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社長&顧問ブログ

2021.8.7

阿南陸軍大臣の苦悩

高光産業株式会社 妹尾八郎です

昨日からの続きです。

 

昨日までは ポツダム宣言から終戦決定までの話でした。

終戦間際には 広島と長崎に原爆まで投下されてしまいました

 

昨日は 原爆投下から76年を迎えた広島では 平和祈念式典が行われました

犠牲者の方々の冥福を祈りたいと思います。

二度と戦争が起きない事を願うばかりです。

 

太平洋戦争も始める時は 勢いで開始した感じがしますが

終戦にすることが どれだけ大変だったかを 改めて感じてしまうのです。

 

戦後  終戦のご聖断を下したのは天皇陛下なのだから

開戦の時もご聖断を行い戦争回避を出来たのではないか、

故に 天皇陛下には戦争責任があると述べる人たちがいますが

 

ポツダム宣言が発せられてから 終戦までの間の出来事をみてみますと

この考えが違うのではという事に気が付くはずです

 

ここで 何度も書いていたのは ポツダム宣言を受諾して 無条件降伏を受け入れるか否か

について、

最高戦争指導会議や 閣議が行われた際に 何度となく長時間にかけて

議論をするのですが 結論を出せなかったのです。

誰の目から見ても これ以上闘う余力などないと分かってはいても

無条件降伏を素直に受け入れることが出来なかったのです。

 

これでは いつまで経っても結論が出ないし

そうこうしているうちに ソ連軍は日本本土まで侵攻して

最悪日本は ドイツのように分断されてしまうと危惧した鈴木首相が

ウルトラCの手段を使って 天皇陛下のご聖断を仰ぎそれをもって結論にしたいと

言ったのでした。

ここで 重要なのは あくまでも 天皇陛下のご意見を 会義の結論にするよと

首相が言ったという事です。

 

正直な心情は分かりませんが

このご聖断により 陸軍大臣も これ以上の反対はできないと

考えたのです。

阿南陸軍大臣はかつて 侍従武官として天皇陛下の側近として仕えていたこともあり

天皇陛下の心情を知った以上従うしかないと考えたのでした

 

 

御前会議とは 天皇陛下の前で会議を行う事であり

そこで出た結論に天皇陛下が許可を出すというのがそれまでの決まりのような感じでした。

 

それが、

終戦を決める御前会議では いつまで経っても結論を出せないので

天皇が決めてくださいと首相は天皇に結論出すのを任せてしまったのです。

意見を言えと言われた天皇陛下が これ以上の戦争継続は困難であるから

ポツダム宣言を受諾しなさいと言われたのでした。

そして この意見を聖断として受け入れ、

閣議で正式手続きを行い 国の決定とするのです。

幾ら戦前の日本と言えども きちんと手続きを踏まなければならなかったのです。

 

天陛下が終戦しろと命令したわけではないのです。

 

開戦の時は 開戦しますと勝手に会議で決めてしまったのでした。

それまで

天皇陛下何度も平和的な解決を希望していたのですが、

軍部政府は開戦を決めてしまったので、天皇は裁可せざるを得なかったのです。

これからも分かるように

戦争開始を命令した戦争責任があるという事にはならないと言う事になるのです。

 

簡単に言うと

開戦の時は 勝手に決めて 決めたのだから裁可してくださいと言ってたのに

終戦の時は 自分達では決められないので どうしたら良いかご意見くださいと

言って 天皇が言ったんだから従おうぜ

的な感じだと思います。

 

こういう事があり最終的に、

8月14日に 天皇陛下による最終ご聖断が下ったのです。

これからが 正式手続きに移るのであって

閣僚の全員の署名押印無くしては 終戦の決定にはならないのです。

 

この事を知っていた 陸軍幹部は 御前会議終了後の阿南陸軍大臣をつかまえて

あくまでも戦争継続を訴え 陸軍大臣しかできない 治安維持の為の兵力使用権発動を

求めるのでした。

しかし 先ほど書いたように この時には阿南陸軍大臣は肚を決めていて

「最後のご聖断が下った以上は悪あがきをするな 軍人たるものは聖断に従う他はない」

ときっぱり 申し出を断ったのでした。

 

しかし それでも悪あがきする幹部は 陸軍大臣に対して

「大きな大義の為の戦争継続はしなければならないので この際 大臣は辞職してください」と 喰い下がったのでした。

それでも阿南大臣の意思は固く 絶対に辞職しない旨を伝えて

不満分子が待ち受ける 陸軍省の大臣室に戻るのでした。

幕僚達は あくまでも受諾反対でしたから

大臣が辞職しさえさえすれば 閣議での決定ができなくなると考えていたという事で

それでは 終戦の手続きが完了しないという事になるのです。

 

それでは

大臣は絶対戦争継続を信じている幕僚に対して

なんと訓示したのか?

 

それを

聞いた 幕僚達は それを素直に受け入れたのか?

それとも、、、、

 

 

それは

 

明日に続く、、、。

 

 

 

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