
EXECUTIVE BLOG
2026.6.29
高光産業株式会社
妹尾八郎です
昨日は、
お寺の山門で私たちを迎えてくれる「仁王様」の話しでした。
実は仁王様は、
お釈迦様を守る最強のボディガード「執金剛神(しゅこんごうしん)」であり、
その筋肉美のルーツは、
なんとギリシャ神話の英雄ヘラクレスにまで遡るという、
壮大な歴史をご紹介しました。
さて、仁王様のおかげで心が引き締まり、いよいよ本堂へ。
しかし、ここでもまた不思議な存在が私たちを見つめています。
少し上を見上げてください。
本堂の屋根の上や四隅には、
龍や虎、獅子、鬼のような姿をした不思議な生き物たちがいます。
「単なる飾りかな?」
そう思われる方も多いかもしれません。
実は、これらはすべて意味を持っているのです。
古来より日本では、
高い建物は雷や火災、台風など自然災害にさらされてきました。
寺院は木造建築です。
一度火がつけば、長い年月をかけて築かれた文化財が一瞬で失われてしまいます。
だからこそ昔の人々は、
「建物を守る神様」
を屋根の上に住まわせたのです。
中でも代表的なのが「龍」です。
龍は古来、水を司る神。
雨を呼び、火災を防ぐ守護神として信仰されてきました。
だから寺院や神社には、龍の彫刻や天井画が非常に多いのです。
一方、
屋根の端に座る獅子や鬼のような姿をしたものは、「鬼瓦」。
名前に「鬼」と付いていますが、悪い鬼ではありません。
恐ろしい顔で災いを追い払い、
魔物が寺へ近づけないよう見張っている守護神なのです。
人間でも、
強そうな警備員が立っているだけで
悪いことを考える人は近づきにくいですよね。
それと同じ発想なのです。
さらに、
お寺によっては「鯱(しゃちほこ)」を見ることもあります。
頭は虎、体は魚とも言われる想像上の生き物で、水を呼ぶ力があると信じられ、
火除けとして屋根に置かれるようになりました。
名古屋城の金の鯱は有名ですが、寺院にもその考え方は受け継がれています。
つまり、お寺全体を見ると、
山門では仁王様が人を守り、境内では鐘が心を清め、
屋根では龍や鬼瓦が建物を守っている。
実に何重もの「守り」に包まれていることが分かります。
昔の人は、建物を建てるだけではありませんでした。
そこへ訪れる人々の心まで守ろうとしていたのです。
現代では、寺院を見ても建築様式ばかりに目が行きがちですが、
一つ一つの彫刻や飾りには、
千年以上受け継がれてきた祈りや願いが込められています。
そう思って見上げると、
今まで何気なく通り過ぎていた屋根の上の生き物たちが、
まるで「今日も一日、無事でありますように」
と静かに見守ってくれているように感じられるかもしれません。
さて、屋根の守護神のお話をしましたが、
実は本堂の中へ入ると、さらに驚く世界が待っています。
仏様の周りには、
数え切れないほどの菩薩様や天部、明王様が並び、
それぞれに異なる役割を持っています。
なぜ仏様には、こんなにも多くのお供がいるのでしょうか。
そのお話は、また明日のブログに続く……。