
EXECUTIVE BLOG
2026.8.4
高光産業株式会社
妹尾八郎です
昨日は、
神社には宮司、禰宜、権禰宜など、
それぞれに大切なお役目があると言う話でした。
役職は
「偉さ」を表すものではなく、
「責任」と「役割」を表すものなのですね、、。
そして、
一人ひとりが自分の役目を誠実に果たすことで、
一つの神社が守られていることなのです。
ところが、日本にはただ一つ、特別な神社があります。
それが、日本人の心のふるさとともいわれる
伊勢神宮 です。
伊勢神宮では、一般の神社とは少し違う組織になっています。
通常、神社で最も責任ある立場は「宮司」です。
しかし伊勢神宮には、その宮司のさらに上に、
「祭主」という特別なお役目の方がおられます。
では、祭主とはどのようなお立場なのでしょうか。
「日本で一番偉い神職だから。」
そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その考え方は少し違います。
祭主は、「一番偉い人」ではないのです。
「日本中の人々の幸せを祈ること」
を最も大切なお役目とする方なのです。
現在、この祭主のお役目は、皇室の方がお務めになっています。
古くから皇室は、
日本の安寧と国民の幸せを祈ることを大切な務めとして受け継いでこられました。
伊勢神宮の祭主もまた、
個人のためではなく、日本という国、
そして人々の平和と豊かな実りを祈り続けるお役目を担っておられるのです。
私は、このことを知った時、とても感動しました。
世界には、権力や財産、力の大きさを競う歴史があります。
しかし日本では、最も尊い立場にある人のお役目が、
「祈ること」
だったのです。
なんと美しい文化なのかと思ってしまいます。
もちろん、「祈る」とは、ただ願い事を口にすることではありません。
人の幸せを願うこと。
災害が起きないように願うこと。
五穀豊穣を願うこと。
世界が平和であるよう願うこと。
目立たない場所で、静かに人々の幸せを願い続けること。
それが祭主のお役目なのです。
考えてみれば、私たちの日常にも同じことがあります。
お父さん、お母さんは、子どもの幸せを願っています。
先生は、生徒の成長を願っています。
会社の経営者は、社員やその家族の幸せを願ってこそ、
本当に信頼される存在になります。
肩書きが人を立派にするのではありません。
人を思う心が、その人を立派にするのです。
だから、日本では昔から
「上に立つ人ほど、人のために尽くしなさい。」
という教えが受け継がれてきました。
私は思います。
本当に偉い人とは、多くの人の上に立つ人ではありません。
多くの人の幸せを、自分のことのように願える人ではないでしょうか。
伊勢神宮の祭主というお役目は、そのことを静かに教えてくださっています。
神社を訪れると、美しい社殿や大きな鳥居に目が向きます。
しかし、
その奥では、誰かが毎日、人知れず祈りを捧げています。
私たちが安心して暮らせるように。
自然の恵みが豊かであるように。
その祈りは、
千年以上もの間、途切れることなく受け継がれてきました。
私は、このお話を知ってから、
「祈る」という言葉の意味が少し変わりました。
自分だけの幸せを願うことも大切です。
しかし、それ以上に、
友人の幸せを願う。
地域の幸せを願う。
日本の平和を願う。
そのような心を持てた時、人の心は少しずつ豊かになっていくのだと思います。
人の上に立つとは、人より偉くなることではありません。
人のために祈れる人になること。
それこそが、
日本人が古くから大切にしてきた、本当の「尊さ」なのではないでしょうか。
もし伊勢神宮を訪れる機会がありましたら、
ぜひこのことを思い出してください。
あの静かな森の中では、
今この瞬間も、誰かが私たち一人ひとりの幸せを願い、
静かに祈りを捧げてくださっています。
その祈りに支えられていることへの感謝を忘れず、
私たちもまた、誰かの幸せを願える人でありたいものです。