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社長&顧問ブログ

2020.11.25

天皇の権限

高光産業株式会社 妹尾八郎です

 

昨日からの続きです

 

昨日までは 隣組と言う組織が 戦時中は お互いを監視する組織で

有ったと言う話から

それを取り締まる機関として 特別高等警察や憲兵が居たと言う話でした

一般市民にとって 怖かったのは 特別高等警察だったのではないでしょうか?

今の政治体制がおかしい等言おうものならば すぐに特高が来て 取り締まっていたようで

その取り締まりには 今では考えられないリンチなども行われていたようです。

憲兵のほうは 主に軍人を取り締まっていたのですが

反戦などを言う民間人も取締対象だったようです。

 

今では 考えられない組織ですが 戦前まではこのような組織が実際あったのです。

そして隣組は 今では お互いを監視するというより 地域のコミュニティとして

自治会の形で残っていて 今でも回覧板は活用されていますね。

 

このように 戦時中は 警察と軍が一体となって 国内の反乱分子の取り締まりを

行っていたのですが

 

一見しますと 同じ仲間のような気がしますが

 

よく見ると組織自体が全く違う事がわかります

 

警察と言えば行政機関ですから 政府を頂点としたその組織の一機関です。

 

しかし 軍は簡単にいますと 天皇に所属しており 軍人たちは天皇の軍隊であると

思っていたようです。

 

政治的には  陸軍省 や海軍省があり それぞれには 陸軍大臣 海軍大臣が居まして

閣議には 当然 大臣が出席します。

これらの大臣は 現役の軍人からしか選べなかったので 総理大臣が国の方針を決めていくのに それが軍部の意向に反していたら ただ反対意見を述べるだけでなく

最後の手段として 辞任してしまうのです。

それでは閣議で何も決められないので 総理は総辞職をしなければならない事になり

結局は 軍部の都合の良い総理大臣が選ばれてしまうと言う結果になり

軍の力が 昭和初期から大きくなっていき 戦争へと突入してしまったのです。

 

そして 開戦を決めるのは政府ですが 一旦 戦争がはじまりますと 軍を統制しなければならず その時に置かれるのが大本営という組織なのですが

そこを取り仕切るのが 陸軍であれば 参謀総長 海軍であれば 海軍軍令部長という事になるのです。

戦争の作戦は 全てここで決められてしまうのです

そして これを統帥出来る最高権限者が当時は天皇陛下だったのです。

 

簡単にこの事を考えてしまえば 結局は天皇が最高権力者であるように見えます。

 

よく語られることに 戦争を終わらせたのは 天皇陛下なのだから 戦争を始めなければ

多くの人が犠牲にならずに済んだのにと言う人がいて

それを持って天皇に戦争責任があると論じている方や政治団体があります。

 

しかし この構図をよく見てみますと 一旦戦争が始まればその軍を統帥する権力は大本営統帥部にありその最高権力は天皇ですが

 

戦争を開始するかしないかを決めるのは内閣ですね

その内閣で決められたことに対しては天皇は何も意見を言えずにいたのです。

 

このあたりは もっと詳細に書かなければなりませんが 昭和天皇はずっとそれを守っていたのです

 

では 終戦の時に何故 やめさせることが出来たのか? と思うでしょうが

 

天皇は 戦争を止めろと命令はしていません  理論的には 軍事行動を止めろと命令する権限があったとしても 終戦をすると言う事は 内閣が決めることであり 天皇はそれに従うだけだったのです。

話は 逸れてしまっていますが 簡単に言いますと

内閣では 終戦の結論が出なかったので と言うより

私はずるいと思うのですが 誰一人自分からは戦争を止めようと言える人が居なかったのです。

後年後ろ指をさされるとでも思ったのでしょうね

 

それで 初めて 内閣から 天皇に意見を求めたのです

その時の首相が 結論が出ませんが 天皇は如何思いますか?

それを参考にしたいのですが と言うかんじですかね

 

そこで 初めて意見を公式の場で言える機会を天皇は与えられたので

このままでは 自分の意見として 戦争継続はしないで欲しいと答えたのです

 

これは 命令ではありません あくまでも意見を求められたので答えたという事なのです

 

長々となりましたが 

 

大日本帝国憲法下の組織をよく知らなければ なかなか理解できないのですが

物凄く簡単にいうと そういう時代だったのです

 

ですから

 

警察と軍のちから関係も見えて来るとおもいます

 

そして それが 大事件へと発展するのですが

 

この話は

 

またまた明日へと続くことになります、、。

 

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