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社長&顧問ブログ

2026.10.26

お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ

高光産業株式会社

妹尾八郎です

 

「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」

ハロウィンになると、

仮装した子どもたちが元気よく口にする言葉です。

 

英語では「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」。ですね、、

今ではすっかりお馴染みになりました。

 

ところが私は、

この言葉を聞くたびに、少し不思議に思っていました。

 

考えてみれば、何とも勝手な言い分ではありませんか。

お菓子をくれなければ、いたずらをする。

普通なら、叱られてもおかしくない言葉です。

それなのに、

大人たちは笑顔でお菓子を渡しています。

 

いったい、いつからこんな習慣が生まれたのでしょう。

 

そこで調べてみると、

意外にも、現在のような形が広まったのは、

それほど昔のことではありませんでした。

 

もちろん、

仮装して家々を訪ね、食べ物をもらう習慣は、

古いヨーロッパにもありました。

 

しかし、

現在のように子どもたちが

「トリック・オア・トリート」と声をかけ、

お菓子を受け取る習慣が広く定着したのは、

主に20世紀のアメリカだったのです。

 

しかも、その背景には、少々困った事情がありました。

 

今から百年ほど前、アメリカの一部の地域では、

ハロウィンの夜になると、

若者たちがさまざまないたずらをしていたそうです。

 

家の窓に石鹸で落書きをする。門や看板を動かしてしまう。

ひどい場合には、

物を壊すような騒ぎにまで発展することがありました。

 

当時の大人たちにとって、

ハロウィンは必ずしも楽しいだけの日ではなかったのです。

 

さて、どうしたものか。

 

そこで地域の人々は、子どもたちが安全に楽しめるよう、

仮装行列やパーティーなどを催し、

いたずらを楽しい行事に変えていこうとしました。

 

家々を訪ねてきた子どもたちには、お菓子を用意して迎える。

そうした習慣も、次第に広がっていったのです。

 

つまり、

子どもたちの困った行動を、ただ叱ってやめさせるのではなく、

みんなで楽しめる行事に変えていこうとしたわけです。

 

私は、この話を知って、なかなか面白い発想だと思いました。

 

禁止するのではなく、別の楽しみ方を作る。

人間の知恵とは、こういうところにも表れるものですね。

 

そして第二次世界大戦が終わり、1950年代になると、

アメリカではこの習慣が急速に広まっていきます。

 

子どもたちは仮装して近所の家を訪ね、

大人たちはお菓子を用意して待つ。

 

そこには、地域の人々が一緒になって

子どもたちの成長を見守る、温かな光景も生まれていきました。

 

ところが、この歴史を調べているうちに、

私は一つの実話に出会いました。

 

舞台は1950年のアメリカ、フィラデルフィアです。

そこに、

クライド・アリソンとメアリー・エマ・アリソンという夫婦がいました。

夫は牧師、妻は教師でした。

 

二人は、ハロウィンになると、

子どもたちが楽しそうに家々を回り、

お菓子をもらっている姿を見ていました。

 

子どもたちにとっては、年に一度の楽しみです。

袋いっぱいのお菓子を抱えて帰る子どもたちの顔は、

きっと喜びに満ちていたことでしょう。

 

しかし、メアリー・エマには、気になることがありました。

 

当時、第二次世界大戦が終わってまだ数年しかたっていません。

ヨーロッパには、戦争によって家を失い、

十分な食べ物もなく、厳しい暮らしを続けている子どもたちが大勢いました。

 

自分たちの町では、子どもたちがお菓子をもらって喜んでいる。

しかし、海の向こうには、食べるものにも困っている子どもたちがいる。

 

そのことが、彼女の心に引っかかっていたのです。

そして夫に、

こんな趣旨のことを話したと伝えられています。

 

「このハロウィンを、何かもっと良いことに役立てられないでしょうか」

夫も、その考えに賛同しました。

 

実は二人は、それ以前から、戦争で苦しむ人々のために、

子どもたちが古い靴などを集める活動を進めていました。

 

そして1950年、今度はハロウィンに、

世界の子どもたちを助けるための募金を集めることを思いついたのです。

 

子どもたちは、いつものように仮装して家々を回ります。

しかし、今度は少し違いました。

お菓子をもらうだけではなく、

遠い国の子どもたちのために、小銭を寄付してもらうのです。

 

集めたお金は、ユニセフを通じて、

栄養不足に苦しむ子どもたちを助けるために使われることになりました。

 

そして、その年のハロウィン。

子どもたちが集めた募金は、全部で17ドルだったそうです。

 

17ドル。

決して大きな金額ではありません。

 

しかし、この17ドルには、

子どもたちの優しい気持ちと、

それに応えた大人たちの善意が込められていました。

 

私は、この話を知って、何とも心が温かくなりました。

 

子どもたちは、

遠い国の子どもたちに会ったこともありません。

顔も知らなければ、名前も知りません。

それでも、自分たちと同じような年頃の子どもが、

お腹をすかせて困っていると知り、何か役に立ちたいと思ったのでしょう。

 

お菓子をもらうことが楽しみだったハロウィン。

その日に、

誰かのために何かを集めるという、新しい喜びが加わったのです。

 

そして驚いたことに、この小さな活動は、

その後、アメリカ各地へと広がっていきました。

 

やがて、

ユニセフの募金箱を持ってハロウィンの夜に家々を訪ねる子どもたちの姿が、

アメリカの秋の風物詩の一つになっていったのです。

 

最初は、たった17ドルでした。

 

ところが、その後、何十年もの間に集まった募金の総額は、

累計で約2億ドルに近づくほどに成長したといいます。

 

何ともすごい話ではありませんか。

 

私は、ここに人間の持つ、もう一つの素晴らしい力を感じました。

最初から大きなことを成し遂げようとしたわけではありません。

 

目の前にある、子どもたちが楽しんでいる行事を見て、

「これを、誰かのためにも役立てられないだろうか」

と考えただけなのです。

 

しかし、その小さな発想が、

やがて多くの人々の心を動かすことになりました。

 

考えてみれば、世の中を変えるきっかけというものは、

案外こうしたところにあるのかもしれません。

 

誰もが当たり前だと思っていること。

昔からそうしているからと、

何の疑問も持たずに続けていること。

 

そこに、ほんの少し違った見方をしてみる。

すると、

今まで見えていなかった可能性が生まれることがあります。

 

私はこれまで、

さまざまなアイデアや仕組みを考えてきましたが、

この夫婦の物語には、何か通じるものを感じました。

 

ただし、今回、私が最も心を動かされたのは、

発想の素晴らしさだけではありません。

それを受け入れ、実際に行動した子どもたちの存在です。

 

大人がどれほど立派なことを考えても、

子どもたちが参加しなければ、この活動は始まりませんでした。

 

そして、子どもたちの呼びかけに応えて、

小銭を差し出した地域の人々がいなければ、17ドルは集まらなかったのです。

 

一人一人の小さな善意が集まり、やがて大きな力になっていく。

そのことを、この実話は教えてくれているように思います。

 

そして私は、ふと想像しました。

1950年のハロウィンの夜。

仮装した子どもたちが、一軒の家の扉をたたきます。

出てきた大人が、お菓子を手渡します。

そして子どもたちは、

遠い国の子どもたちを助けるための募金をお願いする。

大人はポケットから小銭を取り出し、子どもたちに渡します。

その小さな硬貨が、海の向こうの誰かを助けることになる。

 

もちろん、これは当時の活動から私が思い描いた光景です。

 

けれど、実際に多くの子どもたちと大人たちの間で、

こうしたやり取りがあったのでしょう。

 

私は、そこに何とも美しいものを感じました。

お菓子をもらって喜ぶ子どもたちが、

今度は誰かに喜びを届ける側にもなった。

 

自分が幸せになることと、

誰かを幸せにすることは、

決して別々のものではないのでしょう。

 

最初は

「お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ!」は

何とも勝手な言葉だと思っていました。

 

しかし、その言葉の歴史をたどってみると、

子どもたちのいたずらを地域の楽しみに変え、

さらに遠い国の子どもたちを助ける活動へと

発展させた人々がいたことを知りました。

 

もらうことの楽しさから、分かち合うことの喜びへ。

ハロウィンは、そんな一面も持つお祭りになっていたのです。

 

そして私は、1950年に集まった、あの17ドルのことが、

いつまでも心に残っています。

 

最初は、ほんのわずかな金額だったかもしれません。

けれど、その小さな一歩がなければ、

その後の大きな活動も生まれなかったのでしょう。

 

何かを始めるとき、

大きな力や立派な準備が必要だと思いがちです。

 

しかし、最初の一歩は、案外小さなものでよいのかもしれません。

大切なのは、その一歩を踏み出そうと思う心なのでしょう。

 

さて、ハロウィンの歴史を調べていると、

子どもたちがお菓子をもらう習慣のほかにも、昔の人々が楽しんでいた、

何とも不思議な遊びがあることを知りました。

 

それは??????

 

の話しは

 

明日へ続く、、、、、、。

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