EXECUTIVE BLOG
2021.8.3
高光産業株式会社 妹尾八郎です
昨日からの続きです。
昨日までは 76年前の ポツダム宣言受諾から終戦までの話の過程の話が続いています。
敗戦確実であると殆どの人は考えていましたが
誰一人 政府軍部内で終戦を口にする者がおらず 意見が分かれてしまい
このままでは ずるずると結論が出ないままで そうしている内に 日本は
更に被害が大きくなることを 危惧した鈴木首相は
自分達では結論が出ない事を判断して
天皇陛下のご聖断を仰ぐと言うウルトラCの提案を持ち出し
天皇陛下から ポツダム宣言受諾はやむを得ないとのお言葉を頂くのでした。
これをもって閣議決定として
ポツダム宣言受諾の意を連合国宛に返信するのですが
それでも無条件降伏を受け入れるのではなく 国体護持だけは何とか守りたいと
条件付きでの返信でした。
アメリカとしては 絶対的無条件降伏を意図していましたが この期に及んで
日本側が 天皇制だけは守って下さいと の条件に対して
確約をするのではなく 曖昧な表現での回答をするのです
この回答を受けた 日本政府と軍部の間で 又意見が分かれてしまうと言うのが
昨日までの話でした。
では その連合国からの回答には どのような表現での回答であったのか?
そこには
「最終的の日本国の政府の形態は・・・・・日本国民の自由に表明する意志により決定せらるべきものとする・・・・」と言うような内容で
外務省側は
天皇制の対する確たる保証はないが この文章からすると 半ば保証されたも同様だと
判断したのです。
一方 大本営側は
この回答文では不十分だとして 絶対に反対すべきだと 天皇陛下に対して奏上したのでした。
回答文中にある
『Subject to』 を 軍側は すばり「隷属する」と訳したからだったのです。
こう訳すと
「天皇及び 日本国政府の国家統治の権限は・・・・・連合軍最高司令官に隷属するものとす」
のなるので
これを受諾するという事は
「国体の根基たる天皇の尊厳を冒涜しあるのは明らかで 我が国体の破滅、皇国の滅亡を
招来するものです」
と天皇陛下に説いたのです。
一方の 外務省は、
この 「subuject to」 を 軍人はどうせ訳文だけ見て判断するだろうから
これを 「制限の下に置かれる」と訳したのですが
軍部は そんなもので納得せず 彼らが訳した 「隷属する」で いかに国体を護持できようかと態度を硬化させたのです。
そして 陸軍省内部では ポツダム宣言受諾を阻止すべきだとの意見が輩出し
陸軍大臣に詰め寄り 阻止できないのであれば 切腹すべくだと詰め寄ったのです。
外務大臣は外務省の訳文をもって 天皇陛下に伝えるのですが
天皇陛下は 議論をしていたのでは際限なく時間がかかる 自分はこれで満足だから
外交手続きを取るほうが良いと思うから 自分の意見を首相に伝えるようにと頼んだのでした。
しかし 閣議は即時受諾派と 全面反対の阿南陸軍大臣との全面対決と
更には 国体護持確認の為に再照会論まで出てきて
全く閣議が進まなくなってしまったのです。
これではまた結論がでない閣議を延々とすることになり
そうこうしているうちに ソ連軍の侵攻は 樺太から満州に続き 北海道への
侵攻も予想される状況になっていました。
それでも 外地の軍からは 徹底抗戦を訴える意見具申電報が大本営宛に打ち込まれてきたのです。
更には陸軍中央の抗戦派幕僚らは クーデターを計画し戒厳令を布くべきだとの意見を出してきたのです。
この事を背景にして 阿南陸軍大臣は 天皇陛下に対して 自らの意見を
訴えようとしたのです
その内容は 天皇の地位存続に対する心配を伝えるためでした
それを
聞いた天皇陛下は
その訴えに対して
なんとお答えになられたのか???
それは
明日に続く、、、。