわけにはいかない」
悪魔は、そう告げたのです。
ジャックは困り果てました。
天国にも行けない。地獄にも入れない。
どこにも自分の居場所がないのです。
目の前に広がるのは、果てしない暗闇ばかり。
そこでジャックは、悪魔に一つだけ頼みました。
「せめて、この暗い道を歩くための灯りをくれないか」
悪魔は、地獄の炎から燃える炭を一つ取り出し、ジャックに投げ与えました。
ジャックは、その火が消えないよう、くり抜いたカブの中に入れたといいます。
そして、その小さな灯りを手に、
行く当てもない暗闇の中を、いつまでもさまよい続けることになったのです。
これが、アイルランドに伝わるジャックの物語です。
もちろん、実際にあった出来事ではありません。
昔から語り継がれてきた民話で、地域によって筋書きにも違いがあります。
しかし、私はこの話を読んで、何とも考えさせられました。
ジャックは、決して頭の悪い男ではありませんでした。
むしろ、誰も思いつかないような方法で、
悪魔さえも出し抜いてしまうほどの知恵を持っていたのです。
ところが、
その知恵を、自分が得をするためにばかり使っていました。
相手をだまし、約束を取り付け、その場をうまく切り抜ける。
目先の勝負には勝っていたのかもしれません。
しかし、
最後には、帰る場所さえ失ってしまったのです。
私は、この結末が妙に心に残りました。
人間は、賢くなることも大切です。
知恵を働かせ、困難を乗り越える力を持つことも必要でしょう。
けれど、
その知恵を何のために使うのかによって、
人生は随分違ったものになるのかもしれません。
人を言い負かすためなのか。
自分だけが得をするためなのか。
それとも、
自分も周りの人も幸せになる方法を考えるためなのか。
同じ知恵でも、
使い方によって、その先に広がる世界は違ってくるように思います。
そして、もう一つ。
私は、ジャックが最後に悪魔に頼んだものが、何とも印象的でした。
お金でもなければ、立派な家でもありません。
ただ、暗い道を歩くための小さな灯りだったのです。
あれほど自分の得ばかり考えていた男が、
最後に欲しがったものは、ほんのわずかな明かりでした。
もしジャックが、生きている間に、
もう少し違った知恵の使い方をしていたら、どんな人生になっていたのでしょう。
そんなことまで考えてしまいます。
さて、この不思議な男が持っていた灯りは、
やがて「ジャック・オー・ランタン」
と呼ばれるようになったと伝えられています。
そして、アイルランドでは、
カブをくり抜いて怖い顔を作り、中に灯りをともす風習が生まれました。
そうです。
あのハロウィンのかぼちゃにつながる物語なのです。
しかし、ここでまた一つ、不思議なことがあります。
ジャックが持っていたのは、かぼちゃではなく、カブでした。
それなのに、現在のハロウィンでは、
世界中でオレンジ色のかぼちゃが飾られています。
なぜ、カブがかぼちゃに変わったのでしょう。
その話は?????、
明日に続く、、、、、。